「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」 - 2008.02.03 Sun
バートン=デップのコンビだから期待しすぎなのかもしれないが、ただ原作をこなしていった、だけのような印象を受けた。
舞台版よりも、いくらか曲数は少ないようだが、その歌にしても魅力なし。メロディが難しく、なじみにくい。覚えてほしい、口ずさんでほしいとは考えていないように思う。
もっとも、口ずさんでほしいようなタイプのミュージカルではないといえば、それまでの話だが。
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デップをはじめ、俳優たちの歌は思った以上にうまくて感心はする。
でも、まったく心に響いてこないのは何だろう。曲が好みでない、というのも大きいはずだ。
好きでない場合の例に漏れず、メロディを1曲も覚えていない。
オープニングクレジットで、血が上から下へ流れていくところは、私の大好きな映画「吸血鬼」(1967年、ロマン・ポランスキー監督)を思いださせて、よしよし、と喜んでいたのだが。
(スウィーニー・トッドは、そういえば、ある意味では吸血鬼かもしれない。)
憎しみを抱えて街に戻ってきた男。
その胸には復讐あるのみ、ということになってしまう、考えてみれば哀しい人間だ。
出会ったパイ店の女は彼に好意をもって、その協力者になる。
どちらが速く、きれいに仕上げるか、という「ひげそり競争」でジョニデと対戦したのが、サシャ・バロン・コーエン。
「ボラット」(2006年)という映画の主演で話題になったのは知っていた。わざと相手の嫌がることをしてトラブルを起こすような映画(私が相手だったら絶対に怒るだろうな)らしい。
そんな変な映画を作った男が、一応まともな芝居をしていたのは意外というか、ほほう、と思った。
彼はオーディションで「屋根の上のヴァイオリン弾き」を全曲歌いまくったとかいう話だが、審査するほうにしても、そんなに多くの時間をとったのだろうか。歌ったにしても、さわりだけか?
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床屋は、復讐する前に、いつのまにか単なる狂った殺人者になっている。
つまりは、もはや普通ではないのだ。
理不尽な殺人の結果は、悲しく惨めなものに終わる。それを示したことは価値があるだろう。
(1月26日)
SWEENEY TODD : THE DEMON BARBER OF FLEET STREET
2007年 アメリカ作品
監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン
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評価☆☆★(2.5点。満点は5点)
● COMMENT ●
ボーさん、こんにちは!
>とらねこさん
基本は白で、文字を大きめにして、軽くするのが私の方針でございます。
これは、わざわざミュージカルにしなくてもいい話ではないかと思いました。おもしろくないですね。
コーエンおじさんが出てるとは、ちっとも知らず、でした。出番は少ないけど、印象には残る役でした。
ボーさんは、あまりお気に召さなかったようですね。期待感があったからですかね?
私は期待してなかったのが、逆に良かったのかもしれないですね。
ミュージカルじゃなきゃ、もっと楽しめたかも(笑)
「ひげそり競争」で対戦した役者さんは、サシャ・バロン・コーエンという方なんですね。
とんねるずの石橋貴明っぽい感じで笑えたのですが。
あと、この映画のヘレナ・ボナム=カーターが、『スリーピー・ホロウ』の時のクリスティーナ・リッチに似てる気がして気になりました(観たのは、随分、前ですが・笑)
TBは、承認制じゃないです。
>チェズさん
なんだかねー、おもしろくなかったんですよ。
ブラックユーモアにもなってないような。
バートンの映画は、女性の見かけも映画みたいにゴス(ゴシック)系?になるんじゃないでしょうか。素材的にも、そういう女性が好きでヘレナと結婚したのかもしれないですね。
ミュージカルとバートン&デップで結構期待しちゃうんですが、
微妙そうですねえ、やっぱり。
舞台の方はずっと演じられているわけですから、
聞いていると癖になる楽曲なのかな…?なんて。
>まおさん
ミュージカルの曲というのは、きっと聴くほどに親しめるものと思いますが、これも、そういうタイプなのかもしれません。
1回観ただけでは、どうなのかなという部分は確かにあるでしょうけどねえ。いまは、また観たい気はしないです。
僕なんか、実はあまり気乗りせずに観て
評価が低いんですから、う~ん、困りました。
公開中の映画は、これから観る人のためにあまり批判しない
という自分なりの掟を作ってたのに、ついついキツイ表現に
なってしまって・・・・。
後味の悪い映画って、うーん、やっぱりイケマセンね(^^;。
ラスト、子どもをあんな風に使うなんてなぁ。う~ん。
>kiyotayokiさん
困ることないですよ。
公開中だって、思うところは、がんがん批判しちゃいましょうよ。
評価は、あくまでも観る人が決めることなんですから、なんなら、先入観を持たないように、と注意しておけばいいのでは?
私は、後味は悪くないんです。子供の使い方もOKで…ただ、おもしろくなかったんですよねー。
ぷぷぷぷ
なんてストレートな、、、。さすがボーさん、グッドですねー。
私もちゃっちゃと観てこよっと。
>小夏さん
デップ・ファンに正面切ってケンカ売ってますか? 正直なだけですよねえ。
はやく観てくださーい! すんごく、おもしろいかもしれませんよ。
ほっ、ようやく
そーですねぇ、、、私もどちらかというとミュージカルじゃなかったほうが好みだったかも。
うーん、でもこれがフツーの映画になっちゃうと一層残虐性が際立っちゃうのかなぁ。
音楽も地味ながら(?)メロディラインが美しくて後からじわじわ来るタイプでした。スルメ風味?(笑)
TBはとりあえず後ほど。まだ半分くらいしか書いてないッスよ。
>小夏さん
そうですねえ、ミュージカルでないと、恐怖映画ですか。
クリストファー・リーとピーター・カッシング主演で。
メロディが美しかったですか? 私はひとつも覚えてませんわ。
さて、書けてますかどうか、福島まで、ひとっとびで行きますよー。(違う?)
No title
ミュージカル好きなボーさんでも面白くなかったですか。
私は全く期待してなかったから、
そこそこまあまあの感動がありました。
曲に関しても、耳に残ったものもあったし。
惨めで憐れというのが、最終的な印象です。
>YANさん
それほど印象にない曲たちです。
哀しい話ではありますね。
私は期待しすぎたかも、です。
あれ
今作はあんまし好みじゃなかったですか。
んー、ちょっと意外・・・
私はあの「君をさらっていくよ~ジョアナ~♪」の歌が
すごく耳に残りました。(好きってのとまた違うんだけど)
あの理髪師、どっかで見た顔だと思ったらボラットの人ですか!
「ボラット」・・・いつも手にとって棚に返す一本ですが★
ボーさんの書いたこの文章↓
「床屋は、復讐する前に、いつのまにか単なる狂った殺人者になっている。
つまりは、もはや普通ではないのだ。
理不尽な殺人の結果は、悲しく惨めなものに終わる。それを示したことは価値があるだろう。」
これ、全てに同感です(-_-)
>わさぴょんさん
曲も覚えてないし…。
きっと、ストーリーそのものも好きじゃないんですね。(って他人事みたいに。)
「ぽらっと」は、見たら私は怒りそうなので見ないです、たぶん。
えっ! 全てに同感ですと! まったく素直なんだからー!(ヲイヲイ)
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今までもボーさんのページはすっきりして見やすかったのですが、
何よりテンプレートが軽いのが、とっても好きです。
ところでこの作品。ボーさんはちょっといまいちだったようですね。
サシャ・バロン・コーエンは、本当は知的な人だと思いますよ。
映画はちょっと強烈でしたが。