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2021-01

「ラスト、コーション」 - 2008.02.11 Mon

本当のことを言えば、エッチシーンが第一の目当てで観に行ったことを白状しなければならない。(いや、白状しなくてもいいんだけど。)
しかーし! じつに丹念に、女と男の愛の姿を追った、悠然たる作品だった。
観る直前に、上映時間が2時間38分あることを知り、少し、たじろいだが、長さはほとんど気にならなかった。

「あなたはタブーを目撃する」などと公式HPにもあるが、いわゆるエッチなシーンは、私に言わせれば、たいしたことはない。アクロバット的な体位は笑えそうなくらいだったし。



タン・ウェイとトニー・レオン
(c)FOUCUS FEATURES,EDKO FILMS/WISEPOLICY

営業戦略的には、エッチを押し出してもいいだろうが、それ(だけ)が映画の大切な部分ではない。(エッチに引かれた私が言うのも説得力がない!)
本作が描くのは、愛の感情の動きだ。

1万人の候補者から選ばれ、演技の練習を重ねていった、新人の主演女優タン・ウェイの素晴らしさ

アイリーン・チャンの原作短編は「色・戒」という。(映画は「色|戒」。色と戒を区切る壁が鮮明になっている。)
タン・ウェイの清楚さが、「色」(愛欲)に染まっていきながら、「戒」(いましめ)へと戻りつつ、揺れ動く女の情感。
清楚と妖艶が見え隠れする、なんと美事な存在感か。

相手役のトニー・レオンとともに、セリフ以外のところ、表情や視線など、心と動作で演じる部分が、力をもって迫ってくる
ベッドシーンは、そうした2人の感情の激突の象徴といってもいいのだろう。
そして、ラストへ向かって最高潮になっていく、さまざまな決断と、物語が終息を迎える様を目にすれば、胸を衝(つ)かれずにはいられない。
主演の2人、とくにタン・ウェイがメインの映画である。

タン・ウェイは、10代の頃からモデルとして活躍し、2004年のミス・ユニバース北京大会で第5位だったという。
映画でも素晴らしい演技を見せた彼女、天は二物を与えたんですねえ。彼女のチャイナドレスに包まれた美しさも堪能した。

物語の舞台は、日中戦争(1937年~1945年)時の中国。
日本に協力する男(トニー・レオン)を暗殺しようとするグループの一員が、タン・ウェイの役どころ。
男の警戒が厳重なので、彼女が男に近づく。暗殺が可能な状況を見つけるか、作るかしなければならない。
作るとすれば、2人だけになる情事に持ち込む作戦も、当然考えられるわけだ。

彼女自身は初めは、それほど乗り気ではなかったと思う。血気盛んな仲間、なかでも、ちょっと好意をもっている男と一緒に行動をともにしたい気持ちのほうが愛国心よりも大きかったはず。
若者たちの未熟な計画。どんどん彼女の負担は重くなり、ついには計画自体が思わぬ危機にさらされることになる…。

タンたん、きれいっ!
(c)FOUCUS FEATURES,EDKO
FILMS/WISEPOLICY

「ラスト、コーション」というタイトルを知って、え、「ラスト・コーション」じゃないの? なんで「、」なんだろう、変なタイトルつけるなよ、と思っていたのだが、じつは原題のとおりだったのですね。訳すと「欲、警告」といったふうになる。
つまり原作のタイトルどおり「色、戒」。
でも「ラスト、コーション」では、やはり意味は分からない。「ラスト」は「最後の」という意味だと、ずっと勘違いしてたし。

それはともかく、女と男の違いを、まざまざと見せつけながら、男(私)は女の情念に圧倒される
見ごたえのある一作だった。

(2月9日)

LUST, CAUTION
2007年 中国・アメリカ作品
監督 アン・リー
出演 タン・ウェイ、トニー・レオン、ワン・リーホン、ジョアン・チェン

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評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

ボーさん★

こんばんは♪
コメントありがとうございます。
エッチシーン目的で行っただなんて、いや正直でいいですね(笑)
でも本当、噂のそのシーンはたいしたことないというか、それよりも
もっと観るべきところ、素晴らしいシーン沢山ありましたよね。
キャストたちの動き目線だけでも様々なことを語ってましたし
ストーリーも面白い。長いのに全然時間気にせず入り込んじゃいました。
演出も素晴らしかったですしね。
そういうの全てが、映画の面白さだと思うのでこの作品すごく良かったです★

>migさん

おはようございます!
そうですね、ただ表面的に面白いというのではない部分での映画の面白さ、というのか、かなり堪能できる作品でした。
こうした映画を楽しめるのは幸せですね!

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こんばんは、ボーさん。

遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。

私も、先日「ラスト、コーション」観に行きました。
何となく激しい性描写があるということは知ってましたが、他に観たいものがなかったという理由が一番(笑)
でも観て良かったです。
今年、劇場鑑賞5作目なのですが、今のところNo.1です。

タン・ウェイが何より素晴らしかったです。2004年のミス・ユニバース北京大会で第5位だったんですか~。

私も、アクロバット的な体位は、トニー・レオンの表情と共に笑えました(笑)

今更

この記事に反応(笑)。
これ見たいなー、見たいんですよー、終わる前に見にいけるかなー。

なんとなくラストの展開は想像してるんですけど、見ごたえのある作品のようだし、気になります。

ベッドシーンが話題になる映画っていうのは、なぜか不思議とそこのシーンを見ていて滑稽さと紙一重なことがありませんか?
本来、個人的な秘め事である行為ゆえ、きっと生々しく映像で見せれば見せるほど、何か滑稽さが表面化してしまうのかも・・・。
ていうか、アクロバティックな・・・という形容が出るたびに、「どんなやねん!」と笑ってしまう私です。くくく。

>チェズさん、紅玉さん

チェズさん、ありがとうございます。
タンたん、よかったですよね! 地区大会で5位というのも微妙かもしれませんが、それでも素晴らしいことですよねー。
トニーもガンバリました。タンたんをあんな格好にさせなくても…と思いましたが!

13日生まれの会の紅玉たん、観てくださいよー。
個人の好みなので、どんなカッコをしようがいいのですが、そのほうが楽しいのですが。
超屈曲~みたいなのがありまして…
それはそれとして、いい映画ですよ!

ヒロイン

こんにちは。
この女優さんは、表情によって、神々しく見えたり、凡庸な田舎娘に見えたり、妖艶な美女に見えたり、不思議な魅力を持っていますね。

>kimion20002000さん

こんばんは!
主役の女性のキャスティング次第の映画だったかもしれません。
難しい役を、うまくこなしていましたよね!

TB&コメントありがとうございます。

 ボーさんのレビューは何時も素直な心に満ちていて尊敬しています。
>なんで「、」なんだろう、
 私も始め同じ疑問を持ちました。懇切丁寧なるご解説、ありがとうございました。私も英和辞典を紐解いて、lastではなくlustであることから、後刻、多分そうなんだろうと気が付きましたが、やはりそういうことだったんですね。
 4度登場する官能シーンは、そういう意味合いからもこの作品の命でしょう。具体的な言葉では表現し難いですが、それぞれ抽象的な意味合いを持っているようにも感じました。
 それからここでも、私の好きな劇中劇がありました。昔懐かしい映画のほんの片鱗に触れる、その一瞬が堪らないです。

>アスカパパさん

尊敬だなどと恐れ多いお言葉、ありがとうございます。
思いつくことを書くと、素直といいますか、そういうふうになってしまうみたいです。
官能シーンは、前宣伝でセンセーショナルに煽りやすいところですが、それだけではなかった秀作でした。

タン・ウェイも素晴らしいし、トニー・レオンもやっぱり素晴らしい。

ホントに彼女は、小娘から上流若マダムまで、見事に演じ分けてましたね~!
初めて2人っきりになった部屋で
こちらに向かって歩いてくるチャイナドレス姿の妖艶な事!
裸より断然セクシーでした☆

トニー・レオンのメロメロ紳士な表情も良かったです~
あんな表情されたら、もーやっぱり「参りました」ですよね・・・

>わさぴょんさん

ねー。
そういえば、その後、タン・ウェイさんは映画などに出ているんでしょうかねえ。
運命に翻弄される女と男。
ふっふ。堪能していただいたようですね。


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