或る日の出来事

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「大いなる西部」

開巻早々、広い荒野を走る馬車の映像にかぶさって主題曲が流れ出すと、わくわくしてくる
大西部の景色に実にぴったり合っている雄大なメロディは、ジェローム・モロスの作曲。西部劇音楽を特集したアルバムならもちろん、映画音楽名曲集のアルバムに入っていてもおかしくない曲だ。
最近では、松嶋菜々子さんの「キリン生茶」CMに使われていたのが記憶に新しい。これとか。


ビデオジャケット(海外盤)
どうも、私が気にいる映画は、音楽が印象に残るものが多いようだ。この映画も入れたが、カテゴリー「私にとっての永遠の名作」では、「007/カジノ・ロワイヤル」「南太平洋」「ムーラン・ルージュ」「ブーべの恋人」…などとある。

見たい見たいと思いながら、上映時間が2時間45分と長いこともあって、なかなか実行できなかったが、チャールトン・へストンが先日亡くなったので、追悼の意味でも再見した。これが4回目。初めて見たのは14歳のとき、映画を見始めた頃だ。
ホームページに、前回見たときの短評があるので、以下に載せてみよう。

ウィリアム・ワイラー監督の傑作西部劇。グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンの長い長い殴り合いの俯瞰ショット、チャック・コナーズのダメ息子、キャロル・ベイカーのわがままお嬢様、清楚なジーン・シモンズ、そして憎みあう家長同士の、深い谷での決闘。ワイラー監督は、この次の作品『ベン・ハー』にも、ヘストンを起用することになる。〔2002・3・21(木)〕」

ワイラー監督は、1940年代から1950年代を中心に活躍した、アメリカ映画の巨匠だった。彼のキャリアの後期だけでも、「ローマの休日」(1953年)、「必死の逃亡者」(1955年)、「ベン・ハー」(1959年)、「コレクター」(1965年)など、名作が目白押しだ。
正攻法の直球勝負、実直で端正で品位があり、見応えがある映画を作る、という印象。風格があるのだ。

本作は西部劇といっても、ドンパチと派手なアクションものではなく、人間ドラマだ。大いなる西部の土地の広大さ(原題“The Big Country”)、頑固で古臭いものが新しいものに変わっていく時代の流れも感じられる。

ジム・マッケイ(グレゴリー・ペック)は東部出身の紳士。婚約者パトリシア・テリル(キャロル・ベイカー)の家がある西部へやってきた彼は、荒くれカウボーイたちが挑発しても、それには乗らない。パトリシアは、彼が弱虫で逃げているのかと誤解してしまう。
テリル家は、谷に住むヘネシー家と敵対し、水源をめぐっても争っていた。ジムは、公平に水を分けるために、水源の持ち主ジュリー(ジーン・シモンズ)から土地を買う。
しかし、ついに両家の積もり積もった摩擦は、最後の対決を生む…。

いちばん味があるのが、バール・アイヴスが演じる、ヘネシー家の家長ルーファス。
卑屈な長男バック(チャック・コナーズ)に怒り、呆れながらも、彼を愛する父親。知性もあり、真っ直ぐな人間だが、テリル家の家長ヘンリー(チャールズ・ビックフォード)とは決着をつけなければならないというのが悲しい。
アイヴスは、アカデミー賞とゴールデングローブ賞で助演男優賞を得ている。
ちなみに、本作は、キネマ旬報で1959年度の最優秀外国語映画賞を取った。
また、アカデミー賞では音楽でジェローム・モロスも候補になったが、受賞したのは「老人と海」のディミトリー・ティオムキンだった。
チャールトン・へストン安らかに
チャールトン・へストンは、テリル家の牧童頭スティーヴ・リーチを演じている。
テリル家の娘パトリシアをジムに取られたような思いで、最初からジムには意地悪く当たる。
短評でも書いた、ペックとの殴り合いは名場面になった。
雇い主のヘンリーに付き従う、西部の男らしい一徹さを見せて好演した。

本当の勇気、男らしさ、というものも考えさせられ、雄大に、ゆったりと流れていく一作。
音楽だけをとっても、私には永遠の名作だ。

(4月13日)

THE BIG COUNTRY
1958年 アメリカ作品
監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グレゴリー・ペック、チャールトン・へストン、ジーン・シモンズ、キャロル・ベイカー、バール・アイヴス、チャールズ・ビックフォード、チャック・コナーズ

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評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2008/04/19(土) 19:56:19|
  2. 映画感想(私にとっての永遠の名作)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

リンク&コメント有難う御座います。

ボーさんは、4回目の鑑賞でしたか。私は2回しか観ていません。ボーさんのレビューを拝読して、また観たくなってきました。確かにちょっと長いですが、いい映画は何度観てもいいものですね。
確かにあの冒頭のシーンと音楽は、見る者をぐいぐい引き寄せる磁石のようなパワーがありますね。それに、ジーン・シモンズが大好きな若き日の私でしたもので。(笑)
  1. 2008/04/20(日) 15:41:01 |
  2. URL |
  3. アスカパパ #xq6o7d/.
  4. [ 編集]

>アスカパパさん

そうなんです、ちょっと長め。でも、この悠揚たる作品には似合ってますね。
ジェローム・モロスという作曲家は、他に印象的な音楽を知らないのですが、これひとつでも、十分すごいです。
どちらかといえば、私はキャロル・ベイカーさんのほうが好み…かも。
  1. 2008/04/20(日) 20:53:24 |
  2. URL |
  3. ボー #0M.lfYJ.
  4. [ 編集]

おはようございます。

こちらにも失礼いたします。主題曲でワクワクした感触がそのまま持続しラスト!両家の決闘シーンで弾ける感じですね〜。
グレゴリー・ペック演じる東部男性の紳士的な態度が、西部では臆病者にされてしまう価値観の違いが面白かったです。西部男と東部男の意地を、殴りあうことでぶつけあったシーンは、拳銃による決闘よりも迫力がありましたね。西部劇や懐かしい映画のレビューも楽しみにしています。
  1. 2008/04/23(水) 10:04:22 |
  2. URL |
  3. マーちゃん #jIgFQiZc
  4. [ 編集]

>マーちゃんさん

こちらにもコメントいただき、ありがとうございます。催促したようで、すみません。
こんな素晴らしい曲がつくのは、偶然か奇跡みたいなものですよね。
ラストで、とうとう決闘に。西部にある何かが終焉するかのようにも思えます。
西部劇にアクション第一を求める人には、受けない映画らしいですけど。
新作メインなので、旧作は少なめになると思いますが、たまに、のぞいてみてください。
  1. 2008/04/23(水) 23:36:40 |
  2. URL |
  3. ボー #0M.lfYJ.
  4. [ 編集]

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