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2019-11

「渚にて」 - 2009.08.02 Sun

中学生の頃にテレビで見て以来の観賞。こんなに見事な、静かな反戦映画だったのか。

DVDパッケージ
核戦争で世界のほとんどは滅亡、残されたオーストラリアに放射能が届くのも、あと5か月と予想されている1964年1月。
その人類最後の地にやってきたアメリカの原子力潜水艦は、やがて北半球の汚染状態の調査に出発することに。

アンソニー・パーキンスとドナ・アンダーソンの若夫婦、潜水艦艦長のグレゴリー・ペックとエバ・ガードナー、2組のカップルを中心に、核の恐怖と絶望のなかで生きる人々を描く。

フレッド・アステアが核開発に関わった学者の役で、歌わず踊らず。演技で、しっかり見せてくれる。
アンソニー・パーキンスは、「サイコ」の前年だから、まだ強烈なイメージもついていなかったはず。
「ショウ・ボート」(1951年)、「モガンボ」(1953年)、「裸足の伯爵夫人」(1954年)などのエバ・ガードナーの切ない演技は素晴らしかった。
監督は「ニュールンベルグ裁判」(1961年)、「招かれざる客」(1967年)などの、社会派ともいえるスタンリー・クレイマー。

無人のサンフランシスコ。その風景を見る潜水艦の乗組員たちの表情。
誰もいないはずなのにモールス信号が発信されているという謎のエピソードも、とても、うまい。
ガードナーとペックの2度のキスシーンは、悲しく、美しかった。

驚いたのは、撮影がジュゼッペ・ロトゥンノだったこと。「山猫」(1963年)、「サテリコン」(1969年)、「ひまわり」(1970年)など、ヴィスコンティやフェリーニ、デ・シーカなどの映画で撮影監督を務めることになる人だ。先にアメリカ映画でも活躍していたんだね。

全編を彩る音楽はアーネスト・ゴールドによるが、オーストラリア第2の国歌ともいわれる「ワルツィング・マチルダ」を効果的に使っている。
ゴールドは、ゴールデングローブ賞を受賞した。

武力で平和を守ろうというのは思い上がりだと、アステアふんする学者は言う。誰かが核のボタンを押せば、おしまい。
苦しまずに死ねる薬を、政府からもらうために並ぶ人々。
ラストシーン、「兄弟よ、まだ時間はある」と書かれた横断幕。
時間はあった。この映画から50年が経った。しかし、事態は改善されただろうか?

(8月1日)

ON THE BEACH
1959年 アメリカ作品
監督 スタンリー・クレイマー
出演 グレゴリー・ペック、エバ・ガードナー、アンソニー・パーキンス、ドナ・アンダーソン、フレッド・アステア、ローラ・ブルックス

参考:渚にて@映画生活

評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

こんにちは

私も昔見ました。だけど覚えているのはアンソニー・パーキンスが薬を取りに来て、グレゴリー・ペックに別れを告げる所かな(そんなシーンありますか)。それから他の国を偵察に行って、人の姿が見えなくて「みんなベッドで死んでいるんだろう」と言う所(こっちも不確か)。なんだかそんな印象深くて、自分だったらやっぱり家族で体寄せ合って最後を迎えたいだろうかとか、それとも最後の瞬間まで生きていようとか、いろいろ考えさせられた映画でした。

TBとコメントありがとうございました。

私も久し振りに懐かしく観ました。が、当時感じた違和感のようなものは、今回も生じました。でも、理屈ばかり並べないで、感覚的に観賞すれば優れた映画なのかもしれない。と今思いました。スタンリー・クレイマー監督は、わざとそういう演出効果を狙っていたのかもしれないと。
あの主題音楽は、オーストラリア第2の国歌ですか。新知識が増えました。ありがとうございます。なるほど、最後まで生き残るオーストラリアです。納得できるものがありそうです。
フレッド・アステアは、ほんとうによかったですね。

>kiriyさん

こんばんは。記事がないのに記憶を頼りのコメント、ありがとうございます。
パーキンスが薬を取りにくるのと、ペックとの別れは別シーンだったような。
みんなベッドで、というのはありましたね。

苦しんで死ぬより薬を、ということなんですが、私も考えちゃいますね。最後まで望みを捨てないほうがいいんじゃないかとか。
楽しい映画ではありませんが、意義もあるし、映画としても、いい作品だと思います。

>アスカパパさん

私は、もう感覚第一ですから、映画の印象も少し違うかもしれないですね。
(それでも、変なところで、おかしいじゃないか、なんて引っかかることもありますが。)

中学生のときに見たときは、内容よりも、ワルツィング・マチルダのメロディが一番印象に残りました。
この曲、国歌じゃないですけど、国歌と同じくらい、みんなにおなじみだ、ということでしょうね。

ブレゴリーペックのため息・・・

が印象に残ってます。

私もはるか昔に観ましたので、ほとんど忘れていますが、確か、オープンデッキのスポーツカーで、天を仰いでから、うなだれながら悲しみの深いため息をついたのではないでしょうか。

比較的ホワイト・ラディッシュ系の役者(失礼!)という認識でおりますが、あのシーンはペック最高の演技と思ってます。

去年買いました

ヤフオクで。新品が1000という値段だったので。でもまだ観てません(笑) 今年も「イージー・ライダー」の新品を1000で(正規品)。この「からくり」がわからないんだよね。わざわざ損してまで売る理屈が......
この「渚にて」という邦題が素晴らしい。まるで恋愛映画みたいな。でもリアルな怖さを感じます。夏になると、潜水艦の映画がオンエアされますね。

訂正

書き込んだはずの「」(円マーク)が消えています。
1000→1000です。
よしなに。

>lalakiさん

なんと!
スポーツカーで、ため息という場面は、覚えてないですよ!
ペック氏、車に乗ってたっけ…?
ま、いいです。
アステアは、車好きで、カーレースに出るんですよ。

ペックって不思議な俳優で、大根みたいだけど、スターとして売れっ子なんですよね。存在自体が安定感があってグッドなんじゃないでしょうか。

>又左衛門さん

「円」のマーク、なぜか出ないですね。

新品ですか。どこかで卸値以下で回ってるところから来たのでしょうかねえ。

中学生で、テレビで大幅カットされたものしか見ていなかったので、初見と同じようなものでした。いい映画で、大満足でした。

ああっ!

では、あの私がうろ覚えのシーンはアステアですね!
どおりで演技が深いと思った!?

では厚顔ですが、アステアの、歌や踊りではない演技でのベスト・シーンに変更させていただきます・・・。失礼!
(ペックにしたら器用な演技だと思ったのですよね。。。仰るとおり、存在感勝負ですからね)

>lalakiさん

いや、どうなのか分かりませんよ。
もしかしたら、アンソニー・パーキンスかもしれませんし?

ぺっく氏は私は「大いなる西部」とか「アラバマ物語」とか「ローマの休日」とか、好きなのありますよ。あ、でも演技は特には…(以下、略)


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渚にて

 考えようによってはこんな怖ろしい映画は無い。

映画「渚にて」が語りかけるもの

 第3次世界大戦が起こり、大量の核兵器が使われて死の灰に覆われた北半球の人類は死滅する。やがて南半球にも死の灰は押し寄せて、残り5ヶ月となった豪州メルボルン市民の様々な姿・・・。核戦争による人類の破滅と恐怖をテーマにして英国人作家ネヴィル・シュートが

渚にて

いろんな「終末観」があると思いますが、「そのとき」になっても燃料の心配をするところがアメリカ作品らしいです。放射能の脅威から目を逸らす傾向が強いアメリカにおいては珍しい「反核」映画でしょう

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