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2020-08

「夕凪の街 桜の国」 - 2008.12.22 Mon

原子爆弾がもたらした悲惨さを伝えていくのは、唯一の被爆国である日本にしかできないこと。
この映画が、より多くの人に原爆の罪を知らせてくれるように願う。



ほんとうは、原爆投下に関わったアメリカ人たちにも見てほしいところ。原爆を落とした結果がどうなるのかは、落とした関係者にもよく分からないところがあったかもしれず、その点では多少の責めは免れる可能性はある(かもしれない)。
見てもらおうにも、当事者のなかには老齢などで亡くなっている人もいるはずだし…。
戦争だから、しょうがなかった、で終わる問題ではない。
そして私を含めて、原爆を知らない人たちにも語り継ぐことは必要。未来に同じ悲劇を生まないためにも
DVDジャケット
私は漫画の原作(作者は、こうの史代。平成16年度文化庁メディア芸術賞マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞)を知らず、内容をほとんど知らないままに映画を見た。
前半の物語は、終戦から13年後の広島が舞台で、ヒロインは皆美(麻生久美子)
彼女は被爆したものの、生き残った。同じ会社の男性に、ほのかな恋心を抱いているが…。
麻生さんについては、私は「時効警察」でのコミカルな演技しか記憶になく、この映画で見せたような、しっとりした演技は初めて拝見したが、とてもよかった。
演出の、まっすぐな誠実さもあったせいか、泣けた…。
これほど胸にグワンときて嗚咽するほどに泣いたのは今年いちばんかも。
静かながら痛烈な、原爆を落とした人間に対する言葉が、皆美のセリフにあり、それは忘れられない。
この前半だけでも素晴らしい。

後半は現代の2007年に舞台が移る。ヒロインは七海(田中麗奈)
彼女の父親(堺正章)が皆美の弟、というつながりになる。
最近に至るまで、被爆の影響は終わっていない、ということを教えてくれる。
田中さんと、友人役の中越典子さんの演技で、多少、今風な明るさが加わって、ほっとするところもある。

皆美と七海は、お互いに会ったことがないが、おばさん、めい、という関係。
時代の違う2人の女性に、共通するものと違うもの、映画はこれを対比させてもいる。
今を生きる七海が、皆美のことを改めて心に思うことは、きっと、すごく大切な、温かいものなのだろうなと感じる。

この映画、ぜひ見てください。原爆の、戦争の、恐ろしさを知るために、忘れないために。

(12月14日)

2007年作品
監督 佐々部清
出演 麻生久美子、田中麗奈、中越典子、小池里奈、粟田麗、藤村志保、堺正章

参考:夕凪の街 桜の国@映画生活

評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

TB&コメントありがとうございます。

ボーさんが仰る通り、この映画を多くの方に観て欲しいと私も念じます。
決して大上段に構えることなく、ひたひたと綴られていくその純粋さに惹かれるものがありました。
佐々部清監督は、時たま凡作も見受けますが、その叙情的な作風は、私の好みにぴったりでして、お気に入り監督の一人です。

>アスカパパさん

ほんとに、いい映画でした。
純粋ですよねえ。愚直なほどに真っ直ぐな。でも、メッセージの大きさがあります。
漫画が原作というのも、すごいものだと思います。読んでみたいですね。
佐々部清監督の映画は、私は、たぶん初めてでした。

トラコメ有難うございました。

昨日何百回も(嘘です、20回くらいです)トライしましたが、本文が表示されず、書き込みできませんでした。

「チルソクの夏」以来佐々部清監督をご贔屓にしています。
仰るように誠実ですし、映画的な感覚にも優れているところがあります。「チルソクの夏」はご鑑賞をお薦め致しますよ。「半落ち」も良かった。

「父と暮せば」のヒロイン同様に生き残ったことへの罪悪感を覚える皆実の心境は、当事者以外には解らないかもしれませんが、人間は想像することができる生き物ですから、こと戦争の悲劇に関してはこうして代々伝えていくことが大事でしょうね。

私もタダ券で気楽に観に行ったら、めっちゃ泣けた映画です。
ほんと三日月さん…じゃない、麻生さんの静かな演技、よいですよね。
(本来は映画にたくさん出てらっしゃる女優さんだったのですね)
あの言葉は、当事者でないと出てこない、本当に静かなのに強い訴えで忘れられそうにないです。

>オカピーさん

ひえー、お手数をおかけしまして申し訳ありません。FC2ブログ自体の具合が悪かったのでしょうか。回復していて、よかったです。再トライありがとうございます。

そうですか、佐々部監督、機会を見てチェックしてみようかと思います。ただ、観賞が洋画中心なので、なかなか…。

戦争を実感はできない(それは幸せでもありますが)世代の私ですが、映画を通じて感じていきたいですね。

>まおさん

ひえー! タダで観たですか! いいなー。
何も知らずに構えず観たほうが、素直にKOされそうです。心に残る映画と出会えてよかったですよね。
麻生さん、やりゃあ、できるんじゃん!などと失礼なことを、ちらっと思いました。(笑)

邦画を見る割合が少ないのですが、こういう誠実な映画を見ると、もっとチェックしないとなあと思います。

アメリカ

TBありがとう。

>ほんとうは、原爆投下に関わったアメリカ人たちにも見てほしいところ。

まあ、パールハーバーの記念館には何度も行ってると思いますけどね。当事者だけでなく、アメリカの人たちのほとんどはヒロシマ・ナガサキの存在を知りません。
戦後60年、まだまともな原爆展は、アメリカでは開催されていないようです。

>kimion20002000さん

こんばんは。
そうですか、アメリカの人々にも、原爆のこと、知らせてほしいものですが…。

受け入れられるかどうかは別として、風化しないように、発信は続けていくべきですね。

原作読みました

ついこないだ、図書館で原作(マンガ)を見かけて、読みました。
原爆の話だとは知ってたけど、こうも静かに忍び寄ってくる話とは。
図書館のベンチで、不覚にも泣いてしまいました(;;)
そう!あのセリフ(多分一緒かと推測)
すごく「当事者だからこそ」なセリフで・・・

後半はちょっと「???」で良くわからなかったんですが、
あれは現代の話になってたのか~^^;

>わさぴょんさん

原作、読まれましたか。私も読んでみたい!
漫画は最近めったに読まないですが、あなどるべからずですね。

私も読んだら泣けそう…。
気が向いたら、映画も見てみてくださいなっ。


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