「私の中のあなた」 - 2009.10.18 Sun

白血病の長女ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)と、彼女のドナーとなるべく生まれた次女のアナ(アビゲイル・ブレスリン)。
(c) MMIX New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.
予告編を見るたびに泣いていた映画。あまりに泣けそうなので、観るかどうか少し迷ったが。
観客席からも、すすり泣く音が、しばしば。
でも、こうやって泣くのって、いろんなものを洗い流すような浄化作用があって、すっきりするような気分も。
白血病に侵された娘をもった、ある一家の話。
ただの難病ものではなく、体のさまざまなものを病気の娘に提供するドナーを得るために、両親が新たに子どもを作るというのが、話として新しいところではないだろうか。
姉の命を守るために生まれてきた妹アナを、アビゲイル・ブレスリンが演じる。
「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年)で達者な演技を見せていたが、相変わらずというか、とっても素敵な子役に育ってますね。
この映画は家族すべてが主役といってもいいが、そのなかでも中心的な位置にいる、重要な役。
ドナーである彼女が、もう親のいいなりになって姉に自分を提供するのは嫌だ、と弁護士に相談をもちかけるのだ。
姉と仲が悪いわけではない。それどころか、その反対だ。それでも彼女は、これ以上の協力を断る。

デートから帰ってきたケイトを窓から見守る両親。サラ(キャメロン・ディアス)と、ブライアン(ジェイソン・パトリック)
(c) MMIX New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.
弁護士の仕事をやめてまで、長女ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のために生きようとする母親サラには、キャメロン・ディアス。
ケイトのためなら何でもする。その思いだけで一心不乱に頑張りつづけている。
彼女が最後に長女と過ごすときの感情の描き方は、よかった。ずっと張り詰めていた気持ちが、とうとう違った一面を見せるのだ。ここも大感動シーン。
闘病中の少女を熱演したソフィア・ヴァジリーヴァ。テレビを中心に活躍していた女優のようだが、彼女も、じつにいい演技。
病気で苦しむシーンが多いだけに、ほんのひととき、着飾った姿は美しかった。見ている私まで、彼女の家族といっしょに、喜んで、はしゃぎたくなった!
両親、長女、長男、次女、サラの妹。家族それぞれにいいけれど、周囲の人々もいい。
とくに判事役のジョーン・キューザックは素晴らしかった。判事らしい貫禄と、その奥から、にじみ出す慈愛を表現した深み。
次女の訴えを引き受ける弁護士役アレック・ボールドウィンも印象に残る。
命にかかわる病気になった家族がいたら。
肉親の思い。
お涙頂戴の甘っちょろいドラマを狙わなくても、ここまで泣かせてくれるんだ、という見本のような良作。
素直に泣ける感動作です。
これ書くのに思い出していたら、また泣けた。

デ・サルヴォ判事(ジョーン・キューザック)の前で、アレグザンダー弁護士(アレック・ボールドウィン)と対決するサラ。
(c) MMIX New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.
(10月12日 ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋)
MY SISTER'S KEEPER
2009年 アメリカ作品
監督 ニック・カサヴェテス
出演 アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ、キャメロン・ディアス、ジョーン・キューザック、ヘザー・ウォールクィスト
参考:私の中のあなた@映画生活

評価☆☆☆☆(4点。満点は5点)
● COMMENT ●
かぼちゃの季節
>オリーブリーさん
ハロウィンなんて、日本では昔は知られてなかったような…。いつ頃からでしょうね。1年は早いですね~。
そうそう、アナと、判事や弁護士との関わりもよかったですね。子どものアナを、あなどらずに、ちゃんと向き合ってくれる大人としても、すばらしいです。
ジョーン・キューザックは、以前の姿が記憶になくて…老けたんだか何だか、わかりません!(苦笑)
No title
涙が川のようでしたか・・・私も同じです。時々洪水のようにもなりましたよ・・・
ですが、哀しいだけの涙じゃーなくって、心に温かいものがあるんですよね。難病ものは泣かせる気満々なのが苦手なのですが、これは違いました。いい映画でしたね~
また泣いてしまうでしょうが、もう一度観に行きたいです。ザラついた心を洗ってもらうんだぁ~い♪
>由香さん
涙の洪水、堤防決壊でしたよねー。
お互いのことを思いやる気持ちが、みんなに、いっぱいあって、そこに暖かさを感じられるんでしょうね。
また観に行かれるのですか? 私は、さんざん泣かされたので、しばらくは、いいかな?
なんだか、みんなに助演賞をあげたいです。もしくは、アンサンブル演技賞でもいいかな~。
No title
予告編、よく出ていましたね。
いわゆる難病ものだと思っていました。
今読ませていただいて・・・・んー、難しいテーマなのだと
思いました。
なかなか映画館に出かけない私なので、DVDになってから見ます・・・って根性ナシ!
>こころさん
映画館でも、かなりの回数、この予告編を見ました。
これがまた出来がよくて、泣けるんですねえ。
DVDを家で見たほうが、周囲を気にせず、思いっきり泣けて、いいかも。
ハンカチじゃなくて、大判のタオルを用意したほうがいいですよ!
私も・・・
決してお涙頂戴でなかった、良い映画でしたね。
かなり前にアメリカで、白血病の子供の為にドナーになる子を産む決意をした母親の事が話題になって、その時自分だったらどうだろうとか思ったことがあるのですよ。最初、この物語はその時の家族の事を描いた物語かと勘違いをしてしまいました。でも、その時「自分だったらどうなの。」と、問うた答えが、この映画にはあったように思いました。
良いシーンがたくさんあって、私も感想を書きながら、やっぱり少し思い出し涙ぐんでしまいました・・・(涙)
>kiriyさん
実話が元になった物語と聞いた覚えもあったのですが、実際に、そんなニュースがあったのですね。
ドナーとして生まれる子のことを考えたら、私は反対すると思いますが、当事者になったら分かりません。頭では気が進まないところがありながら、迷うかもしれないですね。
感想を書きながら涙しました? 同じ思いなのは、うれしいです!
No title
これは行かねば。。
今日は DVD でマンマ・ミーア!を見ましたよ~
マリリンカレンダーも可愛い!
>スノーパンダさん
もともと映画やドラマでは、すぐ感動する泣き虫さんです。(笑)
ただ泣けるだけじゃない、しっかりした作品ですので、ぜひ、観にいってくださいね。ハンカチじゃなくてバスタオルくらい必要かも。(爆)
「マンマ・ミーア!」!! 手元にDVDがあるので、私も、また見たいなと、いつもいつも思っています。
マリリンのカレンダー、いいでしょう。時間のあるときにでも、探してみてください!
おはようございます♪
ホント、お涙頂戴じゃなくてもここまで出来る作品って素晴らしいですよね☆
オイラも映画館で泣きました。
ソフィア・ヴァジリーヴァを初めて観たのですがすばらしい女優さんでしたね♪
>トラヴィスさん
泣けますよね。もう、涙腺が弱いもので、こういうのには降参です。
ソフィアは、マイ映画賞では堂々、新人賞ですよ! 一応、記事のURLは、
http://bojingles.blog3.fc2.com/blog-entry-1743.html
涙涙
私もこれは泣けましたが、自宅なのでひどい顔でも良かったけど、
映画館で涙が川のようになったボーさんは困りませんでした?
判事や弁護士も、それぞれの事情を抱えながら、
真摯にアナの問題と向き合ってくれて、良かったですね~
登場人物みんなが、ひねくれたところが一つもなくて、
温かい話でした。
>YANさん
泣けるでしょう!?
映画館だと一応、水分を乾かしてから席を立ちますが(笑)、目は赤っぽいし、うるんでますから、よく見れば、ばればれ。しょうがないです。
そうでした、ひねくれた人はいなかった…ですよね。それぞれが精いっぱいのことをしようとしていた…。
いまだに思い出すと泣けそうです。
何度でも
思い出すだけで泣けてきますよね。
泣かせようとしなくても、本当にいい話なら滝のように泣けるのです。
>ノルウェーまだ~むさん
…こちらにも、とありますが、ほかにコメ来てないですよ?
ほんと、川の流れるように~だーだー泣きしました。
すばらしかったです!
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テンプレートが変わりましたね♪
ハロウィンの季節になりましたか~もうすぐ年末です(汗)
革新的(?)な病気モノでした。
仰るように、ミエミエなお涙頂戴を狙わなくても、こんなに自然に涙が流れる映画こそ心に染みますね。
判事も弁護士も抱える問題があって、
それでも懸命に生きている姿からもアナは学ぶことがあったと思いました。
ジョーン・キューザックがちょっと老けちゃったけど、ベテランな演技派女優さんはピシっとしめてくれますね!