「ATOM」 - 2009.10.17 Sat

(c) 2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (c) Tezuka Productions Co., Ltd.
映画が始まって、彼女の名前が出たときには、あっ!と思った。
ほとんどの映画館で吹替版の上映だったようなので(全体の9割という話も)、まあいいか、と吹替版を観に行ったのだ。
シャーリーズが出ているなんて知らなかったよ。字幕版を見ればよかった…。
と思ったが、エンドロールに、ナレーションを担当したと書いてあったので、そうすると映画の始めのほうで少ししか出ていないかも、じゃあ、いいや。
ということに。(WOWOWでやったら、改めて字幕版で見よう。)
ついでに、エンドロールで気がついたのは、中国の人の名前がスタッフに多いこと。
香港のスタジオに遊びにきてね!とラストに出たし、これはハリウッド製というか、香港製なのでは?と思った。
あとで調べたら、アニメ製作スタジオが、実際、香港にあるらしい。
この作品、原作者の手塚治虫さんの言いたかったことを、きちんと取り入れたと、どこかで聞いたのだが、それは「人間の傲慢(ごうまん)さ」だったろうか。(うろ覚えなので、信用しないように。)
ATOMは、日本製のアトムとは少し見かけが違う。日本の漫画のままのアトムだと、外国では、ほんの子供にしか見えないという。まして、まつげがあると、女の子みたいにも思われるらしい。
そのATOMが、どのように生まれたのかが本作では分かる。
私はテレビアニメは見たことがあるが、アトム誕生についての話は知らなかった。そういうことだったんですね…。
ATOMの声は、上戸彩さん。いいと思う。じょうずに、こなしている。
字幕版では男の子のフレディ・ハイモアが担当しているが、日本のアニメでは、もともと女性が声をあてていたわけだし、違和感はない。

(c) 2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (c) Tezuka Productions Co., Ltd.
手塚治虫さんに、そっくりの姿のキャラクターが出てきたときは、にんまりしてしまった。もしかして、声は長男の手塚眞さんかも?(声優のキャストに名前があったし。)
お茶の水博士のデカ鼻も、なつかしかったなー。
関係ないけど、ATOMとその友達を使った「映画館ではケータイを切ろう」CMが面白かった。
友達たちがATOMに向かって、ATOMの声って、犬が出てくるCMの声に似てるよなあ、と疑問を。そんなことないよ、と否定するATOMだが、ちょっとやってみてよ、と言われて、まねを始めると、ソフトバンクのCMになっていくのだ。ATOMの声が上戸彩さんであることを、うまく利用した。
これ、映画館でしか上映しないのだから、もったいないなー。
あ、映画の内容? うん、まあまあ。(それで終わりかよ!?)
字幕版声優キャストの有名どころを書いておくと、フレディ・ハイモア、ニコラス・ケイジ、ドナルド・サザーランド、サミュエル・L・ジャクソン、ビル・ナイ、ネイサン・レイン、そして、わがシャーリーズ・セロンお嬢さま!
そういえば、ハリウッド版アトムにニコラス・ケイジが出るという噂は以前からあって、ケイジがアトムかよ!?と、キワモノ映画を恐れていたのだが、アニメになったんだね。。。よかった。(大笑)
(10月12日 ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋)
ASTRO BOY
2009年 アメリカ・香港作品
監督 デヴィッド・バワーズ
声の出演 上戸彩、役所広司、林原めぐみ、内海賢二、土師孝也、西村朋紘、阿部敦、かないみか、三木眞一郎、富田耕生
参考:ATOM@映画生活

評価☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
上戸彩ちゃん
No title
私なんかは、宝塚の同郷で、しかも私の親父は手塚師匠と大学の同級生ですので、より肉親に近い?と思ってます。
で、その私らにこの映画など見せた日には、かつての学生運動の血が騒ぎ出すやもしれません。
なによりかにより、手塚師匠の主人公は、基本的に「アンドロギュノス」であります。つまり、両性具有。アトムもサファイア(リボンの騎士)もどろろも皆そうなのです。
これが理解できない日にゃ、あなた、日本のアニメ文化及びオタクの文化はすべて理解できませんぞ。
かのオスカル様はじめ、日本の少女マンガ一般も、女性の姿をした男同士が愛し合う(または女性に見える男の姿をしていることになっている女性と、女性のような男性!?!)という、誠に込み入ったアンドロギュノスが闊歩しているではありませんか。
これすべて、宝塚歌劇というアンドロギュノス演劇を生んだ、宝塚という地に生まれ育った手塚治虫師の中で育まれ、日本中に拡散した大きな文化なのであります。
もちろん、歌舞伎依頼の伝統や、チビ玉を生み続ける大衆演劇なども同じルーツを持ちます。
マツゲが長くて可愛くては女の子に見えてしまう、という理解のなさでは、ハリウッドは日本のアニメ・オタク文化を取り込むことは不可能であると断言いたしましょう。
>小夏さん
ドラマなどで、主役をはるくらいですから、演技は、しっかりしてますよね。
外国なら、ハイモアくんでも違和感はないんでしょうけど。
かわいくないなんて言ったら、ATOM(あくまで英語のATOM)が、かわいそー!
じゅうぶん、かわいいじゃないですか。この、つるんとした人形みたいな、青年らしい…うう…
世界に受けるように変身したんですよ~。ということにしておきましょう。
>lalakiさん
このフレーズだけは、ときどき頭で流れますよ。
そうですか。どろろの場合は、ああいうことですから、両性を意味しているのは分かります。
たしかに、漫画では、女と男、どっちやら?というのはあります。
わたしたち日本人は、自覚しなくても、そういう感覚には、なじめているのかもしれませんね。
文化の違いは、意識しないと乗り越えられない部分というのはあるのでしょう。
まあ、でも機会があったらATOMも見てあげてくださいまし!
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ハイモア君のアトム吹き替え、前にメイキングか何かでチラッと見かけましたけど、いまいちイメージじゃなかったです。ハイモア君もチャリチョコ当時の声ならOKだったかもしれないけど、今回に限っては上戸彩ちゃんに軍配かな。
とりあえず『ATOM』は鑑賞スルー予定っす。
理由はただひとつ。アトムが可愛く・・ごほごほっ!
や、結局のところ、“まつげバッチバチ+女の子みたい”なジャパニーズアトムがやっぱり好きってことですかね。