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2019-10

「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫 - 2009.09.05 Sat

地元で起きたジャンボ機墜落事故を取材する新聞社内の人間模様を描く。

1985年8月12日、羽田発・伊丹行きの日本航空123便が墜落したというニュースが入る。現場は長野と群馬の県境らしい。
群馬の地方新聞社である北関東新聞では、遊軍記者・悠木が全権デスクに任命される。やがて、墜ちたのが群馬県多野郡上野村の御巣鷹の尾根と分かり、自分たちの県での事故として、悠木たちは興奮と緊張に包まれた…。

著者の横山秀夫は群馬県の上毛新聞社で12年間、記者生活を送った経験がある。
私がネット上で得た知識では、横山さんは当時1か月半にわたって事故現場を取材していたものの、作家になってから、このことを書くのは新聞記者の自慢話にしかならないと思えて断念していたという。
表紙
しかし、事故から17年後、考えが変わる。作家になった以上、あの事故のことを書かないのはおかしいと思うようになったそうだ。
現場での体験は封印して、大いなるものと対峙することを迫られた新聞社の男たちの群像ドラマにした。記憶でも記録でもないものを書きたかったからだ、と語っている。

社内の人間関係、派閥争いが驚くほど「濃い」。
どの記事を載せるのかが、社内のお偉方の意思にかかっていたりすると、苦労した部下が報われないよね。
個人と組織の対立、対峙。社会生活を送る限り、それは少なからず、どこにでもあるものだろうけれど、さすが小説だけあってドラマティック。
悠木は、お偉方や他局の局長クラスと何度も、やりあう。例を挙げると、広告担当は、記事のために広告をはずされては困るし、発送担当は、紙面作成が遅れるのは困るしと、部署が違えば立場も違ってくる。
新聞ひとつ作るのも大変だと、よくわかった。

事故取材と紙面作りのメインストーリーに、悠木の家庭問題、山登りの友人との関係、若手記者を死に向かわせた過去への後悔などを絡ませて、ふくらみを持った話にしている。
悠木という男が、どこまで頑張り通すのか、どこで折れるのか、そのとき、周囲の人間との関係はどうなるのか。
とても、おもしろかった。上々のエンターテインメント。
映画を見て、内容がどのように違っているか知りたくなってきた。

(8月28日読了)

● COMMENT ●

ドラマ版と映画版

原作は未読です。
数年前NHKドラマで観ていいなと思いました。主演は佐藤浩市。脇の人たちも熱演。新聞社内の駆け引き等がリアル。特に販売部との軋轢。トラックのキーを隠すとことか面白い。今年映画版をTVで観ました。こちらは堤真一でしたが、彼もなかなかいい。脇も堺雅人や遠藤憲一など演技は揃い。細部がドラマと映画で若干異なるようだが、大勢に影響なし。どちらも甲乙つけがたし。

>又左衛門さん

トラックのキーを隠すのは、原作でもやってました。
演技派俳優は、やるがいがあるストーリーでしょうね。
あ、映画版は、もうテレビ放送していたのですか。今度やるときは注意して捕まえてみます。

タイトル

この前は、映画のほうにコメントありがとうございました。
映画も個人と組織の対立がとても詳細に描かれてましたよ。
社内の喧騒は見事なのでぜひ観て下さい。
ただ、余分なシーンもあるようですが・・・

それと、映画のクライマックスは、
クライマーズハイの最中に「チェック・ダブルチェック」の
信条を思い出すところなんですが、本でも同じでしょうか。
だってタイトルですもんね~

>YANさん

コメ、ありがとうございます。
映画も、なかなか良さそうですね。ぜひ見たいと思います。

チェック、ダブルチェックというのは、原作で読んだ覚えがないんですけど。
びっくり!ですか?
確実な証拠を取らないと(裏を取らないと)新聞には載せられない、という感じはありましたよ。

原田真人監督

この映画版の監督は、映画評論家でもある、原田真人氏。私は彼の本持ってます。この映画の中で「連合赤軍」に言及する場面があるのですが、原作にもありますか?
原田監督は以前「あさま山荘事件」を題材とした映画も撮っているので。最近は「魍魎の匣」も監督したとか。

>又左衛門さん

あります。連赤と大久保清事件の2つでしたか、これを経験している先輩記者が、いばってる、それで、ずうっと飯を食ってる、というわけです。
経験したといっても、自分が何かしたわけではないのに。

それを過去のものにする大事件が、日航機墜落、ということでした。

No title

原作は読んでいないのですが 映画は観ました。
なかなか見ごたえがあったように思います。

>Nanakonaさん

いらっしゃ…あれ? 映画の記事を書いたのに、なぜ、こっちに??
見ごたえはありましたね~。


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クライマーズ・ハイ 横山秀夫

1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。 地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。 一方、共に登る予定だった同僚は...

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