「転々」 
東京を散歩する男2人。
「やじきた道中 てれすこ」に続き、連日の小泉今日子さん出演映画を満喫。
当然のごとく、小泉さん目当てで観たわけだが、それは別にしても、いい雰囲気の映画だった。
ほのぼのして、笑えて、最後は、ちょっとだけ、しんみり。

左から、福原(三浦友和)、文哉(オダギリジョー)、麻紀子(小泉今日子)
(c) 2007「転々」フィルムパートナーズ


大学8年生の文哉(オダギリジョー)は借金を抱えているが、借金取りの福原(三浦友和)に、一緒に霞ヶ関まで散歩してくれたら100万円をやる、と持ちかけられる。
文哉としては、福原の目的が何なのか分からず、多少は躊躇(ちゅうちょ)するものの、借金を返すために話に乗る。
吉祥寺公園から始まる、この散歩、どんなことになるのか…?

とくに、三浦友和が、こんなに、いい味を出せる俳優だとは知らなかった。
私は邦画をろくに観てはいないので、あまり断定的なことは言えないのだが、三浦さんには「すごく、いい人」の役の固定的なイメージがあった。
その三浦さんが初めて登場するシーンが、文哉のアパートに借金を取りに来るところで、ここで裏社会のプロフェッショナルさを、さりげなく見せたところから、三浦友和って、こんな演技するんだ!?とインパクトを感じたのだ。
全体に、ちょっと、とぼけた面もあり、だらしない感じがありながら、クールな大人な男でもある、といったオーラがあって、素晴らしかった。

オダギリ君は、いつもながら、うまいと思う。
「うまい」というのか、普通にやってるのが「うまい」んだよねえ。力んだりしないし。

小泉さんは、スナックのママさん、麻紀子の役。
男2人が転がり込んでいた麻紀子の家に、彼女の姪(吉高由里子)がやってきたことから、彼らは擬似家族を演じることになる。
ふんわり、ほんわかと生きているような麻紀子を、小泉さんは軽やかに演じる。こういう役(も)、合ってるなあ。

小泉さんとオダギリ君
(c) 2007「転々」フィルムパートナーズ

コメディリリーフ(笑いを誘う場面を担当する俳優)には、三木監督がテレビでヒットさせた「時効警察」でもおなじみの岩松了、ふせえりが。
そこに松重豊が加わったトリオで、ゆるい笑いを巻き起こす。
この3人が並んで歩いているところ、松重が他の2人の2倍くらいの大きさがあって、なんだか、すごい風景。
婦警さんの後姿が映ったとき、あ、これは…と思ったら案の定、「時効警察」の三日月くん(麻生久美子)でした!

肉屋さんが「あぶどら肉店」とか(アブドラ・ザ・ブッチャーというプロレスラーがいたんですねえ。ブッチャーというのは肉屋の意味。)、麻紀子の店が「スナック時効」だったり。
岸部一徳がなにげなく、そこにいて、それを見た、ふせえりが「岸部一徳に会うと、いいことがある」と喜んだり。石原良純の意外な登場も。
そういう笑いの小ネタもいっぱい。そのへんは「時効警察」ノリで、おかしい。

そして終盤。
散歩の最後が迫り、浅草の「花やしき」のローラーコースターの場面は、じんわりと心に染みた。女2人が見守っている景色も、いい。
2人は日比谷公園のそばの道を歩く。ここは私も知っているところかな、と思う。ああ、霞ヶ関の近くまで来たんだ。
文哉は、福原と別れたくない。しかし…。
エンディングの、いさぎよさ。かえって余韻を残す。
観客として、登場人物と一緒に、ちょっとした、いい散歩をしたな、と思える映画だった。

(11月11日)

男2人でローラーコースターに乗る姿を見ている女2人
(c) 2007「転々」フィルムパートナーズ

2007年作品
監督 三木聡
出演 オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、麻生久美子

トラックバック:
カノンな日々様アートの片隅で様美味!な日々様カノンな日々様トーキョーワッショイ様シネマトゥデイ様goo映画様、映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ)

追加トラックバック:
二子玉川 de ぼちぼち絵日記様

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
 
「転々」面白そう 
以前の「マリリンinこの映12月号」の記事を読んで
私も「この映」を買ったところ(こんな雑誌があるの知らなかった〜)
この映画の特集(というか対談)記事が載っていました。
普段あんま観ないジャンルなのですが
面白そう?観てみたいかも、と感じ
今ボーさんの記事を読んで、それが確信に変わりました^^
よし観よう!DVD化されたら・・・★(しかも旧作まち)
>わさぴょんさん 
よし観よう、の後に、DVD化されたら、とあって、少しガクッときました!いいオチです! 旧作待ちというダメ押しも。(笑)

「この映画がすごい!」も、お買い上げだったのですか。宝島社、宣伝料くれないかなー。

ぜひ観てください。旧作で…。半年後?
爆発! 
してますねぇ、、、相変わらず。>オダジョーの髪型

三浦友和、いいですよ。若い頃はクソ真面目でつまんない役者(←暴言ゴメン)って思っていたけど、
年齢を重ねるごとに、妙な面白みが増してきましたよね。(笑)
「ALWAYS 三丁目の夕日」のアクマ先生もいい味出してたけど、続編でも出演してるのかしら。
 
これも 気になっている映画ですね〜

オダジョー(好き〜)と三浦友和さんが…

最後しんみり…かぁ、つらい気持ちにはならない「しんみり」ですか?

温かい映画がみたい 今日この頃♪
>小夏さん、スノーパンダさん 
小夏さん、あ、私は全く気になりませんでした、髪型。見てなかったです。
大学8年生(8年目)ですからねー、髪も爆発するでしょう。(?)
友くん(と親しげに)、「三丁目」でも観ましたよ。アクマでしたっけ? 「続」はそのうち観ますが、出てるんじゃないかなー?(適当な答え)

スノーパンダさん、どの程度のものを求めているのか判断するのが難しいのですが…それほど、つらいものではないと思います。ハッピーではないですけども、温かさはあるんじゃないかなあと。
 
ボーさん、見てきました

なんか あっさりですが アップしましたよ。

勤めていた会社の知り合いが二人 製作で名前が出てました〜

三浦友和さんは 続・Always にも出てますよ〜 でも こっちのがいいですね☆
 
スノーパンダさん、観てこられたのですね!
知ってる人の名前があると、なんだか嬉しくなりそう。

はい、三浦さん出てましたね。「続・三丁目」も観て、記事アップしました。
「転々」は主演といっていいですし、すごく味がありますよね。
はじめまして^^ 
「転々」面白そう!^^
「イン・ザ・プール」を観て以来、三木聡監督の作品は注目しているので。
散歩ムービーかぁ、またオフビートな雰囲気ばりばりなんでしょうね。
オダギリジョーに、三浦友和。絶妙なキャスティングですね。それだけで、かなり観たくなります。
オダギリジョーといえば、今日、日本アカデミー賞がありますね。「東京タワー」が大好きなので、作品賞も男優賞も獲ってほしい〜!って思ってます^^でもやっぱり、「それでもボクはやってない」が獲るのかなぁ。
>マキシさん 
いらっしゃいませー! はじめまして。
三木監督の他の映画は観ていませんが「転々」は面白かったですよ。

「東京タワー」、日本アカデミー賞で大健闘でした。男優賞はとれませんでしたが。「それでも」は主要部門では助演女優賞だけ、意外でした。

また遊びにきてくださいねー。
日本アカデミー賞 
三木監督の「イン・ザ・プール」はとても面白いですよ。好きな人は、大好きだと思います。
「東京タワー」、作品賞受賞、嬉しいです!樹木希林、小林薫の受賞も嬉しい。でもやっぱり、オダギリージョーが賞を逃したのは、ショック↓かなり悔しいです。吉岡秀隆の演技ももちろんよかったけど、今回はオダギリージョーにあげるべきではなかったのか?とそう強く思います。
「それでもボクはやってない」は、もたいまさこの受賞に終わりましたね。とても意外な受賞。でも何か嬉しい^^
来年は何が、誰が賞を獲るのか、もう今から楽しみです☆
>マキシさん 
日本映画は観る機会が少なめですが、その気になったら見てみます。
「東京タワー」は監督賞までとってしまいましたねえ。
「それでも〜」が他で多く受賞していたのに、日本アカデミー賞って何が基準?って感じもしました。
これから、どんな映画が出てくるのか、楽しみですね!
「愛」 
そうですねぇ、「バタアシ金魚」の松岡監督。とても丁寧で、優しい誘導ぶりでしたからね。納得です。周防監督の演出もよかったですが、やはり僕は松岡監督のそれのほうが巧いように見えました。って比べるのは野暮ですが。
何が基準なんでしょうね。でも、今のいわば「愛」の欠落した現代社会において、重要なのは、、「東京タワー」なのではないでしょうか。そう思えば、「東京タワー」の受賞は納得できます。
そうですね、楽しみです^^
>マキシさん 
私は「それでもボクは〜」は、すごく好き、というものでもないのですよ。よくできた映画とは思いますが。
「愛」が大事、となれば、(観てませんが)「東京タワー」になるのでしょうね。

秘密にする

トラックバックURL
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/1023-6b894e93
私にとっての11月の大本命映画といえば「三丁目の夕日」よりもこの「転々」。以前からとても待ち遠しかったんですが、混みそうな最初の3日はあえて避けてみました。実はチネチッタでも2週間遅れで公開されるんだけど、さすがにそこまでは待ちきれなくてアミューズCQNへゴ
〜歩けばわかる やさしくなれる〜なんか良さげで見たくなるコピーじゃございませんか。映画『転々』の試写会に行ってまいりました。
転々(アミューズCQN)「目的地があったら散歩じゃないんじゃないか」【散歩】特別の目的をもたずに、気の向くままに歩くこと。散策。散歩に付き合ったら100万円。散歩というよりは『寄り道』って感じでしたね〜 時効警察は勿論、「かもめ食堂」や「めがね」の空気感
監督、脚本:三木聡 CAST:オダギリジョー、三浦友和 他大学8年生の竹村文哉(オダギリジョー)は親から捨てられ孤独に生きる男。借金も80万あり、借金取りの福原(三...
「時効警察」でおなじみの三木聡監督&オダギリジョーのコンビ作{/kirakira/}借金を抱えた大学8年生・文哉(オダギリジョー)のアパートに、突然入ってきた取立て屋の福原(三浦友和)その福原の提案で、2人で桜田門まで徒歩で歩く契約をする。その条件が借金棒引きの現金百
男2人のロードムービー。ロードムービーといってもそれは「都内限定」。ゆる〜い会話
 □作品オフィシャルサイト 「転々」□監督・脚本 三木聡 □原作 藤田宜永(「転々」新潮文庫刊) □キャスト オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、笹野高史■鑑賞日 11月25日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足
「転々」★★★☆ オダギリジョー、三浦友和主演 三木聡監督、2007年、101分 借金84万円余り、返す当ては無い、 怖い借金取りに脅されても 緊迫感が無い。 やりたいことも無い、 とりあえずなんとなく過ごす毎日。 借金取りが一緒に散歩してくれたら ...
テレビ朝日で放送されていた『時効警察』のオダギリジョー主演で監督が三木聡とくりゃ
転々と 地踏みしめて 黄葉拾う  最近映画に出ずっぱりのオダギリジョー。いい加減お休みしなされという不完全燃焼続きの中、これはいい。この「転々」彼の持ち味はコレかもしれないよね。なんで大学八年も通わねばならないのか知らないけど、役の竹村文哉は、小さい時ホ
人気ブログランキングの順位は? 歩けばわかる、やさしくなれる 目的地 霞ヶ関 期限 無し ひとりぼっちの男ふたりの、 心ほどけるとぼとぼストーリー
「転々」を観てきました〜♪ 幼い頃に親に捨てられた大学生の竹村文哉(オダギリジョー)の家に、突然男がやってくる。男は文哉の作った84万円の借金取りの福原(三浦友和)だった。とりあえず3日間の猶予を貰った文哉だったが、返す当てなんか全く無かった。返済の...
三木聡監督の細かいボケが満載。映画館内はくすくす笑いにあふれてました。 <あらすじ> 借金まみれの大学8回生の主人公(オダギリジョー)は、借金取り(三浦友和)に「東京散歩に付き合えば100万円やる」と言われて、一緒に散歩をする。うさんくさいだけの借金...
  ? 三浦友和のロングヘアーがなかなかいい ? いよいよ「転々」のレビュー、書きますいやあ〜ようやくここまでこぎつけましたよ。12月7日、京都シネマで鑑賞しました。この日は、「タロットカード殺人事件」とこの作品を連続で鑑賞。まったく違うジャンルの違う作...
藤田宜永の同名小説をテレビドラマ「時効警察」シリーズの 三木聡監督が脚本も務めて映画化。 冴えない男2人の奇妙な東京散歩を小ネタを盛り込みつつ しみじみとしたタッチで描いています。 オダギリジョーが主演するほか、 散歩を提案する借金取りを三浦友和が妙演。 秋...
JUGEMテーマ:映画 11月28日(水)◆638日目◆ 終業後、新宿三丁目へ。 三木聡最新作『転々』を見るためだ。 「テアトル新宿」に着くとすでに列が。 前の回が終わった後だったので入口&ロビーが人でごったがえし。 なんでもこの日1000円デーだとか。 仕方なく...
今回紹介する映画は、『時効警察』でも有名な三木監督作品、オダギリ・ジョー、小泉今日子主演の作品『転々』です。 転々:ストーリー 井の頭公園をぶらぶらと出発、目的地はぼちぼちと霞ヶ関。 到着期限はナシ―・・見知らぬ二人の東京散歩の旅は、借金取り福原のと
借金を抱えた主人公が100万円の謝礼と引き換えに借金取りの散歩に付きあうコミカルな味わいの人間ドラマ。“脱力系”の代名詞で独自の映像世界を築いている三木聡監督が脚本も務め、直木賞作家・藤田宜永の同名小説を映像化。テレビドラマ「時効警察」シリーズで三木と組
あらすじ幼いころに両親に捨てられた孤独な大学8年生の竹村文哉(オダギリジョー)は、いつの間にか84万円もの借金をこしらえ、返済の期限があと3日に迫っていた。しかし、その期限の前日、文哉は借金取りの福原(三浦友和)から借金をチャラにする方法を提案される。それは、...
..