「ブレイブ ワン」 
あなたは自分に向けられた暴力に、どう対するか。
そして、それが暴力を受けて生き残った後の自分だったら?

ジョディ・フォスターが、そんなタフな役に挑戦。
見応えがあった。

暴漢たちに襲われて恋人は死亡、自分も重傷を負ったエリカ。(いまどきエリカというと、別なほうに考えが行きがちだけど…。)
護身用に拳銃を手に入れた彼女だが、コンビニで買い物中、殺人を目撃し、悪いことに犯人に見られてしまう。
銃をかまえて彼女を追う男。そのとき、エリカの決断は…。

車に軟禁された女性を救うエリカ(ジョディ・フォスター)
(c) 2007 Warner Bros. Ent. All rights reserved.

自分の身に危険が及んだら、相手を殺しても許されるのか。殺す権利はあるのか。
完全に悪意を持った殺人者に対してなら、自分を守るのは正当防衛になるはず。
たとえば、それが脅しだけであって、本当に自分に危険が及ぶかどうかは相手の考え次第でもあり、だが、それを見極めるのは、とても困難だろう。
また、相手を殺さなくても、怪我をさせるだけにして危険を逃れる、という選択もあるはずだが、それはそれで、そこまで冷静にできるものかどうか…。
難しい問題だ。

自分の身を守るのに銃を使う。そうせざるをえないような社会。
エリカは闇で銃を手に入れたが、需要があるから、このように売れるのだ。
銃という恐ろしいモノを考えついたのは、いったい誰なんだろう。

エリカがラジオのパーソナリティーという設定もよかった。
詩のような文章を朗読するジョディ。さすがに、うまい。
事件から生還した彼女は、ラジオで自分の心情を吐露してしまう。
それを刑事がカーラジオで聴いている…。

犯人は現場に戻る、というけれど、それも、うまく使っている。
それで、エリカと刑事が初めて出会うのだ。

エリカと、隣人の女性との心の触れ合いも効いている。
エリカが人を殺した、と話したとき、隣人の女性は、どう対応したか…。

銃で復讐を考えること、やられたらやり返すこと、力で対処することを、現在のアメリカの世界に対する姿勢、と深読みすることは不要だろう。
エリカは、このように行動した。エリカと親しくなっていった刑事は、彼女の行動を知り、このように行動した。あなただったら、どうするか、どうしたいか。それが、この映画なのだ。
私だったら…。

ジョディ・フォスターとテレンス・ハワード
(c) 2007 Warner Bros. Ent. All rights reserved.

ひとつ、字幕で気になったのは、「ナニー」という言葉。これ、「乳母」ではいけないのだろうか。
シャレじゃないけど、「ナニー」って何〜? ということにならないか。
私が観た回は、紙っぺらを配って、映画についてのアンケートがあったのだが、そのことを書くのを忘れた!

監督について触れておきたい。ニール・ジョーダンだ。「狼の血族」(1984年。テレビで観たが、ユニークなホラーファンタジーで好みだった)、「クライング・ゲーム」(1992年)、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994年)、「ことの終わり」(1999年)など、私にとっては興味を引かれる作品がいっぱいある監督だ。そういえば「プルートで朝食を」(2005年)をまだ観ていない…。
本作も、ジョディ・フォスター演じるエリカの心理を、過不足なく描き出している。

エンディングは、とても人間くさいというか、エモーショナル(感情的)というか
ただ、あそこまでやらなくてもいいんじゃないかと。刑事さん、痛い思いをする必要、あったのだろうか?
DVDになったとき、エンディングの別バージョンがあるかも?

エリカの婚約者の役に、単純に白人を選ばず、インド系?だったところに、ジョディ・フォスターのインテリというか、私は人種差別はしないわ、という意思を感じたねえ。それこそ深読み?

(10月28日)

THE BRAVE ONE
2007年 アメリカ・オーストラリア作品
監督 ニール・ジョーダン
出演 ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード

トラックバック:
Lost inAustralia様ブレイブ ワン@映画生活様シネマトゥデイ様goo映画様映画レビュー トラックバックセンター様映画専用トラックバックセンター様、映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ)

追加トラックバック:
Prism Viewpoints様ナナカマドのランプ様ねこのひたい〜絵日記室<ネタバレなしの映画評?>様

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
 
 
「ナニー」ってテレビでも使うから浸透してきたのでしょうかね?
でもお乳をあげる人じゃないから「乳母」にはならないのかも…
ジョディの彼氏役はTVの「LOST」で覚えた人で、なかなかカッコいいので気になっています(笑)
人種もあるけど、意外と旬な人かもしれません。
うーん、「フライトプラン」よりは期待できそうですね!
>まおさん 
そういえば、昔の海外ドラマで「ぼくらのナニー」なんてありましたっけ。
最近は映画で「ナニー・マクフィー」なんたらかんたら。「子守り」ですかねえ。
あ、そう! 恋人役の人、「LOST」に出てるらしいですね。でも、出番少ない。
そうかー、旬だったのかー。じゃ、客寄せのためだ!(笑)
「フライトプラン」よりは、しっかり問題作だと思いますよ。
隣人は静かに笑う 
ジョディさんのお隣に住むあの女性。
事件をきっかけに少しずつ距離感が縮まるって展開は良かったんですけど、ジョディさんが傷を負って帰宅したときに、元看護婦というご都合主義が見えて、ちと興ざめでした(笑)。

てなわけで、TBありがとうございました。
隣人は静かに看護もした 
にらさん、こんにちは!
なーるほど、そういえば都合よかったですね。私は、まったく気になりませんでした。
ジョディも歩けば元看護婦に当たる、のかと。(笑)
 
ブレイブワン 駄作
>suさん 
suさんには、そうでしたか。残念でした。
「LOST]のサイードがこんなトコに〜 
面白くて見ごたえはありましたが・・・
もし自分なら、自分から危険に近寄っていってまでは
人殺ししたりしないと思いました★
普通に生活してて遭遇した場合ってんなら分かるけど
それは行き過ぎ・・
確実に「処刑人・希望」になっちゃってるし。
>わさぴょんさん 
たしかに。
もしかして、処刑の味を知ったという解釈もできます。そこが人間の不可解というか…ですね。
ジョディが予想通り(?)、役に似合ってました。

秘密にする

トラックバックURL
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/1006-a54991d9
映画「ブレイブ ワン」に関するトラックバックを募集しています。
「ブレイブワン」の試写会に行って来ました。もう当たらないかと思っていたら、公開日前日の試写会に当選しました。
許せますか、彼女の“選択”「賛」、「否」、両方に問いかけるテーマ。『The Brave One』ブレイブ ワン - goo 映画ニューヨークでラジオのパーソナリティを務めるエリカ・ベインは、婚約者のデイビッドと公
ジョディー・フォスター主演の復讐劇「ブレイブ ワン」(原題:THE BRAVE
 『許せますか、 彼女の”選択”』 コチラの「ブレイブ ワン」は、10/27公開となったR-15指定のクライム・サスペンスなのですが、遅ればせながら観て来ちゃいましたぁ〜♪ 監督は、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」、「ことの終わり」のニール・ジョーダン....
「ブレイブ・ワン」★★★ジョディ・フォスター 、 テレンス・ハワード主演ニール・ジョーダン監督、アメリカ 、オーストラリア、122分公園で暴漢に襲われひどいケガを負い、フィアンセは殺されてしまった。精神的にもダメージを受けて外を一人で歩...
≪ストーリー≫ニューヨークでラジオのパーソナリティを務めるエリカ・ベインは、婚約者のデイビッドと公園を散歩中、暴漢に襲われた。病院で意識を取り戻した彼女はデイビッドが死んだことを告げられ、悲しみに打ちひしがれる。自らの心にも傷を負い、満足に外出することも
ポール・カージーよさらば。(スーパー執筆マグナム完了)
 映画を公開初日に観たのはコレが初めてである。 本作は、そのプロットが筆者の大
 今年観た外国映画の中では屈指の作品です。  ハリウッド映画としてはかなりの異色作ですが、このような殺人を肯定する作品がどこまで受入れられるかはちょっと不安です。  ラストにはかなり賛否が分れるのでは
あらすじニューヨークでラジオ番組のパーソナリティを務めるエリカ(ジョディ・フォスター)と恋人のデイビッド(ナヴィーン・アンドリュース)は、愛犬を連れて散歩中3人組の暴漢に襲われ、エリカは意識不明の重体となりデイビッドは命を落としてしまう・・・。感想2本...
ブレイブ ワン販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ発売日:2008/03/07Ama
THE BRAVE ONE 2007年:アメリカ、オーストラリア 監督:ニール・ジョーダン 出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ニッキー・カット、メアリー・スティーンバージェン、ジェーン・アダムス、ナヴィーン・アンドリュース ニューヨークでラジオ番組のパ
許せますか彼女の"選択"
..