2008/12/22(Mon) 21:56
原子爆弾がもたらした悲惨さを伝えていくのは、唯一の被爆国である日本にしかできないこと。
この映画が、より多くの人に原爆の罪を知らせてくれるように願う。
ほんとうは、原爆投下に関わったアメリカ人たちにも見てほしいところ。原爆を落とした結果がどうなるのかは、落とした関係者にもよく分からないところがあったかもしれず、その点では多少の責めは免れる可能性はある(かもしれない)。
見てもらおうにも、当事者のなかには老齢などで亡くなっている人もいるはずだし…。
戦争だから、しょうがなかった、で終わる問題ではない。
そして私を含めて、原爆を知らない人たちにも語り継ぐことは必要。未来に同じ悲劇を生まないためにも。

私は漫画の原作(作者は、こうの史代。平成16年度文化庁メディア芸術賞マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞)を知らず、内容をほとんど知らないままに映画を見た。
前半の物語は、終戦から13年後の広島が舞台で、ヒロインは皆美(麻生久美子)。
彼女は被爆したものの、生き残った。同じ会社の男性に、ほのかな恋心を抱いているが…。
麻生さんについては、私は「時効警察」でのコミカルな演技しか記憶になく、この映画で見せたような、しっとりした演技は初めて拝見したが、とてもよかった。
演出の、まっすぐな誠実さもあったせいか、泣けた…。
これほど胸にグワンときて嗚咽するほどに泣いたのは今年いちばんかも。
静かながら痛烈な、原爆を落とした人間に対する言葉が、皆美のセリフにあり、それは忘れられない。
この前半だけでも素晴らしい。
後半は現代の2007年に舞台が移る。ヒロインは七海(田中麗奈)。
彼女の父親(堺正章)が皆美の弟、というつながりになる。
最近に至るまで、被爆の影響は終わっていない、ということを教えてくれる。
田中さんと、友人役の中越典子さんの演技で、多少、今風な明るさが加わって、ほっとするところもある。
皆美と七海は、お互いに会ったことがないが、おばさん、めい、という関係。
時代の違う2人の女性に、共通するものと違うもの、映画はこれを対比させてもいる。
今を生きる七海が、皆美のことを改めて心に思うことは、きっと、すごく大切な、温かいものなのだろうなと感じる。
この映画、ぜひ見てください。原爆の、戦争の、恐ろしさを知るために、忘れないために。
(12月14日)
2007年作品
監督 佐々部清
出演 麻生久美子、田中麗奈、中越典子、小池里奈、粟田麗、藤村志保、堺正章
参考:夕凪の街 桜の国@映画生活
評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)
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----この映画、変わったタイトルだよね。
原作ものニャんだって?
「そう。
平成16年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞・
第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した
こうの史代と言う人の原作。
過去と現在の二つの物語からなる連作なんだ」
----ふうん。と言うことは
二
日本は世界で唯一原爆の投下された国家です。「そんなの知ってる」って思ってる方、多いと思います。
では、自分の周辺に被爆された方、もしくは被爆2世、3世だよ、って知り合いが居て、その方が自ら「その事」を語って貰った事がある方、何人位いますか?
「夕凪の...
夕凪の街 桜の国◆プチレビュー◆被爆者の心と体の消えない傷を、何気ない日常の中で描く新感覚の原爆映画。どこかの政治家に「しょうがなかった」なんて絶対に言わせない!【80点】
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決して大上段に構えることなく、ひたひたと綴られていくその純粋さに惹かれるものがありました。
佐々部清監督は、時たま凡作も見受けますが、その叙情的な作風は、私の好みにぴったりでして、お気に入り監督の一人です。