「扉をたたく人」 - 2010.03.27 Sat
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公園でジャンべ! (c) 2007 Visitor Holdings LLC. All Rights Reserved. |
妻をなくした初老の教授。講義は1コマしか持っていない。ピアノを習っているが、その年になって楽器を覚えるのは無理と言われてしまう。ひどいねえ、先生。
ある偶然から、彼はシリア出身の若者と知り合う。若者がたたくジャンべというアフリカのドラムに興味をもった教授。
やがて、ジャンべ演奏の公園デビューに!
ここから話は急展開するが、それは書かないことにする。(書かないと感想を進めにくいし、他のブログなどを読めばわかっちゃうから、書いてもいいんだけどね。)
若者が不法滞在者で、シリア出身というのがポイント。
シリア(シリア・アラブ共和国)は、テロなどにからんだ関係で、アメリカにとっては印象はよくない国であるようだ。
9.11以降、アラブ系の人間には、厳しい目が注がれたりしているのだろうか。
教授にとっては好青年の友人でも、他人から見れば違うかもしれない。
無為に日々をすごしていた教授が、若者と出会い、ジャンべと出会い、生き生きとしてくる。
しかし、その友情の行き先は…。
若者の母親と教授の、ほんのり恋心が…? 的な部分も、とてもよい。
原題は「訪問者」で、教授の家に来た若者(と彼の母親)、アメリカに来たアラブ人、の二重の意味があるだろう。
これまで脇役で活躍してきたリチャード・ジェンキンスが渋く好演し、非アメリカ系の共演者たちが周りを固め、地味ながら引き締まった秀作といっていいと思う。
(3月22日)

若者の彼女と、若者の母親。母親役のヒアム・アッバス、いい女優さんだね~。
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THE VISITOR
2007年 アメリカ作品
監督 トム・マッカーシー
出演 リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ
参考:扉をたたく人@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
● COMMENT ●
TB有難うございました。
>オカピーさん
んー、パロディーされても元ネタがわからず! 日本映画方面に疎い私。
そうですね、教授の内面と、アメリカの状況、どちらもうまく見せてくれました。
かつては移民歓迎、開かれた国であったはずのアメリカ。それは永遠に過去のことになったのでしょうか。さみしいものがあります。
こんばんは☆彡
コメント頂くのも悪いので(笑)コメントは控え、TBのみにさせて頂きました(^_-)-☆
さて、この作品ですが、鑑賞前は、初老の教授とアラブ系の若者が
音楽を通じて心を通わせる作品かと思っていたのですが、
それだけの作品ではなかったですね(*_*)
9.11以降のアメリカのアラブ系民族に対する実情、現状にも驚きました。。。
日本では有名な俳優さんは出ていませんでしたが、それでも
いい作品は作れると言う見本でした^^
>地味ながら引き締まった秀作
私も全くそのように思いました(^_-)-☆
>ひろちゃんさん
お気遣い、ありがとうございます。
私も、前もっての知識なしで見たので途中で、音楽ものなのかー、と思ってしまいました。
著名な俳優が出ていないというのは、興行面で不利でしょうけれど、いい映画は見出されるものなんですねえ。
No title
>それでも恋するバルセロナは、(つまらんと言っている・笑)ボーさんに
コメント頂くのも悪いので(笑)コメントは控え、TBのみにさせて頂きました(^_-)-☆
わたしも上のひろちゃんにならい、ボーさんの助言通り、
スルーしました(笑)
この作品もすきでした★
欲をいうなら男女の話じゃなく、ジャンベ叩きの青年とのストーリーに絞って欲しかったんですけどネ。
ラストも何とも言えず良かったです♪
>migさん
いいえー、コメントいただいても、まったく大丈夫ですけど。
うーむ。男女の話は、自然にああいう感じになっていったようなので、いいかなと私は思いました。それがなくても話はできたでしょうけどネ。
ラストは感情がこもってましたよね。
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太鼓を叩くシリア人青年との交流を通して、心を閉ざした老教授の心境の変化と、アメリカの移民・難民政策の現状とを、相互に干渉させながら実にうまく描いていましたね。
特に、母親が去るところでアメリカの星条旗がぼけていってホワイトアウトするところは感銘しましたなあ。監督の母国への失望感が手に取るように解りました。