「僕らのミライへ逆回転」 - 2008.10.18 Sat
レンタルビデオ店員とその友人が、磁気のために中身が消えてしまったビデオの代わりに、自分たちで映画を作るという話で、その手作りリメイク版が楽しく面白くできているかなと思っていたが…。
映画を作り直すといっても、まるで学芸会で、程度も低い。観ていて、感心したり楽しいなと思ったりするところが、まったくないのが痛い。もうちょっと工夫できないものか。
決して、「映画好きなら楽しめる」映画ではない。私は楽しくなかったから。
手作りリメイク場面にしても、ほんの少しずつ、いろんな映画を小出しにしてしか見せないし、第一、あんな作り直しビデオを誰が喜んでカネを払って見て喜ぶか。映画の中では喜ばないと話にならないから喜んでたけど。あれが面白いとしたら、私とは感覚が違うとしか思えない。
まあ、1日1ドルのレンタル料だから、いいかもしれないが。(100円くらい?)(あ、手作りリメイク版は、もっと高くしてたっけ?)
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(c) Newline Productions / Junkyard Productions |
収穫は、メロニー・ディアス嬢。はじめは、なんだか、へちゃむくれた娘だなあと失礼ながら思ったが、映画作りの仲間にスカウトされてから、撮影をリードするほど生き生きと活躍してくる。
これまで、まったく知らなかった女優さんなので、ここで知り合えたのは、よかった。
あとは、なつかしのミア・ファローさん(「オーメン」〔2006年版〕に出てたけどね。)や、ベテランのダニー・グローヴァー(年とって、やせたと思うのは気のせいか?)に会えたのはグッド。
例によって気に入らないとなると、突っ込みどころは、ことごとく文句のタネになる。
発電所に忍び込むことからして、バカ。人間に電磁波を帯びさせるための手段でしかないでしょう。かろうじてジャック・ブラックだから許せるキャラか。
繰り返しになるが、手作りリメイク映画のシーンのレベルが低いこと、短すぎること。主役2人とは別に、いきなり映画作りに参加していた男は何なのか説明がない(どこかですでに出てきた人物なら、私の見落としですが)。これも先ほども書いたが、なんといっても、あの内容が客に受けるとは思えない。理解不能。私だったら怒る。カネ返せ、となる。
ファンタジー映画なら、有り得ない、があってもいい。けど、これはフツーの映画でしょ? あ。ファンタジーなの? 最初っから、うその話? 違うよねえ。自信なくなってきたけど。
最初に作られた手作りリメイク版が「ゴーストバスターズ」だったが、その本物作品に出演していたシガーニー・ウィーヴァーが映画に登場してくる。
でも、「ゴーストバスターズ」にからんで何かネタがあるわけでもなく、ただ、出ているだけで、楽屋オチの初歩にもならない。
ラストは少し、ほんのりするけど、それまでがイケなすぎて、たいした感動にはならない。手作りリメイク映画を作った連中への、見当はずれの、なぐさめ程度にしか感じない。
こういうのを、映画愛にあふれた映画とは思わない。子どもが稚拙に映画の真似っこをして遊んでるようなもの。
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(c) Newline Productions / Junkyard Productions |
右の画像は、ミア・ファローとダニー・グローヴァーだが、この「ドライビングMissデイジー」のシーンは、ジャック・ブラックとモス・デフで演じていたはず。この2人でのシーンがあったかどうかすら忘れた。
僕の過去へ逆回転して、ぜひ、前売券代金を返してほしいものだ。この映画の記憶と引き換えにしてもいいから。
(10月13日)
この記事の分類「映画感想(私にとっての難あり映画)」についての説明は、こちら。
BE KIND REWIND
2008年 アメリカ作品
監督 ミシェル・ゴンドリー
出演 ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、メロニー・ディアス、ミア・ファロー、シガーニー・ウィーヴァー
参考:僕らのミライへ逆回転@映画生活
評価☆☆(2点。満点は5点)
● COMMENT ●
No title
こんにちは。
だれもが言いたくても言えないことを
ずばり言ってくれていて
気持ちがいいです。
>発電所に忍び込むことからして、バカ。
>手作りリメイク映画のシーンのレベルが低いこと、短すぎること。
>あの内容が客に受けるとは思えない。
同感です。
ぼくも最初、プロットを聞いたときは
この監督なりのリメイクをじっくり
オフザケなしで見せてくれるものばかりと…。
へぇ~っ。そういうのにジャック・ブラックが出るんだ……と、
勝手に勘違い。
ただ、ぼくは観ているうちに
そのチープさにも慣れてきましたが…。
あと、ラストは思ってもいなかったので
グッと胸に来ました。
でも、あそこの描き方も
いま考えるともう一つかな。
カメラが外に出た瞬間は好きですが…。
>migさん
好きな人には反発されるかなと思いつつ。
これほどのばかばかしさへの、観る際の備えがなかった、のかもしれません。
画像の場面、やっぱり映画ではありませんでしたか? なんなんでしょうね。
>えいさん
そう言っていただくと、ありがたいです。
チープさ加減が私の基準では、ひどすぎたということですね。まるっきりのおバカ映画と思っていれば笑って許せると思うのですが。
まあ、これは、かなり今年度のマイベストの下位に来ると思われます。(苦笑)
あら~
あんまり期待しないで観た方が良さそう^^;
新聞に載ってた「観客側にも『これは作り物!○○のつもり!』という
優しい心構えがあった頃を思い出せ」みたいな評を読んで
つまり手作り版はかなりチャチなワケね、とは思ってましたが
怒っちゃうほどですか☆
最初からそのつもりで観ればまた違うかも?
>わさぴょんさん
ばかばかしいと心得て見たほうが、よろしいかと思われます。
ハリウッド批判とかいう評もあるんですけど、そんなこと、こっちは知らないですからね。観てみて、そういうふうにも思わなかったし。
チャチで怒ります! 怒らない自信があるなら、後日ご覧くださいませ~。
はい、観てみました~♪
私ならボーさんと同じく「金返せ」とビデオ店に怒鳴り込みます★
でもそれがバカ受けするんだから、これはファンタジー映画なんですよ(^^)
こんな(ミア・ファローとD・グローバー)場面あったような気がするんですけど・・
あれっ無かったっけ?(もう返したので確認不可★)
>わさぴょんさん
ひどい、と言われる映画だって、自分で見ないと分かりませんからね。
あれで金払うんなら、よっぽど心の広い客ですよね!
あ、ファンタジーでしたか、これっ!?(笑)
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あはは、前売り代返して欲しいって(笑)
珍しく手厳しいレビューですね!
わたしはちょっと笑えたんだけど期待しちゃってたので
そういう笑いとも違ったかなぁ?って。
JBはゴンドリー作品にはちょっとあわないかなぁなんて思っちゃった。
最後の画像、このシーンなかったから貴重ですね♪
ミアファローでもやってみたんですかねー^^
こちらの記事はTB届いてませんでしたよ~^^