「第七の封印」 - 2016.03.05 Sat
やっと見ました、この映画。
戦いや伝染病で大勢の人間が亡くなっていく。神はいるのか。死からの救済はないのか。
基本は、そういうあたりだと思うのですが。

旅芸人の若い夫婦が、身の丈に合った日々をせいいっぱい幸せに感じながら生きているのが、ほかとの対比で感じられます。
こういうものこそが、あるべき暮らしなのかなという印象もありますね。赤ちゃんがいるのが、生命力を感じさせるし。
芸人の一家が生き長らえるのは、夫が「死」をめざとく見つけて逃げたからですが、もともと彼は聖母マリアの姿を見るように、素直な信仰心を持っています。
ということは、ごちゃごちゃ言わずに、素直に神を信じるのがいいのかもしれません。
この夫は酒場で、いじめられます。周囲のみんなが、その「いじめ」を、はやしたてます。
はやしたてた人々は、もしかしたら「死」に早々につかまるのではないか、とも思えますね。
うがって見れば、十字架を背負い歩くイエスを、道々ではやしたてる人々の図を、少し思い起こさせもします。
でも、悪いことをしていないような人まで「死」にとらわれるのは、なぜなのか。
どこかで、そうなるべきことをしているのか? でなければ、運命としか言えず、それでいいのか?という話にもなっていくのですが。
しかし、そもそも世の中、わけわかりませんから、ま、いいのでしょうか。(いいのか?)
ヨハネの黙示録に、7つの封印をひとつずつ開けていくと、災いなどが生まれてくる、という話があるそうです。
(2月28日)

DET SJUNDE INSEGLET
1956年 スウェーデン作品
監督 イングマール・ベルイマン
出演 マックス・フォン・シドー、グンナール・ビョルンストランド、ビビ・アンデルセン、ニルス・ポッペ、グンネル・リンドブロム
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 1957 AB SVENSK FILMINDUSTRI
● COMMENT ●
白と黒の陰影
>はやしたてた人々は、もしかしたら「死」に早々につかまるのではないか、とも思えますね。
>でも、悪いことをしていないような人まで「死」にとらわれるのは、なぜなのか。
あ~、その発想はありませんでした…死は誰にでも平等に訪れるものだと思ってるので。
最後、急にみんなで悟りを開いたみたいになっちゃうのも理解できなかったです。きっかけはなんだったんだろう?
>ヨハネの黙示録に、7つの封印をひとつずつ開けていくと、災いなどが生まれてくる、という話があるそうです。
それがタイトルの由来ですか~。いまいちピンとこない…。やっぱり私には良く分からない作品です(汗)
>又左衛門さん
いきなり登場の「死」でしたが、チェスをするほどの猶予はあるのですね。
主役がマックス・フォン・シドーとは認識していませんでした。先日「スター・ウォーズ」の新作にも出ていて、息が長い活躍だなあと思いました。
タイトルの意味を検索しましたが、多少あやふやです。
>宵乃さん
最後は、目の前に死が現れたら、もう観念するしかない、という気持ちなのかなと思いました。でも、「死」は騎士とやりとりしていたわけだから、言ってみれば他の人々は巻き添えじゃないかよ、とも感じましたよね。
テーマがもともと難しいのですから、いいんです、わからないでも。わからない、ということがわかる、ということは、つまり監督が、わかりやすく作っていると思うのですよ。
>fjk78deadさん
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ヨハネの黙示録は、暗示的で意味深。ベルイマンを英語読みするとバーグマン。
また観たくなる映画です。