「ダウト ~あるカトリック学校で~」 - 2009.03.27 Fri
まあ、こんなもの? 期待以上のものではなかった。

校長のシスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)とフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
(c) 2008 Miramax Film Corp All Rights Reserved
最近、映画感想では、まず初めに自分が感じた結論のようなものを書くようにしているが、そこで映画をほめていないと、好きじゃないんだと思われがちで困るときもある。これも、そう思ったでしょ?
本作の場合は、好きでも嫌いでもないが、映画としては、ちゃんとしている(偉そうで申し訳ない!)ので普通。つまり星3つとした。ドラマ作りが普通すぎて面白くない面もある。(と書くと、また好きじゃないんだ、と思われそう。)
2005年のトニー賞、ピューリッツァ賞受賞の舞台劇の映画化。舞台は1964年のあるカトリック学校。
メリル・ストリープの校長先生、フィリップ・シーモア・ホフマンの神父。そこにエイミー・アダムスの若いシスター、ヴィオラ・デイヴィスの生徒の母親が絡む。
この4人が、すべてアカデミー賞候補にあがっていた(受賞は、なし)わけだから、その演技合戦は見ごたえはある。
メリルの場合はアカデミー賞候補になるのは、なんと15回目(ひろちゃんさん、ご教授ありがとうございます)。半分、候補者数の穴埋めのような気もしてくる。そろそろ再受賞させてあげないと。歌唱力を見せつけた「マンマ・ミーア!」で候補になって受賞したら、新境地(?)が認められたっぽくて、いいのに。
「魔法にかけられて」で、いいなあと思ったエイミー・アダムスが若いシスターを演じていたこと、観終わっても気づいていなかった!
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シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)。 この写真を見ても「魔法にかけられて」は 連想しないと思う。 (c) 2008 Miramax Film Corp All Rights Reserved |
オープニングクレジットで彼女の名前が出たのは分かっていたのに、あのシスターが彼女とは気づかなかったのである。「魔法にかけられて」のお姫様とはまったく雰囲気が違うせいか。今回は、尼僧姿しか出てこないし。
私は誰かが変装していたら、ぜんぜん気がつかない人間なのかもしれない。
生徒の母親役のヴィオラ・デイヴィスが、短い出番のなかで印象を残す。校長がとろうとしている行動では、自分たちはうまくやっていけないのだ、という厳しい現実が、メリル・ストリープとの会話のなかで次第に明らかにされていくところは出色。
疑惑(ダウト)だけで、神父を追い詰めていく校長。神父の言葉を信じようとする若いシスター。
私は、完全に校長の側に立って観ていた。校長の立場として、生徒を守るためには何でもする。神父と戦う。もしも、神父の罪に確証がなくても。私自身、神父はクロに思えたこともあって、校長を応援していたのだろう。
彼女が疑惑のみで策をろうして神父に対抗したことに苦しむのを見たとき、なぜ苦しむのか、宗教と関連すると、そういうことになってくるのかなあ、と少し不思議にも感じた。私は無宗教なので。
でも、後には、校長の行動に賛同して観ていた私自身が必ずしも正しかったかどうか、と疑問ももったのだった。
もしも裁判員制度で裁判員になったときに、この事件があったなら、無罪かな?
(3月22日 TOHOシネマズ シャンテ)
DOUBT
2008年 アメリカ作品
監督 ジョン・パトリック・シャンリー
出演 メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィス
評価☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
>とーふさん
まったく違う役です。最初は厳格で怖い雰囲気が、だんだん人間味も見せていきます。
ぜひ、レンタルでもいいので、見てみてくださいね!
こんばんは!
この作品の評価はみなさん、高いですよね~。
キャストの演技は見ものでした。
でも、予告で想像しうる全てでしたので、なんだか
物足りなさが残ったんですよね(^^;
意外性というところで、ミラー婦人のセリフにはちょっと突かれるものがありましたけどね。
このテーマのみで1時間45分はやはり舞台でいいのではと思っちゃいました

>kiraさん
同じ感想です。想像以上のものではなかったと感じました。
私も、いちばん引かれたのは、やはり母親のミラー夫人。
舞台では容易に観られない人でも、映画になったら見られる、という利点はありそうですね。
お邪魔しま~す♪
あっ!ボーさんもシャンテ
でご鑑賞でしたか^^
日にちは違いますが、私も
シャンテでしたあ\(~o~)/
ボーさんは、期待以上のものではなかったようですね(^_^;)
私はメリルが大好きなこともあって、評価は甘めなのかも?
ホフマンとのバトルにドキドキもんでした(笑)
ボーさんは校長の立場ととのとですが、私はシスタージェームズの
立場でおろおろして観てました(笑)
作品としてより演技合戦として面白い作品ですよね^^
ちなみに、
メリルのノミネートは15回目で~す(^_-)-☆
>ひろちゃんさん
開映5分前にシャンテへすべりこみましたが、客席はガラガラでした。
ポイントカードが使えるようになったので、ここは行くことが多くなるかも。
若いシスターの立場で観てました? いろんな見方がありますよね。
演技対決は面白かったです。
ノミネート15回目、書いておきます。ありがとうございまーす!
亀コメ...許してください...(汗)
ただ、母親のミラー夫人の登場で、少し変わりましたね。 脚本は上手い~!と思いました。あ、俳優も上手かったですが。
>あんさん
い、息苦しいですとっ! …誉め言葉としておきましょう。(笑)
「マンマ・ミーア!」のドナみたいにドナドナと対処すればいいのに。(まったくの冗談です。)
うまいのは認めますけどね。それほどは…。
No title
記事は読まんとこ~でも気になる~・・・と目が泳いでしまいました(@@)
観たらまた来ます☆
「ダウト」は私も母親と校長の歩きながらの会話で俄然面白くなりましたね♪
ところで校長のメリルの顔が、いつもと違ってメッチャ白くて(&無表情で)
死んだような冷たい瞳が恐ろしかったんですけど
あの肌の質感、「エリザベス」のケイト・ブランシェットを連想しました・・・
>わさぴょんさん
アカデミー取ったから、込むでしょうねー。気合い入れてチケットとってくださいねー。
あ、そういえば白かったでしたっけ。うーん、あんまり恐ろしくは感じませんでした。不感症かも。(そういうことじゃないですね?)
メリル演じる校長の強行的なやり方はやりすぎ
ツタヤで借りてきて見てみましたが やはり古い宗教体質のカトリック系の学校は規律や指導が厳しいのはわかりますが それだけだと生徒も教師もギスギスして人間と人間との関係は悪くなりますね。
シスターの先生同士はもちろん 生徒と教師 そして生徒同士でも。
メリル演じた校長 疑惑だけで 神父を排除するやり方 今の時代でやったら大問題になりますよ。
当時でさえ そのやり方はどうなんだ、と言われてもおかしくないし。
おそらく 女性校長もこんな神の慈愛の精神から遠ざかる卑劣なやり方は いつまでも通じるわけがありませんので 近いうち 辞任になったかもしれません。
そうでなくても 下手したら生徒の親である保護者から苦情は今後 出てきますよ。
>zebraさん
11年前なので、さすがに記憶がほぼない(1年前でも同じじゃないかという噂も)ですが。
社会の情勢は変わりますからねえ。トランプや某国首相Aがどうなるかも分かりませんし。みんなで仲良くできないものですかねえ。
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しっかりしたかんじの宗教のお話、よさそうですね。気になってた映画なんです、見てみたくなりました。
レンタルを待ってみようと思います。