或る日の出来事

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幸せそうなヴェラの一家を訪れたのは…

(c) 2004 Vera Drake Limited/Les Films Alain Sarde/UK Film Council. All rights reserved.

これって、すごいのだろうか。
いままでヴェネチア映画祭金獅子賞・主演女優賞をはじめ、各映画賞(とくに主演女優賞)を受賞してきた評価を聞くと、きっと、すごいのだろうが、私には分からない。
あまりに普通に、あまりにリアルに、そこに実際に生きているように、人間を演じること。

とくにイメルダ・スタウントンの演技の自然さは、たしかに素晴らしいとは思う。だが、映画として、それほど心に響いてこなかったのだから、しょうがない。正直に書く以外ない。

マイク・リー監督の演出は、きちんとした脚本を作らず、リサーチ、話し合い、即興によるリハーサルを行なう。このとき、俳優には自分の役柄以外のことは知らせない。
そのような方法をとり、俳優を、演じるキャラクターと深く同調させるのだという。
そこまでやると、俳優は、いざ演じるときには、ただ自然にしていればよくなるだろう。すぐに役柄と同調できるのだから。

映画の物語のなかで、普通の主婦である彼女のしていたことは、違法である以前に、人助けであり、彼女にとっては、ただ、それだけのことだった。彼女にとっては、するべきことだった。
スタウントンのインタビューによれば、当時その罪で収監されていた多くが、母であり、祖母であった、ということは、重い事実として存在していたのだ。

事件が起こったあとの、周囲の家族の反応は興味深い。
夫であるなら、ああいうふうに支えてあげるのが理想だし、娘の婚約者がクリスマスに口にした言葉は、人として、こうありたいと思う感動的な一言だった。
(7月9日)

VERA DRAKE
2004年 イギリス・フランス・ニュージーランド作品
監督 マイク・リー
出演 イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ダニエル・メイズ、アレックス・ケリー、エイドリアン・スカーボロー、へザー・クラニー


ヴェラと夫

(c) 2004 Vera Drake Limited/Les Films Alain Sarde/UK Film Council. All rights reserved.

トラックバックは、ヴェラ・ドレイク@映画生活様に。

評価☆☆☆(3点。満点は5点)

コメント

マイク・リーって、

『秘密と嘘』の監督さんですよね。BJさんがおっしゃった、「あまりに普通に、あまりにリアルに〜」というお言葉と似たような感覚を、『秘密と嘘』を観たときに私も感じた覚えたあります。でも、BJさんのご感想で、『ヴェラ・ドレイク』もちょっと観てみたくなったので、いずれレンタルにでもなったら観てみようと思います♪

2005.07.11  香ん乃  編集

>香ん乃さん

はい、「秘密と嘘」を監督していますね。私も、この映画観たはずなのですが、記憶にない…(苦笑)。
やっぱり相性よくないんでしょうか。私の場合、ハッタリの強い、ある意味、いかにも映画っぽい映画が好みなのかもしれません。

公開劇場が少ないせいか、いろんな映画サイトでも、評を見かけることが、やたらに少ないです。

2005.07.12  ボー  編集

素晴らしい演技

こんばんは、私もこの映画を観てみたくてやっと観てきました。
当時の英国の社会を上手く描いていたと思うし、それ以上にイメルダ・スタントンが望まない妊娠をした女性の為に無料で請け負っていたが、仲介の女性は手数料を取っていた。この二人の考えの相違も興味深かったです。
私も娘の婚約者の一言は、重くなっていた雰囲気を和らげていたと思います。

2005.08.20  kintyre  編集

>kintyreさん

いらっしゃいませ! コメントありがとうございます。
この映画は賞レースをにぎわせた作品ですが、単館系公開なので、住んでいる地域によっては、なかなか観る機会がないものですね。
ほんとうに淡々と人間の行動を描いた映画で、その良さをじゅうぶんに分かるには、私はまだまだ修行不足なのかもしれません。
でも観ておく意義はある作品ではあったと思います。

2005.08.21  ボー  編集

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