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2020-08

「野いちご」 - 2010.09.11 Sat

「あたしが好きなのはイーサクおじさん。今日も明日も、ずっとよ」。娘が言う。
「君が大好きだ」「私もよ」。息子の嫁が答える。
その夜のイーサクの夢は…。


イングマール・ベルイマン監督とは、天才なのだろうか。少なくとも、たぐいまれな映画作家であることは間違いない。
「処女の泉」に続いて、本作を観賞。どちらも初めて見るわけではないが、今回は2本ともに、いい映画だと感じた。

「いい」と簡単にいったけれど、単純な面白さではなくて、「深み」がある。どんな深みかといえば、見てもらって、その人に感じてもらうしかないもので、下手な説明は無理。
キーワードは、「老い」「若さ」「夫婦」「孤独」、大きくいえば「人間関係」「愛情」か。…と言ったところで、見なきゃ分からないだろうし、このキーワードを書いたそばから、言うだけ陳腐かと思った。

野いちご1

それでも、いくつか書き留めておくと…。
悪夢の場面は、シュールで面白い。
また、過去のシーンで印象深いのは、サーラが鏡をもって老人の顔を映す場面。若いサーラの顔の横に、老いた顔が並ぶ。この図は、すごい。
冒頭に書いた、娘の優しい言葉は、こちらが泣けるほど素晴らしい。彼女の明るさは、いい。(2役を演じた、ビビ・アンデルセンが好演。)
まだまだあるけど、ありすぎて、すべてのシーンがいいような思いがしている。

「処女の泉」で養女インゲリを演じたグンネル・リンドブロムさんも出演している。
私は「処女の泉」のワイルドな彼女が好きなのだが、基本的に美女。
本作では過去のシーンで出てくるシャルロッタ役。サーラの姉なのか、食卓の場で、からかわれて泣いて出ていったサーラを追いかけて、階段のところで話を聞いてあげている。
(下の画像の後ろがグンネル・リンドブロムさん。)

(8月29日)

野いちご2

SMULTRON-STALLET
1957年 スウェーデン作品
監督 イングマール・ベルイマン
出演 ヴィクトル・シェストレム、イングリッド・チューリン、ビビ・アンデルセン、グンナール・ビョルンストランド

参考:野いちご@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)

● COMMENT ●

弊記事までTB&コメント有難うございました。

重心を置いたテーマは老いなのでしょうね。
若さも、老いを照らすものとして出てくる。

大人になって初めて気付く子供時代の素晴らしさを描いた「となりのトトロ」が素晴らしい時を現に生きている子供には到底解らないように、まだ初老レベルの僕には本作の本当の心はまだ解らないのかもしれません。
ま、そこは想像力でカバーですが。^^

ベルイマンは演劇出身なのに各ショットが非常にフォトジェニックで、演出には舞台臭さがありません。
構成に戯曲的なところのある作品もありますが、いや、これは正に天才と言うしかないでしょう。^^

>オカピーさん

そうなんですよね、「老い」とは、実際にその境遇に置かれた者しか、真にはわからないもののようで、そのことについてはピンときません。想像ですよね。

ベルイマンは演劇から入った人ですか。映画でも見事な作品をつくれるのは、やはり天才肌ですね。

現在と過去が同じ画面にあるというトランジション・ショット、教えていただき、ありがとうございました!

こんにちは。

イサクと同じ歳になった私が今、この映画に寄せる思いは、
①青春時代は良かったけれども、悔いが全然無かったとも言えない。
②老境の今、未だに未熟な私。青春とは心の若さ。まだまだ頑張ろう。
と、思わせてくれます。
ボーさんが言われている、現在と過去の映像は、私も、映画ならではの芸術。を感じます。

>アスカパパさん

こんばんは。
これがまた「処女の泉」より若い頃の監督が作ったわけで、脚本を書くには「老い」は想像によるしかないんですよね。それが、この結果は、すごいです。

私なども、年齢を重ねても、あんまり中身は変わってないなあと思う次第で。でも、心は若くいたいですね。
そんなことを思えるなら、それだけでも、この映画は価値あり、でしょう。
芸術的ですけど、わかりにくくはないところも素晴らしいです。

そうなんですよね。
芸術的でありながら、映画で描きたいことが、全て伝わってくる。
本当に類稀な映画作家ですね。

こんな一日が過ごせたら、彼にとって、おそらくこの先の人生が少しは楽になるでしょう。
自分が避けてきたものを目の当たりにすると同時に、
自分が飢えてきたものにも対峙する。
気付きを映画で得られる私達は、幸せなるかな。

>とらねこさん

こちらも見てから時間がたっていますが、たぶん、見直すごとに、そのときは自分も齢をとってきているわけですから、思うところが大きくなる作品かもしれません。

気づきを得られる、というのは、まさにそうですね。そういうことを提示してくれる監督には、感謝です。
映画というものは、いいですよね!


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映画評「野いちご」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1957年スウェーデン映画 監督イングマル・ベルイマン ネタバレあり

野いちご

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という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。
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