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2020-06

「題名のない子守唄」 - 2008.09.17 Wed

ひとりの女が、ある家に家政婦として入り込む。彼女の目的は何なのか。ときどき挿入される、忌まわしい過去の場面が関係しているのか。
謎が少しずつ見えてくる、サスペンスタッチ。



ジュゼッペ・トルナトーレといえば、「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年)で有名な監督。他に「海の上のピアニスト」(1999年)、「マレーナ」(2000年)などがあるが、本作のような強烈で重いサスペンス・ミステリー風作品を作るとは意外だった。

主演のロシア人女優クセニア・ラパポルトの魅力で見せる。
暗い色彩で地味な現在の彼女と、明るい色彩の過去の彼女の違いのコントラストの鮮やかさ。顔つきまで違うように思える。
WOWOWで放送したのを見たのだが、母性がポイント、などと初めの解説で言ったので、鑑賞途中から、もしかしたら…と思ったのが当たってしまった。
それでも興味は消えなかったから、よくできた映画ではある。

ただ、彼女の過去の悲惨さについては、あの手の話には少し食傷気味なところもあった。ひどい話なのは変わりないのだが。
謎だらけで話の展開がまったくつかめない序盤から、見る者を引きつけ続けるのは、さすがトルナトーレ監督。もちろん主演のクセニアや、子役クララ・ドッセーナ、母親役クラウディア・ジェリーニの演技もいい。

トルナトーレ監督作品では、おなじみのエンニオ・モリコーネの音楽もドラマを引き立てる。

イタリアのアカデミー賞ともいえる、ダヴィッド・ ディ・ドナテッロ賞の主要5部門を独占受賞した(作品、監督、主演女優、音楽、撮影賞)。
モスクワ映画祭では監督賞、観客賞。ヨーロッパ映画祭では観客賞。
DVDジャケット(海外盤)
ラストシーンは秀逸。ありふれているとか、甘いとかいうのは当てはまらないだろう。
せめてもの、そして、この上ない、救い、喜びの瞬間。それを表現するクセニアの表情の、やりすぎない素晴らしさ。
幸せになってほしいと思わずにはいられない。

(9月14日)

LA SCONOSCIUTA
2006年 イタリア作品
脚本・監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 クセニア・ラパポルト、クララ・ドッセーナ、クラウディア・ジェリーニ

参考:題名のない子守唄@映画生活ウーマン・エキサイト・シネマ

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)

● COMMENT ●

ノーマーク

ボーさんはボクがノーマークの映画(アクロス・ザ・ユニバースとか^^)をよくご覧になっているので、いつも刺激を受けてるんですが、これもノーマークでした(^^;。
これって、ジュゼッペ・トルナトーレ家督の作品だったんですね。
要チェックですね、これも。

No title

ボーさん
こんにちは★

これ、タイトル(邦題)がまた良かったですね~。
不思議な雰囲気にのまれて見入ってしまいました♪
人にオススメ出来る映画のひとつです~♪

>kiyotayokiさん

刺激を受けるなんて、うれしいことをおっしゃいますこと! 図に乗りますよ。
たぶん、また放送すると思いますのでチェックを!
私が見たときの放送は、じつは衛星の不具合で、数秒か数分か知りませんが、飛んじゃっていたのです。その部分を補完して見ないと、と思ってますので、また私も録画します。

>migさん

こんばんは!
題名のない子守唄、歌っていましたね。そこからタイトルをもってくるとは…。
原題が、謎の女、みたいなことでしたか、それも題名としてはどうかなと、困ったんでしょうね。
サスペンス・ミステリとして力作だと思います。

こんにちは

サスペンスに十分な旨味が仕込まれた秀作ですね。
前半の???が、後半になると、次々と明らかされスッキリしました~。
彼女の印象が過去と現在で違うのは髪の毛のせいもありますね。

>マーちゃん

だんだんと謎が解けてくる見せ方が大切な、サスペンスものでした。
髪は、見かけの違いに大きな影響がありますね。ワタシも金髪にしようかな…(オイ!)

本当、トルナトーレ監督がこういうテイストで作るというのが、少し驚きましたね。
ただ、自分としては、もう少しこの監督だからこその見せ方というのが見たかったんですよね。
サスペンスタッチというのはある意味安いんですよね。

>とらねこさん

はじめは何だかよく分からないという「宙ぶらりん(サスペンス)」状態をどう作るかは、過去と並行させて、わりとオーソドックスになってました。
俳優の力に負うところは大きかったと思います。
この監督がまたサスペンスを作ったときには、何か工夫があるかも?

基本、人間賛歌なトルナトーレ監督にしては異色のテイストでだったけど
ラストでやっぱりこの監督の味が感じられました^^
どんな時も希望を失わず生きていれば幸せが。。。

途中、生ゴミをあさって食べるシーンがありましたが、
あれは「その家の好みの味を知る」という意味だったんですよねぇ?
にしても彼女の執念を感じるスゴイ場面でした・・・
(突き落とすのもヒドイけどなぁ・・謝ったってダメでしょ~・・・★)

>わさぴょんさん

ラストは好きでしたねー。ああいうほうが、基本的に好みなんです。
撮るな、撮れ?と、いかにも映画作家らしいトルナトーレ。(書かなきゃよかった)
執念の女描写も、よろしいですね。
今後も、撮ってOK! がんばってほしいです。


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