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2019-09

「マリリンとアインシュタイン」 - 2009.02.01 Sun

きょう2月1日は、マリリン・モンローさんが日本にやってきた来日記念日(1954年)
というわけではないが、偶然、映画感想はマリリンに関係する作品だ。



ポスター
ポスター。EはMCの2乗というのは、質量とエネルギーに関する、アインシュタインの有名な方程式。

1954年3月のニューヨーク。映画の撮影が路上で行なわれている。通風孔の上で白い衣装のスカートをひるがえす女優。
撮影後、彼女は著名な学者の部屋へ行き、彼に対して自分が考える特殊相対性理論を披露する。
野球選手だった女優の夫は、妻の後を追って、学者の部屋に押しかける。
上院議員は、自分に協力をしない学者の書類を押収するために彼の部屋へ。
それぞれの人物を、マリリン、科学者アルバート・アインシュタイン、マリリンの夫だったジョー・ディマジオ、共産主義排斥運動である赤狩りを進めたジョセフ・マッカーシーをイメージ。

マリリンとアインシュタインの関係については、パーティーに同席して、マリリンが「私の美貌とあなたの頭脳をもった子どもができたら、どんなに素晴らしいでしょう」と言い、アインシュタインが「私の顔と、あなたの知能をもつ子どもが生まれるかもしれません」と返したという話が有名。
また、関係というほどではないが、我が家の記事に2人のトリック写真アートがある。

監督のニコラス・ローグは、10代で映画界入りして、雑用から、編集、撮影の仕事に。「アラビアのロレンス」の第二班撮影監督も担当した。「地球に落ちて来た男」(1976年)は、デヴィッド・ボウイを主演にした異色作として有名。
本作も、現実に存在した4人を出会わせたら?というユニークな話を作り上げている。
原題は、無意味、ささいなこと、といった意味で、この映画に深い意味はない、と自ら宣言しているかのようでもある。

が、意味がないことはない。さまざまな真実「らしき」ものが、見えている。
女優が教授を守ろうとして議員と談判する場面は、赤狩りのマッカーシズムに狙われたアーサー・ミラーを妻の立場から支えたマリリンを思わせるし、流産をした彼女のイメージも強烈。
「お熱いのがお好き」(1959年)でマリリンと共演して、なかなか撮影に出てこなかったりする彼女に、いい印象を持っていなかったらしいトニー・カーティスが、女優にひどいことをする議員役というのも皮肉が利いている。もっとも、そういう意味でカーティスは出演したわけではないと思うが。
女優の、幼少時の孤児院のような場所での描写や、駆け出し女優たちが仕事を得るためにプロデューサーらに性を提供する意志を見せるショットなどは、はっきりとマリリンの過去を思わせもする。
野球選手の、話をすれば野球カードのことだったり、女優に対する愛の無骨なところは、なんとなくディマジオっぽい。
学者がプロフェッサー(学者)の頭文字「P」の文字がついたシャツを着ていたりするのはギャグだろう。

学者と女優
DVDパッケージ。日本未発売だと思う。VHSは入手可能かも。

血の赤(赤はローグ監督のこだわりでもあるようだ)、いきなり出てくる日本女性や建物の炎上(日本=原爆のイメージであり、学者は戦火について自責の念がある)、デイヴィッド・ホックニー作による女優のキュビズム的な切り貼りヌード(キュビズムは、いろいろな角度から見たものが1枚の絵に合わさるとでもいうもの。ピカソは先駆者で、彼のものらしき母と子の絵〔これはキュビズムではない〕も学者の部屋に飾られている)など、おもしろいイメージが、ちりばめられている。
最後には核爆発。そこで、ひとり燃え尽きて消滅するのは、男に搾取されつくした女優。

女優に扮するテレサ・ラッセルは、話し方、金髪、「七年目の浮気」(1955年)で有名な白のホルダーネックドレス、左ほほのホクロなどを真似ると、ちょっとした拍子に見せる顔つきがまるでマリリンに似ていないということもないので、「なんちゃってマリリン風」(笑)になる。

イメージ横溢の怪作ともいえるし、マリリンファンにとっては、これもまた愛すべき映画として記憶されるべき1本だ。
1985年カンヌ映画祭フランス映画高等技術委員会グランプリ受賞。

(1月18日)

INSIGNIFICANCE
1985年 イギリス作品
監督 ニコラス・ローグ
出演 テレサ・ラッセル、マイケル・エミル、ゲイリー・ビジー、トニー・カーティス

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)

● COMMENT ●

マリリン来日記念日に、偶然にもこの映画ですか!それも嬉しいですね。

マリリン関連という事で昔見ました。ローグ監督が自身の奥様であるテレサ・ラッセルさんをマリリンとして出演させたので、当時は「単なる女房自慢映画」みたいに書かれていたように記憶しています。
作品としてはなかなか面白いですよね。イメージ重視な部分も哲学的ですし?日本のイメージシーンは分かりやすすぎて、これは内容とは別に面白いシーンだと思います。


テレサ・ラッセルさん、さほどマリリンに似ていないとは思いますが、このスタイルにするだけで本当にマリリンっぽくなっちゃいますよね。このドレスで金髪+ホクロならマリリンという記号のような、強烈な印象があるんでしょうね。ここまでやるなら髪型をもう少しクルクルっとさせてもらあたかったなぁ。

>たけしさん

ありがとうございます。
来日記念日という宣伝活動も兼ねて。
ビデオテープでしか見られないので見ている方は少ないだろうことは残念です。
(私はビデオをゲットしました!)
あ、当時から、すでに監督の奥さんだったのですか。
何だか分かりにくいところも多いので、一般受けはしないかもしれません。

そのとおり、あのスタイルはマリリン、と記号化されてますよね。しゃべり方も、いかにマリリンが独特なのか、この映画で逆によく分かります。
髪型、確かに、ベッドのシーンでしたか、ぼさぼさ気味になったときに、よりマリリン風だと思えましたね。

確かに、「七年目の浮気」のマリリンは記号化されているからこそ、キャラクターグッズにマリリンバージョンが氾濫しちゃってるんでしょうね。
この映画、未見なんですが、
テレサ・ラッセルさんって、わりと頬骨が張ってて、ドイツ人っぽく見える女優さんですよね。それでもあの格好をするとマリリンに似て見えちゃうんだなぁ。

>kiyotayokiさん

あの衣装のマリリンは、有名すぎますよね。
もっと普通の彼女の写真を知ってほしいのですけどねえ。
テレサ・ラッセルさんの他の映画は覚えていないのですが、そんなに似ていないのだろうなあと推察いたします…。

おおー、両方知らない画像で新鮮!
やっぱり日本版は出ていないんですねえ、残念。
マリリン系の映画の中では、お気に入りなのですが。
といいながら、随分観ていないので、ボーさんのを読んだら観たくなりました。
古いテレビ録画な我が家です。

>まおさん

新鮮に思われて良かった~!
これで興味をもってくれる方が増えるといいな、誰かDVDを出してくれるといいなと(関係者が見てるなんてことないかな?)思います。

テレビ録画でも、見られるだけで貴重ですね!


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  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

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