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2017-05

「アラビアのロレンス 完全版」 - 2009.01.11 Sun

デビッド・リーン監督の名作のリバイバル上映。コロンビア映画85周年、同日本支社設立75周年記念作品。
デジタル音声のニュープリント・ヴァージョンを、新宿の映画館テアトルタイムズスクエアで観ることができた。



アラブ人を指揮するロレンス(ピーター・オトゥール)
私が観に行ったのは、正月休みに入った方も多いだろう12月28日の日曜日。朝いちばんの回にもかかわらず、席は、かなり埋まっていた。
DVDなどで見ることができるのに、映画館で観ようとする映画ファンが多いのは、うれしい。リアルタイムで観たのかもしれない年配の方の姿も。
説明などする必要がない、映画史における傑作の1本だろう。

私は見るのが4回目。映画館では初めてだ。
まず、何も映っていないスクリーンに、モーリス・ジャール作曲の「オーバーチュア」(序曲)が流れる。オペラのようにしたいという製作側の希望で序曲が入ったらしいが、いまどきでは珍しいオープニングに驚いた人もいるのではないか。
雄大な、この曲を聴いていると、これから大きなスクリーンで「アラビアのロレンス」を観ることができる幸福感に包まれた。
ジャールは作曲のために、音楽も人物も入っていないラフカットフィルムなどを見て、初めに「ダンダンダンダンダカダン」という、最初に来る、あの印象的な打楽器のメロディを思い浮かべたのだという。
名作には、たいてい名曲がある、というのは私の考えだが、「アラビアのロレンス」の音楽は、とてつもなく雄大でエキゾチック、まさに永遠の名メロディだ。

アラブの王子の動向を探るために、イギリス軍によって派遣されたロレンスが、重要拠点である都市を陥落、占領し、勇敢な行動をとったことから、アラブの民たちに英雄とまつりあげられるが…。
アンソニー・クイン(左)、オマー・シャリフ(右のほう)も好演
広大な砂漠、暑さ、自然の苛酷さ、その中の小さな人間。
アラブの民のためなのか、自分のうちの何かのせいなのか、戦いの渦に引き込まれていく、ひとりのイギリス人。
主役のピーター・オトゥールは、もちろん、まわりを固める、オマー・シャリフ、アンソニー・クインのアラブ人役、アーサー・ケネディの記者など、どの役もしっかり存在感があって素晴らしい。

CGなどないのであろう時代の実写のスケールは圧巻。もしも、いまの時代に再現しても、どこかで便利になっているに違いないから、苦労して汗と熱気とともに作ったような、これほどの雰囲気は出てこないはず。
こうした、スペクタクル映画は、もはや作られないのかなと思うと、映画の退化のようにも思えてしまう。

上映時間は、3時間47分。途中で、インターミッション(休憩)が入る! 上映時間が長い映画では、昔はインターミッションが入ることがあった。そうした映画には、よりいっそう大作の風格、スケールが感じられる。
もしかして、女優が出てこない映画なのだが、私がそういう類の映画が好きなのは、まったく異例。ほとんど唯一の映画?(…他を思い出さないだけかも。)

映画好きなら、この超名作を映画館で観てくるという経験をしてみても。
砂漠のなかにポツンと人間が
(12月28日)

LAWRENCE OF ARABIA
1962年(完全版は1988年)イギリス作品
監督 デビッド・リーン
出演 ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、アンソニー・クエイル、アーサー・ケネディ、アレック・ギネス、クロード・レインズ

参考:アラビアのロレンス/完全版@映画生活
「アラビアのロレンス 完全版」の映画詳細、映画館情報はこちら

評価☆☆☆☆★(4.5点。満点は5点)

● COMMENT ●

へぇ~

インターミッションありの映画なんて
観た事ないかもです。
でも昔の映画を見ていると2枚組みだったり
間になんか入ったりってありますもんね~。

>miyuさん

そうなんですよ、Intermission と画面に出て、休憩になるのです。
「十戒」や「ベン・ハー」もそうだったかも。

いまは、たまに長い映画があっても(「ロード・オブ・ザ・リング」とか)、休憩は入らないですよね。

こんばんは。

デジタル・ニュー・ヴァージョンの劇場鑑賞ですか。それが如何に素晴らしかったということが、ボーさんの言葉の隅々から伝わってきました。
この映画は私も4~5回観ていると思いますが、ボーさんのように正確な回数は覚えていません。何時もボーさんが○回目の鑑賞と、はっきり言われるのに驚嘆しています。
「オーバーチュア」とインターミッションのある大作は本当に見応えがありますね。特にこの映画は、大画面の利点をフルに活用した作品ですので、ボーさんが仰るように、機会があればまた劇場で観たいものです。

>アスカパパさん

こんばんは!
以前「大脱走」をリバイバルしたときも観に行きましたし、過去の名作を映画館で、というときは、観たい場合が多いです。

見た映画は、タイトルと年、月をノートに書いてあります。(「日」までは書いていません。)
「アラビアのロレンス 09-1」などと。
同じ映画を見たときは、同じ行に「年・月」を付け加えるわけです。

大スクリーンで観ると、いっそう映える大作ですね。

TB&コメント有難うございました。

最近は映画の中で美しい景色を観ても実写なのかCGなのか紛らわしくて本当に嫌ですね。
CGはどんなに美しくても絵だからつまらんです。書割りなら誰がどう見ても絵だから良いですけどね。

完全な名作なのに音楽がダメだったのは「ローマの休日」ですね。MMでなくてすみません(笑)。

オーヴァーチュアやインターミッション・・・懐かしいですね。若い人は解らんでしょうねえ。
僕は「ベン・ハー」のリバイバルが最初の経験だったかな。

>オカピーさん

こんばんは!
美しい景色などでもCGかもしれないという気持ち…それは同感です! 便利さの弊害といいますか。

「ローマの休日」、たしかに。(笑)
音楽が思い浮かばなくても名作なのも、ありますよ~。

上映時間が長い映画は、編集で短くされることが多いので、休憩が入る映画も滅多にないですが。
今回はインターミッションでトイレに行けて良かったです。(爆)

シネラマです。

私は、リバイバルでしたが、1973年頃に、大阪はOS劇場のシネラマで観ました。

この映画と「2001」が、シネラマ方式では最高の効果でした。

あの、オマー・シャリフが地平線の彼方から陽炎に揺られながら現れる有名なシーンでは、本当に砂漠で喉が渇くような実感に襲われたものです。

>lalakiさん

1970年代だと完全版ではないですね。あまり変わらないかと思いますが。
左右に広い画面は、砂漠の広さを実感もさせてくれます。
今回も感じましたが、オマー・シャリフは良かったですね。
(リーン監督の「ドクトル・ジバゴ」では主演ですし。)

お邪魔いたします

レビューを興味深く拝見致しました。

“こうした、スペクタクル映画は、もはや作られないのかなと思うと、映画の退化のようにも思えてしまう。”

そうですよね。コンピューター上で擬似スペクタルが出来てしまうこの世の中は、映画的に貧しくなってしまったのでしょうね。

ボクも今作のレビューを書いておりますので、何卒、トラックバックをさせて下さいませ。

>マーク・レスターさん

いらっしゃいませ。ありがとうございます。
昔ながらの、手作りのような感じの映画づくりについての熱気は、減退しているような気がしますね。
ただ、低予算でCGが使えない場合は別かも。(笑)

ポータブルDVDでの観賞で、感想を少しずつ書いていく、というのは面白いアプローチだなと思いました。
どうぞ、また、遠慮なく我が家に足をお運びください。


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