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2019-11

「善き人のためのソナタ」 - 2008.02.05 Tue

年末あたりから、映画系のブロガーさんたちに恒例ともいえそうな「昨年度のベスト映画」的な記事が、さまざまに書かれる。(私も含めて。)
いろいろな「マイ・ベスト」を拝見するのは、楽しいものだ。
私が未見の映画で、多くの方が昨年度の上位に挙げていた中の1本が、この「善き人のためのソナタ」だった。
アカデミー賞で外国語映画賞をとるなど、受賞多数。
というわけで、レンタルしてきて鑑賞。




ドイツが東西に分かれていた頃。舞台は東ドイツ。
国民は、秘密警察である国家保安省(シュタージ)による監視のもとにあった。
主人公はシュタージに属する大尉。彼は、劇作家と、その恋人の舞台女優を監視するために、劇作家の家を盗聴する。
だが、盗聴を続けるうちに、大尉は彼らに同調していき…という話。
DVDジャケット(海外盤)
ベートーベンの「熱情ソナタ」をレーニンが批判した、この曲を本気で聴いたら革命はできない、悪人にはなれない、と。
これは劇作家が「熱情ソナタ」を弾きながら恋人に語った話で、ここからタイトルがついたのだと思うが、盗聴していた大尉も、当然この曲を聴いていた。とすると、大尉も悪人にはなれないのか? 象徴的な出来事だ。
大尉が2人に同調していった理由が、いまひとつ、はっきりしないが、このソナタを大きな理由に据えたわけだろうか。
理由は、彼女への恋心かな、と思えたりもするが。

盗聴は怖いことだ。思想をチェックされる恐ろしさもある。
わずか20数年前に、こういう社会が存在したことも恐ろしいが、いまでも似たようなことがないとは限らないかもしれず、それを考えると怖い。

ラストが素晴らしいという意見が多い。私も観ていて、こう来るか、と感動はした。
だけど考えてみると、大尉がそれ(ネタばれなので書きません)を見つけたのは、偶然にすぎないわけで、気づかないことだって大いにありうる。
劇作家のほうは、それでよかったのか、本当に、いいのかなあ? と疑問は残る。
となると、ドラマティックに出来すぎたラストという気もしてくるのだ。

どうも最近、私は大勢と意見が異なる場合が多いみたいで、その点も、いいのか、これで? と思ってしまうのであった。ま、いいね。

ドナース監督は、リチャード・アッテンボローに師事したという。アッテンボローはイギリスの俳優・監督。私としては、俳優では「大脱走」(1963年)、「ジュラシック・パーク」(1993年)などが印象的。監督では「遠すぎた橋」(1977年)、「コーラスライン」(1985年)など。
これが初めて作った長編映画ということだが、大きな評価を得て、今後はどうなるでしょうね…。

(1月27日)

DAS LEBEN DER ANDEREN(THE LIVES OF OTHERS)
2006年 ドイツ作品
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナース
出演 ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・ゴッホ、ウルリッヒ・トゥクール、トマス・ティーマ

このブログ内の関連記事:
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評価☆☆☆(3点。満点は5点)

● COMMENT ●

同調の理由

私もそこんとこがエライさらっとしてたなぁ~と
感じました。
まさかホントにその曲を聴いただけで善人になるとも思えないし。

でも二人の愛ある様子を見る内、自分には足りない何かがあるのを感じて
味方したくなっちゃったんでしょう☆

では、かなり手抜きな記事ですがTBしていきます~

>わさぴょんさん

「その理由がちゃんと描かれていない」というのは、映画を観ると、しばしば出てくる感覚でもありますね。
観る人によって、そうでない場合もあるわけで。
時間の限られた映画では、省略というのも大事なのは分かっているのですが。
でも、自分が感じたままで、いいんですよねー。はい。

ボーさん、こんばんは。
文中リンクありがとうございました。んーそうですね、ラストは、かなりドライマンの本はベストセラーになっていたのですよね?もともと有名な劇作家だったのですし‥
普通に生活していたら、目につくぐらい、どこの本屋にでもあったのかなって考えました。

>とらねこさん

こんばんは~!
たしかに広告もありましたし、目につきますよね。ただ、その先の行動に出るかどうかは分からないなあと思ったわけです。
細かいことですけど。
質のいい映画だったことは、間違いないと思います。

ボーさん☆
こんばんは~。

この作品、去年劇場で観ました。
最初の方はそうでもなかったけどどんどん引き込まれてしまいました。
役者さんがやっぱり良かったですね☆

>migさん

おはようございます!
いい映画だとは思いましたが、皆さん多くが評価するほどには感じませんでした。
キネマ旬報でもベスト10に入っていたような…。むむ…。

ボーさん、こんにちは@
この映画、暇になったら一番に観ようと思って録画したやつを
TVの脇に置いてあるんですが、なかなか手が伸びません。
今度の三連休には観て、皆さんに追いつきたいと思っておりますです(^^;。

彼女への恋心

同調の理由、、、「彼女への恋心」というのは全く思いもつきませんでしたが、
主人公がいつしか劇作家の心にシンクロしていったのかな?と私が感じたことと同じかもしれません。
ヒューマンドラマとしても良く出来たシナリオだったと思いますが、サスペンス色もなかなか濃かったですよね。
途中、バレるかバレないか?のあたり、内心「ひぃーひぃー」言いながら観てました。心臓に悪いッス。(^^;

>kiyotayokiさん、小夏さん

kiyotayokiさん、こんばんは!
鑑賞待機中ですね。観ましたら、ぜひ感想を聞かせてくださいましー!
そういえば、WOWOWだったかで、やってましたよね。我が家は今、録画できない状態なのです。週末になんとかできるかどうか、というところです。

小夏さん、あ、なるほど、男に同調したと。
いいドラマですけど、たとえば、彼が勤務を交代して、違う男が盗聴しているときに、何か大事なことが盗聴されたら一巻の終わりっぽいんですけど…そのへんも話が甘いんじゃないかなんて思いましたよ。
ばれるかどうかは、スリルありましたねっ!

ご無沙汰してました

ボーさん、こんにちは!
久々にボーさんが記事を書いてる作品を鑑賞したけど、
ボーさんの評価はイマイチという感じですね。
私は、この作品、すごくいいと思ったんだけどなあ。。。

>彼女への恋心
同じく、これは私も最初に感じましたよ。
2人の間に一騒動起こそうとして、大臣の車から降りる彼女を
男に目撃させたりしてましたね。

でも、二人の慈しみ合う姿や、芸術に対する一途な思いに、
自然と寄り添っていって、
そういう生き方のほうが真っ当だと少しずつ思い始めたのでは・・・?
簡潔に説明できませんが。。。(^_^;
TBさせてもらいますね。

>YANさん

おはようございます!
これ、評判はいいですねえ。私には、なぜか、あまり響いてはこなかったんですよ。
みんなが感動するラストも、出来すぎと思いましたし。
でも、自分にとって素晴らしいと思える映画に出会うことは幸せなことですね!

こんにちは。

コメント&TBありがとうございます。
私はこの映画で、全体主義国家の実態の一面を垣間見て、戦慄に似たものが背中を走りました。
主人公が実際に体験したと漏れ聞いていますが、それが迫真力を生んだのかもしれないと思います。

>アスカパパさん

こんばんは。
怖いですよね。監視される社会。
日本でも監視カメラがどうとか、盗聴器具も入手できたりします。
やはり、事実は説得力を持ちますね。


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