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2019-12

「マリリン・モンローという女」 藤本ひとみ - 2009.08.01 Sat

この物語で最も特徴的なのは、ノーマ・ジーンの心の中に人格をいくつか作ったこと。



表紙カバーを見ると、ジョイス・キャロル・オーツの書いた「ブロンド」を思い出す。
この写真は、よく使われますね。マリリンの、ゴージャスなスターとしての雰囲気があるからだろう。
カバー
ノーマ・ジーンという名前はマリリンの本名で、彼女がマリリンとして活躍しはじめても、文中では終始ノーマ・ジーンのまま。
作者はノーマ・ジーンという女性を基本に書いている。

母親と一緒に暮らせなくなったり、さまざまな抑圧を子ども時代に受けてきたノーマ・ジーンは、やがて、自分のしたいように振る舞おうとする別人格を生み出す。
ノーマ・ジーンは、それにグリーディ(欲望)と名づける。

さらにマリリン・モンローという女優になると、マリリンの人格まで生まれる。
仕事を取るために、プロデューサーなどの実力者に、自分の体を提供しなければならないとなれば、そのための人格も必要になったのだろう。

ノーマ・ジーンを多重人格にしているのは、単純だが、おもしろいアプローチ方法だと思う。
実際の彼女も、多少は、そんなふうだった可能性は、なきにしもあらず、精神分析の方面から見れば、かなり複雑な人だったかもしれないから。

女優というのは演技をするもの。とくにマリリンは世の男たちの、あこがれの女神として虚像を演じていった。
彼女の場合は、普通の女優の場合よりも、虚像と実像のギャップが大きすぎた。しかも、もともと強い精神状態ではなかった可能性もある。そこに悲劇があった。

彼女の伝記としては、いい入門編だと思う。おすすめします。
彼女について、嘘か本当かは別として、さまざまに言われ、書かれてきたことを、きちんと調べて、わかりやすく、読みやすく、かなり、いろいろと書いている。

彼女の周囲の男たちが、ほとんど、いいようには書かれていないのが、かえって痛快でもある。
最初の夫ジム・ドハティや、ジョー・ディマジオは、結婚したら妻は家にいろ、みたいな古い融通のきかないタイプだし、ミルトン・グリーン、アーサー・ミラーなどは結局、彼女から搾取したり彼女を利用するかのような人間にも読める。
ただし、ディマジオは離婚後、ふたたび結婚の約束をするあたりでは、いい人になっている。
唯一、クラーク・ゲイブルは最高に、かっこいい!

去年、文芸誌の「野生時代」で連載していたなんて、ちっとも知らなかった…。

この小説のなかで、ノーマ・ジーンが「ノージ」と呼ばれているんだけど、実際そうだったのかな?

(7月23日読了)

● COMMENT ●

装丁に使われた写真は、「マリリン・モンローという女」というタイトルや内容からイメージして編集者やレイアウターが選んだものなんでしょうか。
しかも、この写真がよく使われるということは、マリリンがいかにこのイメージの仮面を上手にかぶり、演じていたかかがうかがえますね。

>kiyotayokiさん

誰が選んだかは分かりませんが、女優マリリンらしい華やかさがドーンと出る写真で、書店に並んだときも目も引く、ということでもありましょうか。

ほんとに「演じている」ように思えます。

人格の分裂がある話(単純ですけど)なので、心理学方面から多少興味がわきませんか?
ぜひ、お読みくださいな。

この本、買ったまま引越作業に突入してしまい、いまだに読んでおりません。

ノーマ・ジーンが多重人格者という設定は、映画『ノーマ・ジーンとマリリン』を連想しますが、この本ではさらに別の人格も持ち合わせていた事になっているんですね。
そして、ノーマ・ジーンの周りの男性を悪者扱いというのも、ノーマ・ジーンの視点で考えればアリな設定ですね。大作家も政治家も大リーガーも、ノーマ・ジーンの目からはただのズルい人間にしか見えなかったのかもしれません。そんな中で、心の父親クラーク・ゲーブルは相当紳士な男性だったんですね。それも分かるような気がします。

なかなかしっかりした内容の本なんですね。いろいろ落ち着いたら、読んでみなくては!

>たけしさん

私は図書館で借りましたよ。

「ノーマ・ジーンとマリリン」では、2人の人格ですが、この本では、もうちょっと多いです。(笑)

ゲーブルは彼女との付き合いは映画撮影中だけだったので、もしも長い付き合いになったら、どうなったか分かりませんよね。
私が彼女のそばにいれば、ゲーブル以上に支えてあげたのになー!(願望? 理想?)

彼女の一生に、どんな出来事があったのか、分かりやすく読みやすく書かれているのが、おすすめポイントですね。
日本でのことも、しっかりと入っていますよ。

小説という形で日本の女性作家が書いたのは初めてかも?!
へええ、多重人格という面でも面白そうです。
「マリリン・モンローという人格の女」のイメージとして、この写真は象徴的なのかもしれませんね。
しかし、「ノージ」は初耳!

>まおさん

曽野綾子さんの「砂糖菓子が壊れるとき」など、マリリンがモデルになっているのはありますが、彼女そのものの伝記っぽいのは他にないのかも? 知らないだけかもしれませんが。

マリリン・モンローという人格の女、うまい言い方です!

「ノージ」、なにかの資料にあるのか、少なくとも、ノージと使う例があるから、作者も使っていると思うのですが。
私もペットのノーマ・ジーンに使おうかな!


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