「ショックプルーフ」
週末にまとめて見た劇場未公開・初放送のフィルム・ノワール3本のなかでは、いちばん好き。
女優にスター性があって、映画の中での存在感が大きいのが、うれしい。
ポスター
女優さんの名前は、パトリシア・ナイト
まるで知らない名前だったが、調べてみると、この映画の撮影時には共演者のコーネル・ワイルドの奥さんだった。のちに離婚していて、その後は映画界からも離れたようだ。キャリア全体でも数本しか出演していない。
なかなかゴージャスな印象で、見映えもする

監督は、ダグラス・サーク
高校生の頃に「風と共に散る」(1956年)という作品を見て、どことなくマリリン似に思えたドロシー・マローンという女優さんとともに印象に残ったものだった。
サーク監督は「メロドラマの巨匠」なのである。
(ちなみに、ドロシー・マローン嬢、役名もマリリーだった! マローンさんがマリリン似でマリリーを演じる! 彼女は、この「風と共に散る」でアカデミー助演女優賞をとっている。)

記憶に新しいところでは、2002年の「エデンより彼方に」という作品が、ダグラス・サークにオマージュを贈ったもの。

そして脚本が驚くことに、監督デビュー直前のサミュエル・フラーなのだ。
WOWOWの作品紹介によると、フラーやサーク監督の意向を無視し、会社側が後から脚本を直し、ラストも他人の手で撮られたのだという。
なるほど、ラストは急転直下、え、そうなの?というようなものだが、私は嫌いじゃなかった。会社側も、世間の好みの傾向を考えたのだろうか。

おまけにいうと、撮影は、チャールズ・ロートン・ジュニア。よく名前を見る、けっこう活躍した撮影監督だが、俳優のチャールズ・ロートンとは関係ないらしい。名前のつづりも違う。まぎらわしい。

ストーリーを少し紹介しておくと…。
ジェニー(パトリシア・ナイト)は殺人の罪で服役していたが、仮釈放された。
保護監察官のグリフ(コーネル・ワイルド)が住まいと仕事を世話するが、昔の男ハリーと縁が切れない彼女は、再び良くない道に進みそうな雰囲気。
グリフは彼女を自宅に連れていき、盲目の母の面倒を見る仕事を与える。
それを知ったハリーは悪知恵を働かせて…。


いいねー、この雰囲気
(c) 1949, renewed 1976 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

やはり、女優に力があると、いいねえ。
殺人を犯した過去のある女。ラブストーリー。そして、のっぴきならない状況に陥るカップル。
メロドラマの巨匠ダグラス・サークが作ったフィルム・ノワールというのは、珍しいんじゃないかと思う。(実際は、よく知らないが。)
そして、これが、いかにもダグラス・サークっぽい(のであろう)ラブストーリーにフィルム・ノワール風味が組み合わさっていて、おもしろいのだ。
変えられたラストも、それはそれとして、見て得した1本ですね。

ショックプルーフって、耐衝撃性といった意味で使うけど、この映画では、どういうことなんだろう。

(10月25日)

SHOCKPROOF
1949年 アメリカ作品
監督 ダグラス・サーク
出演 コーネル・ワイルド、パトリシア・ナイト、ジョン・バラグレイ

評価☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
[2009/10/30 23:26] | 映画感想(自宅で鑑賞) | トラックバック(1) | コメント(8)
<<「幸せの1ページ」 | ホーム | 「夕暮れのとき」>>
コメント
すみません、僕はダメでした。
記事はまだですが、原稿(素案)は出来ておりまして、結構批判(特に結末)しているんですよ。^^;
この記事で、本作を気に入られたボーさんに嫌われてはいけないと、事前に防波堤を築いておこうとやって参りました。

ボーさんにおかれましては、ショックプルーフ仕様にてお越しください(笑)。
[2009/11/02 18:19] URL | オカピー #jHSMZ1/Y [ 編集 ]
>オカピーさん
「ショックプルーフ仕様」、ナイスコメントです!
そのとおりに心の準備をして見に行ったら、まだでしたね。

いいえ、違う意見であろうと、いっこうに構いません。感情的なだけで反対されるのでない限り。

なにより、コメントゼロ&TBゼロは、絶対的に嫌なワガママ者な私なので、コメントがついたのが、このうえなく有難いです。

記事を拝読するのを楽しみにしていまーす。
[2009/11/02 22:56] URL | ボー #0M.lfYJ. [ 編集 ]
早速でましたね!
いいじゃないですかー、名前もいいですよね「パトリシア・ナイト」つて、もういきなり「ファム・ファタール」っぽくて。

やっぱり金髪が、ノワールの白黒の画面には美しいです。この写真はイメージを膨らませてくれますね。

いやー、こういう隠れたファム・ファタール・タイプはどんどん発掘してください。
私もいつの日か、お目にかかれるかもしれない、というノワール的な楽しみも出来ますから。。。
[2009/11/03 19:27] URL | lalaki #8Q1O96zA [ 編集 ]
>lalakiさん
良いでしょう〜!
あ、言われてみれば、名前もファム・ファタールみたいですね! パトリシアだし、ナイトだし。(そのまんまや!)
(ナイトは夜じゃなくて騎士のスペルですが、発音は一緒ですからね)

こんな女優が隠れていたとは。出演も少ないようので、あまり知られていないのでしょうか。
この写真だと、マリリンっぽくも見えません?
[2009/11/03 21:36] URL | ボー #0M.lfYJ. [ 編集 ]
そのマリリンぽさ、とは・・・、
今ひとつ焦点のあってない瞳と、少し開いた唇と覗いた歯の面積の割合、ですね。
分析いたしますと。

この強度の近眼っぽい視線には弱いですね、私は。ハッキリ言って。。。
で、真っ白の歯とルージュのコントラストにも、かなり弱いですね、かなりハッキリ言って。。。
[2009/11/05 13:43] URL | lalaki #8Q1O96zA [ 編集 ]
弊記事までTB&コメント有難うございました。
殆ど貶しているのにTB戴き、申し訳ありません。

50年代の映画は相当観ていますので、「エデンより彼方に」を何の情報もなく観た時に「ダグラス・サークっぽいじゃん」という感想を持ったところ、オマージュを捧げた作品と後で知りました。
結構そういう勘は良いんですよ(自画自賛)。(笑)

話はダメだあと思いましたが、パトリシア・ナイトは見事なファム・ファタールぶりでしたね。
コーネル・ワイルドの最初の奥さんでしたかあ。

>フラーやサーク監督の意向を無視
あはは、あのラストではお二人さんも困っちゃうでしょう。
納得しました。^^
[2009/11/05 23:31] URL | オカピー #jHSMZ1/Y [ 編集 ]
>lalakiさん
う〜ん、反論はできません。
正面からだと、やっぱりマリリンじゃないんですけどね。
こうやって抱きしめられていると、心地よさに酔い、かつ、とくに見るところがないですから、視線の焦点は合いません。(何を説明しているのか、私は?)

唇と歯の、赤と白ですか。いいですよねーー!
ぞくっ。
[2009/11/06 00:39] URL | ボー #0M.lfYJ. [ 編集 ]
>オカピーさん
いえいえ、違う意見には、なるほどなあと思わされることも多いですし、かえって、TBでリンクいただきたいと思いますよ。

私もパトリシア・ナイトさんは今回知って調べたのですが、映画出演は少ないようなんです。どうして、やめちゃったのかも興味があるところなのですが。

ラストについては、ちょっと、あぜんとしますよねえ。やはり、いきなりすぎますから。
まあ私は、それでもいいかなあと、しちゃったわけです。
[2009/11/06 00:47] URL | ボー #0M.lfYJ. [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/1679-7b97ef99
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
映画評「ショックプルーフ」
☆☆(4点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督ダグラス・サーク ネタバレあり
[2009/11/05 18:15] プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
或る日の出来事


映画感想など&マリリン応援ブログ。記事中では大きなネタばれナシ。コメントはネタばれOKなのでご注意を。トラックバック(TB)は承認制。こちらからのTBが不具合で送られない場合はご了解ください。コメントできないときはメールでご連絡を。


日本マリリン・モンロー・クラブ 会員募集中!

このブログのトラックバック・ポリシー (2009年1月10日、修正)


黒猫マリリンはカーソルで、かまってやってね!
鳴いたり、手を出したりするよ!
白猫ノーマ・ジーンはクリックすると、しゃべりに来るよ!





過去の記事の一部には「ブログランキング参加中〜」という文面がありますが、現在はすべてのランキングから離脱しています。該当するすべての文章を削除することは大変なので、そのままにしてあります。よろしくご理解ください。

映画感想の評価について。
☆☆☆☆☆(5)…GREAT!文句なし!
☆☆☆☆(4)…FINE!かなり、いいぞ!
☆☆☆(3)…GOOD.観て損はないかな。
☆☆(2)…NOT SO GOOD.ちょっとなあ…。
☆(1)…BAD!いいかげんにせい!
という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。好きだなあと思ったら3.5点に星が到達、という感じ。



goo Pink Ribbon 2009 ブログパーツについては、こちらを参照。






前回までの2択の結果は、こちら
プロフィール

ボー・BJ・ジングルズ

  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード