「ローラーガールズ・ダイアリー」 - 2010.06.03 Thu
いいぞ、ドリュー・バリモア監督らしくて!
元気なガールズ・ムービーの快作!
女優であるドリュー・バリモアが監督したことが一番の話題の映画だろうけど、その点からいうと私に言わせれば大成功。
話の進め方や、映像の見せ方、とくにローラーゲームの見せ方の工夫不足、スピード感不足など、粗いところがあるとは思うけど、女の子たちの元気さ、頑張り、ゲームでのファイト!などを見ていれば、多少の難など、もう、どうでもいいのだ。
これは、ドリューにぴったりの元気素材なストーリーではないだろうか。
監督本人も、やはり本職の女優としても出たかったのか、けっこう重要な役どころを楽しそうに演じている。
この彼女の表情を見ればわかるでしょ。どんなに楽しんで、この映画を作っていたか。

チームメイト。左から2人目がドリュー・バリモア。その右はゾーイ・ベル。
(c) 2009 BABE RUTHLESS PRODUCTIONS, LLC All Rights Reserved.
主演には、色白で小っちゃなエレン・ペイジ。
格闘技ともいえるローラーゲームで、体力的に大丈夫なのかとも思うが、スケーティングのスピードが速いのが取り柄、という設定にしたから、新人ながらメンバー入りしても、おかしくはない。
ローラーゲームは1970年代にテレビ放送があって、よく見ていたから、懐かしい。
このゲームがどういうルールなのか知らない観客は多いだろうから、映画のなかで説明しないと、まずいだろうなあと思っていたら、ちゃんと説明してくれた。でも、簡単な説明すぎたような…。
もうちょっと、ていねいに、わかるようにしたほうが。
娘のブリス(エレン・ペイジ)に、ミスコンテストを受けさせつづける母親(マーシャ・ゲイ・ハーデン)。
ブリスは気乗りしないまま、母のいいなりになっている。
あるときローラーゲームに興味をもったブリスは、試合観戦に。
新人募集をするというので、応募する。
こういうのは、とんとん拍子に進むときは進むもの。
合格した彼女は、家族に内緒のままゲームに出る。
ゲームでの彼女の名前は、ベイブ・ルースレス。ベイブは赤ちゃん、ルースレスは無慈悲な、といった意味。かわいいけど怖いんだぞー!というリングネームですね。この名前、有名な野球選手ベイブ・ルースにも引っ掛けているのが面白い。
彼女以外のネーミングも、楽しいものあり。
ケンカあり、恋愛あり、友情あり。
食事どきの乱闘は、食べ物がもったいないよと思う前に、楽しいから困ってしまう。

バイト友だち。アリア・ショウカットとエレン・ペイジ。
(c) 2009 BABE RUTHLESS PRODUCTIONS, LLC All Rights Reserved.
バイト先の友人パシュ(アリア・ショウカット)との関係も描かれる。2人の人生選択の違い。
両親との関係も含めて、パターンとしては、いろいろと王道な青春スポーツものかもしれないが、とにかく、楽しい。元気。さわやか。前向き。
人生、楽なことばかりではないにしても、ゲームのなかでは思い切り弾ける! いっしょうけんめいファイトする!
みんなを応援したくなる。
エンドクレジットで、それぞれの名前が出て、えーっ! ジュリエット・ルイス!?
えーっ! ゾーイ・ベル!?
あ、マーシャ・ゲイ・ハーデンだった!?
と驚いた。

左端が好敵手アイアン・メイビン(ジュリエット・ルイス)
(c) 2009 BABE RUTHLESS PRODUCTIONS, LLC All Rights Reserved.
…いわれてみると、そういう顔だったっけ。(笑)
なんにも知らずに映画を観るときの楽しみともいえるね、こういうビックリは。
ちなみにゾーイ・ベルさんは、タラちゃんの「デス・プルーフ in グラインドハウス」で、かなり名前が売れてます。
原題は“WHIP IT”。whipはムチの意味があり、そこから「ムチのようにしなる」イメージになるのだろう、ローラーゲームで「ホイップ」というのは、前の選手が後ろの選手を引っ張って、ムチのしなりのように前方へあおり出す(放り出す)こと。ホイップされた選手はスケーティングのスピードが増す。
「ホイップする」。これはゲームのなかのホイップに加えて、人生のホイップも、かけているタイトルだろう。
弾んで、前へ。
人生、そう生きたいよねえ。
(5月29日 TOHOシネマズ シャンテ)
WHIP IT
2009年 アメリカ作品
監督 ドリュー・バリモア
出演 エレン・ペイジ、アリア・ショウカット、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ダニエル・スターン、クリステン・ウィーグ、ジミー・ファロン

ラスト。いいシーン!
(c) 2009 BABE RUTHLESS PRODUCTIONS, LLC All Rights Reserved.
参考:ローラーガールズ・ダイアリー@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆★(3.5点。4点に近い。満点は5点)
● COMMENT ●
楽しいよね。
>rose_chocolatさん
単純に楽しくて好き、と思えるのは幸せですよ~。自分にとっても作品にとっても。
ドリュー、つぎの監督作、どうなるのかな。
そうそう
一人の女の子の色んな表情がとても等身大に感じられたのと、ローラーゲームというちょい昔風のスポーツもあって、何だかちょっと甘酸っぱい感じです♪
>KLYさん
ローラーゲーム、「ゴロゴロゴロ~」という音が、なんだかレトロな気分にも。
小さいと小回りがきいて、相手の密集でも、すりぬけていけるという利点がありますよね。
6月1日
いやあ、何か久しぶりにCGとか使わない、映画らしい映画を観たという感じがいたしました(^^。
>kiyotayokiさん
観たのは5月29日でした。
1日はマリリン誕生日ですから、映画を見るとしてもマリリン関連になるでしょう。
特殊撮影に頼らない素朴な?映画、それは言えてますねえ。
こんにちは!
ほんとこれは爽やかで楽しかったです。
ゲームの見せ方の工夫不足は、
まだ監督として慣れてないドリュー・バリモアと考えれば、
自然でいいのかも。(^^;
女の子の描き方はとても良かったから。
私としては母親目線も加えてくれたのに満足でした。
>YANさん
見ていただいて、ありがとうございます。
ドリューに合ってる話ですよね、女の子たちの生き方。
監督じゃないけど「チャーリーズ・エンジェル」シリーズでも、ガールズの「まとめ役」っぽい印象もありましたし。
映画の作り手、発信者としての才能、これからも発揮していきそうです。
見て気分がいい映画は、それだけでも素敵です。
可もなく不可もなく・・・かな
けど日本で公開のタイトル名が「ローラーガールズダイアリー」って・・・
これ ぜって~ ロードムービーの「モーターサイクルダイアリーズ」に ひっかけてるよね
やっぱドリ絵(→ドリューバリモア)な作品だな~って 可もなく不可もなく・・・でも、ボーさんは楽しめたようでなによりでしたね。
で、ボクちゃん 彼女らのひたむきさに BGMが脳内で スィングアウトシスターの「ブレイクアウト」が 日本語の歌詞をみて流れてきたわい!
動画→https://www.youtube.com/watch?v=ANEx_6mbC2M
日本語歌詞→http://pingpongkingkong.blog108.fc2.com/blog-entry-124.html
>zebraさん
GWで、ほっつき歩いていて遅くなりました。
ひつまぶしで見たんですかー! あ、ひまつぶし?
「モーターサイクル~」ひっかけ、見え見えですね。「モーター」は、「ローラー」より、だいぶ前の作品のはずで、いまさら感ありました。
いやいや、よかったですよ。私がガールズムービー好きなせいもありますか?
動画、見てみました。曲名だけではわかりませんでしたが、カンペキ、聞いたことありますね。流行ったということなんでしょうねー。映画の前向きな内容とリンクしておかしくないです!
コメ&TBありがとうございました
ローラーゲームのルールは大ざっぱにしかわからなかったけど、こういう題材を持ってきたことは面白くて良かったと思います。他にもこういう映画がもっとあってもいいのに。
>ベイブ・ルースにも引っ掛けているのが面白い。
あ、ホントだ。全然気づかなかった!(汗)
他の方も面白いリングネームだったんですね…。
タイトルの意味も勉強になりました。バリモアさんらしい、良いタイトルだと思います♪
>宵乃さん
ローラーゲーム、アメリカで今もやっているのか? なんて考えちゃいましたよ。
Whip it は邦題にするのは難しいでしょうね。「ローラーガールズ」の部分は無難に考えつきそうなタイトルではあります。
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ホントそれだけなんだけど~。