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2019-12

「2001年宇宙の旅」(4回目) - 2008.04.03 Thu

2001年は、すでに遠く過ぎた。科学の進歩は、ある点では、この映画の想像以上に進化し、ある点では、あまり進歩していないだろう。
原作者のアーサー・C・クラークが3月19日に亡くなったというので、録画してあった本作を見た。




冒頭、原始時代の猿人の場面が、かなり長いのは、以前見た記憶と違っていて、少し驚いた。
ここに、黒い巨大な四角の石柱(モノリス)が出現する。それに手を触れた猿人は、知恵を授かる(ように見える)。

月への宇宙旅行の描写を挟んで、舞台は木星探索に向かうディスカバリー号へ。最新鋭コンピューター、HAL9000がコントロールする宇宙船だ。

完全に自分の意思をもったコンピューター、これは怖い。読唇術もできるというのは、ちょっと万能すぎる気もするが。
最終的に、サイケ(幻覚のよう)な光の模様の中へと、旅は突入、地球の原風景ふうなところも通り過ぎる。これは地球の誕生?
老人から胎児へ。大いなる宇宙の中で、より高い次元に転生した人間か。

DVDジャケット(海外盤)
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」、ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」ほか、アラム・ハチャトゥリアン、ジョルジ・リゲッティと、クラシック音楽が使われている。
これほどクラシック音楽が映画に合っている映画も少ない。
とくに、「ツァラトゥストラはかく語りき」のドラマティックさ、「美しく青きドナウ」の、ゆったりとした宇宙にぴったりのワルツ。
宇宙ステーションの映像などとともに「美しく青きドナウ」が、見たあと、いつまでも、何日経っても、脳内でリピートする。

キューブリック監督は、アレックス・ノース(「欲望という名の電車」〔1951年〕、「スパルタカス」〔スタンリー・キューブリック監督、1960年〕、「噂の二人」〔1961年〕、「荒馬と女」〔1961年〕など)に作曲を頼んでいて、それまでの間に合わせで、クラシック曲を映像に合わせていたらしい。
それが、そのまま使われ、結果的に大きな魅力になったのだから、何が幸いするか分からない。

月旅行の宇宙船で、靴底にマジックテープをつけているのか、床とくっつくようにして歩いている。無重力で体が浮かないようにしているわけだ。
壁から天井へ歩いていって、人間が逆さまになり、そのまま部屋に入っていくと、そこでは人は逆さまになっていない。部屋そのものが逆さまについていたのだ。このあたり、面白かった。

説明を省いてしまって、観客の想像に任せる大胆さ。よく分からなくても、それでも魅力があるのが、この映画の力だろう。
アポロ11号による人類初の月面着陸とされているのは1969年。
それ以前の1968年の段階で、こんな宇宙もののSF映画を作ったのは、やはり、すごいと思う。

(3月20日)

2001:A SPACE ODYSSEY
1968年 イギリス・アメリカ作品
監督 スタンリー・キューブリック
出演 ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター
HAL9000の声 ダグラス・レイン

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評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

へぇ~!

あんなにぴったりな音楽も間に合わせでのとりあえずってのが
スゴいですね~!!!
確かによく分からない映画ではあるのですが、
そのスゴさは理解できるという不思議な魅力のある映画でしたね。

>miyuさん

そうなんですよ、一流の映画音楽作曲家に頼んでおきながら、それを使わなかったのです。
クラシックのほうが合ってると、監督自身が思ったのでしょうね。
この映画に関しては、なんかスゴイ、というので、いいんじゃないでしょうか。(笑)

こんにちは

TBさせて頂きました内容にも触れていますが、私はクラシック音楽も好きですので、ボーさんが仰って居られる通り、、「ツァラトゥストラはかく語りき」と「美しく青きドナウ」が、映像とシンクロナイズする様に酔いました。
あと、あまり語る言葉がないので、「突撃」の感想で誤魔化していますが、「現金に体を張れ」(55)は、フィルム・ノワールのベスト作品と思いますし、「スパルタカス」(60)は、重厚な叙事詩でした。そして何よりも驚いたのは、「時計じかけのオレンジ」(71)でした。スタンリー・キューブリックという監督、この人の頭脳は一体どんな構造になっているのでしょう。(笑)正にハイドンの「驚愕」です。

創造主。

レビューを読んでいて、ストーリー、というものが余計に分からなくなってしまいました。って責めているわけではないですからね。ただ、ストーリーの解釈は人それぞれだなぁ、と当たり前のことを改めて感じました。
本当にこの作品はどうゆうことなんでしょうね。最後のほうはかなり不条理で、シュール。あ~、分からない。でも何かすごい!みたいなやはりおかしな感情が芽生えます。
この作品を、理解した。という人はいない思います。キューブリック監督自身、分からないだろうし。
でも、おっしゃる通り、’68年にこれが生まれたという事実は信じ難いですね。何で、あそこまでCGが発展しているの?今の最新のVFX(だったっけ?)などよりも魅力を感じます。その事実こそがこの作品の一番の謎です。

1969年!

アポロが月面着陸する前の年の作品でしたか!
そう考えるとホントすごいですね~。
私も良くわからないなりに堪能した映画ですが
HALの最後はなんだか「怖さ」と「悲哀」を感じました。

>アスカパパさん、マキシさん、わさぴょんさん

アスカパパさん、ありがとうございます。
この映画の記事、書かれていましたか。探してみればよかったです。
書かれている「現金に~」「スパルタカス」については同感です。見事な映画だったと記憶しています。
思いつく限りでは「バリー・リンドン」は、さほどでもないかと思ったのですが。
「2001年」のクラシックのフィット感、シンクロぶりは驚くべきものですね。

マキシさんは、どんな解釈をしているのか、聞いてみたいところですね。
考え方は、いくらでもありそうで、とらえどころがないともいえる映画ですが、原作を読むと少しは分かりそうとも聞きます。
特殊効果には撮影後、かなり時間をかけたようで、しかも監督自らも、やっているようですよ。

わさぴょんさん、HALちゃんねえ…きっと自分は悪くないのに、あんな目に遭うとは。
隠し事をしていたから、おかしくなった、という話もあります。
映画が作られた年代のことも考えると、価値がありますね。

解釈。

解釈、というものはほとんどしていませんね。ごめんなさい、意味分かりませんよね。
でも、これはみなさんのおっしゃる通り、「感じる」映画だと思うので、深い追求は野暮な気がします。
やっぱり時間がかかったんですね。そりゃそうですよね。あんな凝った映像・・・。すごいなぁ。
そういえば、wowowのサイトを見ていたら、「時代考証がおかしい」映画に、「2001年宇宙の旅」が選ばれていました。え~?って思いました。これは、時代考証がおかしいとか、そうゆうことではないでしょう。そう思いません?キューブリックは未来を予想しただけであって・・・。

早いもので

2008年になっちゃいましたねぇ。
「2001年~」、初見は80年代中頃だったと思うのですが、あと15年したら月は勿論、火星旅行も可能かな?と期待してたのに、なんだかな~・・・

ちなみに、HAL9000ですが考案段階では女性型アンドロイドだったそうですよ。
箱型コンピューターでさえHAL殺害(?)シーンは胸が痛んで辛かったのに、ヒト型だったらリアル過ぎてちょっとダメだったな~と思うものの、キューブリック監督の描く女性型アンドロイド、ちょっと見てみたかったような気もしません?

>マキシさん、小夏さん

マキシさん、レスありがとうございます。
そうですね、コメントをいただいたアスカパパさんの記事で、監督が「映画館で見なきゃダメ」みたいなことを言っていたと知って、ああ、やはり大画面と音響で感じる映画なんだなと思いました。
時代考証というのは変ですね。予想と違ったということでしょう。といっても、それだけ大胆な予想だったわけですから、責められる必要ないですよね。

小夏さん、2008年ですよ~。
いまだに宇宙旅行はポピュラーではないですね。そんなに行きたくもないですけど。
え! HAL9000は女性型アンドロイドですか! ふふふ…いいなー、いまの東京ガスのCMみたいな? 見たかったですねえ、もちろん!

こんにちは、ボーさん。

「2001年宇宙の旅」17年ほどぐらい前に、一度だけ観ました。難解でしたね~。
あの「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」のクラシック音楽がなかったら、どうなってたか。
ほんとに映像に合ってましたね。

覚えてるのは、「猿」「モノリス」「コンピューターHALL」ですが、再度、観ると、ボーさんのように新たな発見ができるかもしれないですね。
当時は、ほんと良く分からなかったです。

同じSFで「惑星ソラリス」なんかも良く分からなかったことを覚えてます。

気付いたら、2001年もあっという間に過ぎちゃってるんですもんね~。時の経つのは早いものです(笑)

>チェズさん

難しいのは、ラストあたりの意味と、モノリスの意味が大部分かなと、今回思いました。
きっと、大画面、いい音響のなかで浸っていればいい映画なのかも、とも。
「惑星ソラリス」は観ていないんです。敬遠気味です。
2010年宇宙への旅、なんてのもありましたか。もうすぐ、その年ですね。

2回目の投稿です。

>お名前は、マレーネ・ディートリッヒの映画「間諜X27」から来ているのでしょうか

その通りです。2と7をひっくり返しただけの安易なネーミングで、すみません・・・・・。

さて、この「2001年宇宙の旅」。先日初めて見ました。BSです。特撮の技術が素晴らしいです。映画の内容は不可解ですが・・・・・・(^^;
あの円形の宇宙基地。人が円に沿って歩く。無重力。どうやって撮影したのでしょうか?
それと月面の扉が開いて中にたくさん人が集まっている場面。
アポロ11号の月面到着は捏造で、キューブリック監督が作った映像だと言う説があります。
捏造かどうかは別として、キューブリック程の監督ならば、それは可能ですよね。
2001年はもはや近過去。でも、いつかはこんな時代が来たらいいなと思ってしまいます。

>間諜X72さん

ありがとうございます。
安易だなんて、とんでもありません。「間諜X27」を見たときは、タイトルも含めて、かっこいいなあと思ったものです。

ずいぶん以前の映画ですが、私も詳しくないもので、撮影方法がわからない部分はたくさんあって、素直に、すごいなあと思います。
月面着陸が作り事、という説は聞いたことはありますが、キューブリックが、というのは初耳でした。作れても確かに、おかしくはないですね。
宇宙に行けるとしても、お金がかかるんだろうなあ…(苦笑)


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