「イースタン・プロミス」 - 2008.06.26 Thu
でも、某「この映画がすごい!」誌で、ヴィゴ・モーテンセンのチ○コが! ×ン×が! と連発されていたので、すっかり興味がソッチ方面にイってしまっていた。(爆)
ロンドンに巣食う、ロシアン・マフィアの話。
ナオミちゃんは看護師。身元不明の若い母親が赤ん坊を産むが、母体は助からず亡くなってしまう。赤ちゃんのために母親のことを知りたいナオミちゃんは、母親の持ち物である日記帳を手に取る。しかし、それはロシア語だったため、ナオミちゃんは、ロシア人の伯父に翻訳を頼む。
一方で彼女は、日記帳にはさんであったレストランのカードを見て、その住所を訪ねるが…。
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イースタン・プロミスとは、「イギリスでの、東欧組織による人身売買契約」のことだという。ロシアや東欧の貧しい女性に、いい暮らしを約束(プロミス)する、と見せて、じつは売り飛ばすのだ。
映画にも売春宿が出てくるが(マッサージ・パーラーやサウナとして営業しているらしい)、そこで働かされている女性たちは売られてきたというわけ。
ロンドンで、こんな実態があるとは知らなかった。
ヴィゴもナオミちゃんも、その他、俳優陣は渋くて、うまくて、文句はないんだけど、話として何が素晴らしいのかが分からない。
おもしろくて楽しければいいというような話ではなく、シリアスものだから、胸を突いてくるような感動とか、特筆すべきところがなければ、フツーだなあ、というしかないので…。(もちろん私がそう思うだけのことですよ。)
いやー、しかし渋い。ヴィゴ、渋いですよ。
ヴァンサン・カッセル演じる、ボスの息子についている運転手の役だが、イロイロな意味でダメダメな、ぼんぼんの息子を支えている実力派。
体じゅうタトゥーだらけ。刑務所に入ったりするとタトゥーをいれ、履歴書みたいな意味もあるとか。映画では、組織の兄弟分(?)になったときに、儀式のように、タトゥーをいれてました。
ぼんぼんヴァンサンに連れられて行った(のであろう)売春宿で、ヴァンサンに無理やり女と交われと命令されて関係した女に対して、事後、名前を聞いて、死ぬなよ、と一言。もしかして、優しい人…?
しばらく後に、ヴァンサンの口から、この女がどうなったかが分かる仕組みになっている。
私は、この映画で、ここが一番よかったなあ。
サウナでの格闘。ここでヴィゴはナイフを持った2人の男と闘う。
ヴィゴはハダカでいるので、ケガをすると赤い血がモロに分かる。服を着ていないから、ナイフがかすっただけで皮膚は切れるだろう。武器もない。究極の劣勢。その怖さ。それを見せたかったのか、クローネンバーグ監督。
ヴィゴのチ○コは、素っ裸で乱闘しているわりには、しっかりとは見えず、消化不良。(なんで?)
一部が、ちらほら、です。(「この映画がすごい!」、騒ぎすぎ!)
でも俳優って大変。あそこまで、さらすのだから。
「歴史に残る格闘シーン」と、どこかにあったが、それほどとは思わず。
ナオミちゃんの伯父を演じたのが、イエジー・スコリモフスキーだと、あとで知って、びーっくり!
ポーランドの監督さんで、彼の作品「早春」(1970年)は、私がもう一度見たい幻の映画ナンバー1なのである。
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ヴィゴ、ナオミちゃん、ヴァンサン、マフィアの親分を演じたアーミン・ミューラー=スタール、イエジー、イエジーの妻を演じたシニード・キューザック…俳優は、ホント、みんな、いいと思う。俳優は。
でも、映画って、俳優がいいと感じるだけでいいものではないでしょう?
(6月21日)
EASTERN PROMISES
2007年 イギリス・カナダ・アメリカ作品
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
出演 ヴィゴ・モーテンソン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール、イエジー・スコリモフスキー、シニード・キューザック
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評価☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
ヴィゴ&ヴァンサン!?
>小夏さん
ヴァンサンの情けなーいアニキも、けっこうナイスです。
ヴィゴって、どこの国の人か分からないようなところがあって、おもしろいですし。
…で、じっくりDVDで、コマ送りで、見るんですね。何回も。(笑)
お楽しみに!!
ただいま~
帰国しました☆不在中もコメントありがとうございました

ヴィゴ凄かったですよね~
日本で字幕ありで観直したら面白かったです。^^
ヴァンサンはダメダメ男ハマってましたよね、
ナオミもうまいし。
クローネンバーグの独特な世界観も好きです♪
>migさん
私は字幕なしだったら、さっぱり分からないですよ。
俳優はよかったですが。「ゴッドファーザー」も好きじゃないし、マフィアものの感じが好みでないのかもしれません。
レビューで書きませんでしたが、ラストシーンは余韻を含んでいました。何を考えているのか、と。
●
映画検定の合格者のTV番組、出ないんですか・・・
残念。
ボーさんが出るなら観たかったですよ~。
ところでこの映画ですが、アラゴルン老けた・・でも、いい風に味が出てますね。
ヴァンサン・カッセルも本当上手でした。
>とらねこさん
アラゴルンなんですよね。アラゴルンがロシア人を演じるとは思いませんでした…。
俳優は的確なんですが、お話には、いまいち乗れず。でした~。
No title
クローネンバーグ監督作って、ちょっと現実離れした世界観が舞台ってこと多い気がしてましたけど、最近は違ってきてるみたいですね。
「ちゃんとしたストーリーがある」ことに、なんとなく違和感覚えちゃったりします(「裸のランチ」のイメージ強すぎて^^;)。
ヴィゴはマジすごかったです。あんな全裸バトル演じられるのは彼ならではかも知れませんね。あのシーンは、野生の生き物の生死をかけた闘いのドキュメンタリーを観ている気分にさせられました。
>かもめんさん
クローネンバーグは全部で2、3本しか見てなくてイメージがないので、違和感はなかったです。
あの場面で私が襲われたら、1秒で終わりだったり…したくない! 戦うぞ!(笑)
コマ送りしてません
サウナでの格闘は、私は自分の身体まで痛くなってきたので、
あまりじっくり観られませんでした。
でも、ボーさんの話だとチラホラ程度でたいした事なさそうだから、
見逃しても惜しくはなかったんですね。
ロシア系移民が群れながらも、互いに傷付け合っているのが、
なんか悲しいなあと思いました。
>YANさん
え、じっくり見ませんでしたかっ!? いけませんねー。(笑)
私なら絶対コ・マ・送・り・しますけどっ!
まじめな話(?)に戻ると、ああいう世界が裏側であるんだなあ、と感慨がありましたね。渋めな映画でした。
コマおくり。その手があったかぁ~
あの娼婦のその後って、なんて言ってたっけ?!
覚えてないです・・・★
でもボーさんはお話的にはイマヒトツだったんですね。
私は楽しめましたよ~^^
>わさぴょんさん
娼婦のその後は、ちょっと、うろ覚えになってますが、警察が店にやってきて、彼女を捕まえた、ということをヴァンサンがヴィゴに言います。つまり、これはヴィゴが警察に彼女の名前を告げて助け出させたわけですね。
それを他人からの言葉で観客に分からせたところが、なんともニクイ脚本なわけです。
楽しめたとのこと、うらやましいで~す。
亜種?
ところで、あのサウナのシーン、ボーさんの文章を読むと映画館ではボカシがなかったみたいですね。
映画にはそういう特典があったのかぁ、残念(^^;。
だけど、ボカシがあると想像力はたくましくなりますね。
どんだけブラブラしてんだろって。
>kiyotayokiさん
ボカシはなかったと思いますよ。でも、なんとなくしか分かりませんでしたけど。
たしかに! 想像力は伸びます!(笑) ちゃんと見られたとき、拍子抜けする場合もありそうですよね~。
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あ、私は(一応)女性なのでどーしたってナオミさん<ヴィゴ&ヴァンサンなのですよ。ごめんね。
しっかし、ヴィゴさんって年齢を重ねるごとに渋くなりますねぇ。
LOTRで一躍脚光を浴びたときは一発屋で終わっちゃうのかな~と思ってましたが、
なかなかのモノです。大ファンってわけじゃないけどやっぱり気になる御方ですねw
ところで、ボーさんが消化不良に終わった例のアレ。
DVDとかでコマ送りすればちゃんと見えるのかもねー。(←やる気満々らしい)