「七年目の浮気」(11回目) - 2008.01.23 Wed
名監督ビリー・ワイルダーの手による、傑作コメディだ。
これもまた、気が向かれたら、以前書いた感想文を参照していただくとして…。(9回目、10回目)

マリリンそっくりの娘の魅力に参ってしまうシャーマン氏だが、息子が置いていったローラースケートで彼が転んでしまう場面がある。
そのあたりで、「ゴレンジャー」という字幕が出る。
映画のヒーローで、息子が好きなのだろう、英語では「キャプテン・ビデオ」と言っているのだが、訳す場合、日本では、それでは分かりづらいので「ゴレンジャー」にしたと考えられる。
とすると、この字幕が作られたのは、「ゴレンジャー」が放送されていた頃だったか。
などと想像できた。
この映画、マリリンの役名はない。“The Girl”(女の子)である。
そこで、究極のセリフが出る。
シャーマン氏、妻が浮気していると思いこみ、その相手じゃないかと勘繰っている男から、
「台所にいるブロンドって何のことだ?」
と問われて、こう答えるのだ。
「知りたいか? マリリン・モンローかもな!」(“Wouldn't you like to know? Maybe it's Marilyn Monroe! ”)
大笑いである。
演じているのは本人、マリリン・モンローなのに、役柄の上ではマリリンではない女の子。
マリリンそっくりなのにマリリンではない。…
古典的なギャグかもしれないが面白い。
…なわけで、また何か思いついたら、次回(12回目)のときに書く。(かもしれない。)
当分、マリリンの記事づくしで、好きでない方には申し訳ない。(と、それほどには思ってないのが怖い。)
(1月12日)
THE SEVEN YEAR ITCH
1955年 アメリカ作品
監督 ビリー・ワイルダー
出演 マリリン・モンロー、トム・イーウェル、イブリン・キース、ブッチ・バーナード
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映像全般を楽しもう(ブログペットのグループ)
評価☆☆☆☆☆(5点。当たり前。満点は5点)
● COMMENT ●
大スクリーンでスカートふわり…かぁ…
マリリンの名前がないというのは、やはりすごく上手いと思います。
観る側のシンボル的な存在にもうまくなるというか…
元は舞台でしたっけ、マリリンにうまくマッチした役柄でしたよね。
いや、マリリンが役柄をこなしたのかな?
>たけしさん、まおさん
ディマジオのパロディなら…マリリン(そっくりの娘)に「あたし、野球選手って興味あるわ」とか、いろいろ言わせて…。
マリリンの調子によって撮影が順調に行かなかったことがあるならば、ワイルダーが彼女を使いたくないといったのは本音も多少あるでしょうが、でも最終的には「また使いたい」女優に違いないのでしょう。
まおさん、DVDだと「ゴレンジャー」は使っていないかもしれません。確認してませんけど。
名前がないと、男全般の女神さまみたいな、そう、象徴的な存在にも、なりえますよね。
もとは舞台ですね。ほんとうにマリリンにピッタリ合った役でした!
しかも彼女流に完璧に、こなしました!
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…こういうのもセルフパロディなのでしょうか。上手いなぁ。
この映画の撮影時期にディマジオとの離婚という事件がありましたが、普通に結婚生活をしていたら、ディマジオに関するパロディも用意していたかもしれません。その位ウィットに富んだ素晴らしい映画だと思います。
もちろんマリリンの存在あってのこの映画。監督のビリー・ワイルダーの有名な言葉「マリリン・モンロー?あんな女優二度と使いたくないよ」というのも、話題がマリリンばかりという事に嫉妬する監督、というセルフパロディでしょう。そういう気の利いた言葉がワイルダー監督らしいです。
その言葉を真に受ける映画雑誌もありますが、そういうジョークこそ分かってほしいですよね。