「マイ・ブルーベリー・ナイツ」 - 2008.04.13 Sun
なるほど。こういう、おしゃれっぽい映像をつくるんですね。
人物や電車のコマ送りみたいな動き(電車は光の流れのようにもなる)や、店の外から内側を撮って、文字の書かれた窓越しに人物を映すとか。
![]() |
(c) Block 2 PICTURES 2006 |
私の映画鑑賞ルールに漏れず、ナタリー・ポートマン嬢が出ているから観たわけだが。
全体に甘く感傷的なムードだけど、嫌いじゃない。
歌手のノラ・ジョーンズが主演もしていて、これが自然でいい。知らなければ、歌手でなくて女優さんと思っていただろう。
とてもチャーミングな人だ。
ちらっと聞いたところでは、彼女が演技の勉強をしたほうがいいかと監督に聞いたら、そんな必要はない、15歳からステージで歌っているのだから経験は豊富だ、と言われたらしい。
ジュード・ロウの店に通いだしたノラ。このまま仲良くなって…と思いきや。
ノラちゃん旅に出る。
しかも、自分はジュードに手紙を書きたいときに書いて満足しながら、相手には自分の居場所を教えない。このへんは、ちょっと勝手なんじゃありませんか? あなたは受けとめてくれるだけでいいの。なんて。
ロードムービーの形になって、ノラが行く先々で出会うのが、レイチェル・ワイズ、デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン演じる人たち。
レイチェルの出番は少ないが、道ばたに座ってノラに心情を語るシーンの素晴らしさは、その一場面だけで彼女が出ただけの価値があると思わせるものだった。
![]() |
(c) Block 2 PICTURES 2006 |
それに比べてしまうと、あとで出てくるナタリー・Pは、まだ若いなあと感じられてしまって、損な感じもする。
とはいえ、彼女には珍しく、ちょっとラフな感じを漂わせながら、一方では父親に対する感情をチラ見せしていく演技は、それなりにいい。
ノラとの別れは、あっさりしているが、かえって見ていてキュンとくるし、この2人らしいし、やっぱり、おしゃれだよね、あれは。
やはり、ナタリーには、この先も期待しちゃおう。
そして、ラストのセリフ。これがよかった。
映画サイトのIMDb(The Internet Movie Database)に載っていたので、記憶のためにも最後の行に書いておくが、これから映画を観ようという方は、読んだり訳そうとしないほうがいい。映画を観たときに初めて知るのがいいから。
ラストシーンに、このセリフが重なったときは、グッときて泣けてきた。こんな出会い、したいよ。
レイチェルの道ばたのシーンと、このラストの2つは、よかったなあ。
It took me nearly a year to get here. It wasn't so hard to cross that street after all, it all depends on who's waiting for you on the other side.
(4月5日)
![]() |
(c) Block 2 PICTURES 2006 |
MY BLUEBERRY NIGHTS
2007年 香港・中国・フランス作品
監督 ウォン・カーウァイ
出演 ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ、デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン
トラックバック:
【待宵夜話】++徒然夢想++様、レザボアCATs様、我想一個人映画美的女人blog様、二子玉川 de ぼちぼち絵日記様、ときどき 映画日記。様、マイ・ブルーベリー・ナイツ@映画生活様、シネマトゥデイ様、ウーマンエキサイトシネマ様、シネマカフェ様、goo映画様、映画レビュートラックバックセンター様、映画専用トラックバックセンター様、映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ)
評価☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
こんばんは♪
>とらねこさん
賭けポーカーのギャンブラー役、それなりに楽しませてもらいました。
父親との関係やら、自分の弱さやらを垣間見せながらの、ノラちゃんとの交流。
ノラ・ジョーンズとは、すごく仲良くなったとか。
私も仲良くなりたい…共演しようかな…(無理か!?)
ボーさん☆
ノラジョーンズの歌って聴いたことなかったんですが、
なかなか映像にもハマってましたよね~。
ウォンカーワァイ作品は昔はよく見てましたけど、今回も彼らしい映画という感じがしました~。
アメリカでとったというのが最大の違いですけどネ。
ナタリー、主演初のノラの前で、大女優の貫禄がちょっと出てましたよん☆

>migさん
ノラちゃんの歌、スローでムードあって、いちばん合ってました。
ノラって名前がいいですよね。ノラ(猫)、ノラ(仕事)…。
そのノラを使って撮ってみたかった、という監督ですから、次回もアメリカで、とは限らないのかもですね。
ナタリー、ちょっと大女優ですか。そう言われると彼氏である私は嬉しいです。(おーい)
いいなぁ・・・
カーウォイ監督の 「恋する惑星」はとっても好きでした~
この映画は 私は ジュード・ロウさんに、
夫は 綺麗な女優陣(ナタリー・ポートマンさん含む)に夢中で
お互い 楽しめました(笑)
ほんとに ノラさん、普通 旅に出ないよなぁ~ と思いましたが。。
うらやましすぎます。
>スノーパンダさん
アジア圏の映画は、あんまり観ないですからねえ…。
ジュードですか。ですよねえ。ストラザーンの立場は?
旅に出るの、うらやましいですよね。私も最近行ってないなあ。温泉とか…。行きたいですねー。
洒落た映画でしたね。
>自分はジュードに手紙を書きたいときに
>書いて満足しながら、相手には自分の
>居場所を教えない。このへんは、ちょっと
>勝手なんじゃありませんか?
確かに(笑)。想いの自己中な一方通行ですよね。ジュードのほうは気の毒でした。
なにかに載っていたノラのインタビューで、「なぜブルーベリー・パイになったのか」が語られていました。カーウァイ監督に「嫌いなパイは?」と訊かれたノラが「ブルーベリー・パイ」と答えたからだそうです。
監督としては、「パイは好きじゃないけど、それでも、ジュード演じる彼とカフェに惹かれて、あの店に通わずにはいられない」という衝動を描きたかったらしいです。なるほどなぁ、とは思ったけど、観ていたときはそこまで汲み取れなかったので、ちょっと残念。
>香ん乃さん
でも、私はカーウァイにハマリはしないな、と思いました。
ブルーベリーパイが嫌いだから、なんて映画を見る限りでは気づかないですよね。
ノラちゃん、食べて「悪くないわ」って言ってたし。
手紙の一方通行でも、好きだったら私もジュードみたいに探したり待ったりするような気がしないでもないです。
私はブルーベリージャムは、ヨーグルトに入れて、いつも食べますよ。目のために…。
トラックバック
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/1163-f2d62cd9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
今回は珍しく、ちょっとワガママな女の子の役でしたけど、私はそういうの大好きだったり♪
それに、彼女が演ると自然で、た
だ単に性格がわがままなんじゃなくて、これまでの培ってきた経験が彼女を、こんな風な行動にさせているんだ、
という風に感じられましたよね♪