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2023-03

「真実」 - 2019.10.29 Tue

コレエダが、カトリーヌ・ドヌーヴさん主演のフランス映画をつくってみたような。

何も知らずに見れば、純粋なフランス映画かと思うのでは?

女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝を出し、それを読んだ娘(ジュリエット・ビノシュ)によれば、正直に書かれていないらしい。
私に言わせると自伝なんて自分にとってマズイことなんか書きにくいでしょう、となるが(ファビエンヌも同じような考えらしい)、嘘を書かれた相手がいる場合、当人は不本意には違いない。

母と娘の、お互いに離れている距離感、寂しさ、葛藤(これは娘のほうがほとんどだが)がメインテーマか。
娘の娘(ビノシュさんの娘として、けっこう似た感じでぴったり、かわいい)も出てくるから、3世代。
(関係ないけど、娘の娘は父がアメリカ人で母がフランス人でアメリカ暮らし。バイリンガルになりやすい環境でうらやましい。)

しんじ

めったに帰らない母(理由はある)と、寂しさを募らせる娘の劇中劇を持ってきたのは、うまい。
ファビエンヌが演じる役のセリフが、実の娘との関係のように聞こえてくる。

いかにも大物女優らしい、私生活は不器用なところがある感じ、愛情表現が苦手なイメージが、ドヌーヴさんが演じるとフィットする。
カトリーヌ・ドヌーヴさんが一段上に立っている、彼女のキャリアには周囲の俳優はまだ及ばない、と感じさせる映画でもあった。女王さまですね。

NHK-BSで「是枝裕和×運命の女優たち~フランスで挑んだ1年の記録~」というスペシャルがあり、おー、それでNHKが盛んに他の番組でも「真実」を取り上げていたのかな、と納得。
それによると、是枝さんはジュリエット・ビノシュさんと、いつか映画をやりたいねと話し合っていたそうで、ドヌーヴさんにオファーを出したのはダメもとだったそうだ。
いろんな国の人が出る映画を企画しているので、言語の違う俳優を演出する第一歩としての位置づけの作品でもあるとのこと。


えいが
劇中劇での母親役、マノン・クラヴェルさん(右端)は、とてもよかった。舞台中心で、映画は初めてだったそうだが。

おまけ。
BSの「是枝裕和~」を見ているうち、あるところで、是枝さんの発言に耳をそばだててしまったので、メモしておく。ドヌーヴさんの話で、

マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、カトリーヌ・ドヌーヴ、みたいな、そういうジャンル、カテゴリーじゃない? 大文字の『女優』っていうのを背負える数少ない現役」

マリリンですよ! うれしいなー。大文字の「女優」というのは、ドドーンと堂々と「女優」だよ!と言えるような人というか、大女優のイメージでしょうね。

(10月26日 TOHOシネマズ ららぽーと富士見)

LA VERITE
2019年 日本・フランス作品
監督 是枝裕和
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、クレモンティーヌ・グルニエ、マノン・クラヴェル、リュディヴィーヌ・サニエ

好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)


(c) Photo L. Champoussin , Photo by VINCENZO PINTO/AFP/Getty Images - Image courtesy gettyimages.com

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● COMMENT ●

エンドロールで、監督の名字がKORE-EDAになってた。

監督のウェブサイトも、KORE-EDA.comなんだよな。

これは観たい❕

日本の底辺を撮り続ける感のある是枝監督が、フランスの大女優たちとどう是枝ワールドを作り上げてるのか興味津々。
そのBSの特集も観たかった。
ちょっと前に最後の最後しか観れてないけど、ケン・ローチ監督と対話してて面白かったです。

>pu-koさん

!マークがスペシャルになってる!
ほとんどフランス人の出演なので、純粋にフランス映画のように見えるわけですけども。
BSの番組、もう少し早く言ってくれたら、録画削除してなかったのにねえ…。2時間近くありましたよ!

再放送

11/10(日)朝9:00−10:50にNHK/BS1で再放送されます。
引き続き11:00−11:50「是枝裕和×ケン・ローチ 映画と社会を語る」も
放送されます♪
あと、まだ再放送は決まっていませんが、同じくNHKの
プロフェッショナル 仕事の流儀「吉永小百合スペシャル」も
ご覧になるとよいです♪カトリーヌ・ドヌーヴさんとの演技の
取り組む姿勢を後で対比させると、とても興味深いものを
感じ取ることが出来ると思います♪

「真実」は私が今年観た映画の中でベスト3の1本です♪
字幕と吹き替え、それぞれ2回観ましたが、断然字幕版がよかったです。
ところで、私は、ボーさんがマノン・クラヴェルさんに恋すると
思ったのですが。3次元には興味がなくなったとかぁ(笑)

>さえさん

ありがとうございます。再放送あるかも、とは思っていました。pu-koさん、読んでますかー? 無理かな?
小百合さんは…興味ないので、どうかなー。

もしかして、子どもと離れた感情に同調して、いっそう感動しているのでは?なんて思いましたけど、どうなのでしょうねえ。
あ、マノンさん、とてもよかった、って書いてありますでしょ?
役名と同じなのですね。
私はリュディヴィーヌ・サニエさんって、こんなお顔だったっけ!?と、ちょっと驚き(見ている間は誰だかわからなかったです)。彼女の若いころの映画しか観ていないせいかもしれません。
いやいや、実写もアニメも行きますよ~。

やったーー❕

ありがとうございます❕(←スペシャル再登場)
最後しか見れず後悔したケン・ローチとの対談まで!!
おかげさまで録画予約完了です。
感謝感激です。ボーさんお知らせくださってありがとうございました。

>pu-koさん

うーん、そんなビックリマークの形、ここにありましたっけ(といいつつ、ろくに探していない)。
ケン・ローチのまであって、大サービスですね!
いやー、わたしなんて何もしていませんよ。伝言しただけ~。

言語

公開時はスルーしてしまい、DVDで観ました。

私はフランス語はしゃべれないし会話劇だということで
まずは日本語版でみました(英語の映画は絶対英語)

リップがシンクしないその気持ち悪さとは別に、映画は
大変たのしめました。


次に、フランス語原語でみてみると、ストーリーはもう
わかっているので抵抗なく観れたとともに、英語しかしゃ
べれないお婿さん(イーサン・ホーク)の辛さが理解で
きて面白かったです。

言語って深いですね!

あとBS、再放送ないかな...

>onscreenさん

昔、民放の洋画劇場を見ていたときは、口の動きと合わないのは気にならなかったですよ。
言語によって、合わない程度が違うことはあるように思いますが。

周囲で会話していても理解できずに、その場にいなければならないのは、つらいものがありますよね。
新番組をつくりにくい今時は、再放送の機会は多いと思われますので、ご注意を。

ファミリー・ネームは大文字

ボーさんとは、ドラマの評価は分かれることが多い(?)ですが、これは一緒だなあ(笑)。

>BSの「是枝裕和~」を

是枝監督は、好きなのに、いつも関連番組を見落としますTT
以前「SWインタビュー」という番組に出ていましたが、これは見たかった。

>監督の名字がKORE-EDAになってた

それで気が付いたことをもう一つ。
 彼は姓⇒名で、外国の方々は名⇒姓となっていましたが、ここで工夫を発見したのです。姓が大文字で示されているのです。外国人にはこういうアイデアは親切と思います。その為にやったかどうか知りませんが。

>オカピーさん

私も、テレビ欄チェックは、WOWOW映画以外は特にはしないのですが、これは教えてもらったような気が(もはや記憶にないという…)。

もしもハイフンがなくて「KOREEDA」だったら、「コレーダ」みたいに読まれてしまう、という考えもあるかもしれませんね。「愛のコリーダ」じゃありませんが。(笑)


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