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2017-10

「北北西に進路を取れ」(3回目) - 2010.10.31 Sun

ツイッターでも書いたが、たいしたことのないサスペンスを10本見るより、この1本を見たほうがよさそう。

こんなに面白いとは。以前、見ていたにもかかわらず。細かいところまで覚えていなかったせいもあるだろうけれど。記憶力の悪い自分に感謝。(笑)
「午前十時の映画祭」にて。


オープニング
ソール・バスのシャープな感覚に、バーナード・ハーマンのスリリングなメロディがかぶさるオープニングタイトルから、ワクワク!

バーナード・ハーマンの音楽が、ソール・バスのタイトルデザインにのるオープニングから、うれしくてゾクゾクした。
ノンストップ・サスペンスを彩るのに、ふさわしいメロディ。聴いていてワクワクすること、このうえない。
私の場合は音楽がいいと、そのぶん映画の好き度も上がる。というより、いい映画は音楽もいい、ということなのかもしれない。

なぜ崖から落ちないとか、なぜ人違いをするとか、ささいな映画上の都合のよさは、ストーリーの面白さの前では問題にならない。
関係ない人間が自分の意思に反して事件に引きずり込まれてしまう「巻き込まれ型サスペンス」の典型であり、頂点のひとつだろう。
加えて、ケーリー・グラントの都会的な洒脱なユーモアも存分に発揮される。


ヒーローとヒロイン
ケーリー・グラントとエヴァ・マリー・セイント。

相手役の(もちろん、ヒッチコックお気に入りの「金髪」である)エヴァ・マリー・セイントも、少し硬質なクールさで、謎めいたところもあっていい。これが、たとえば先日観た「裏窓」のグレース・ケリーだったら、彼女に観客の目が行きすぎて、ストーリーとケーリー・グラントに意識が集中しなくなってしまう。大スターはグラントだけでいいのだ。そういったキャスティングも絶妙。
悪党コンビのジェームズ・メイソンとマーティン・ランドーもいい。
これだけ面白いとなると、つまり、悪いところが見つからないのも同然ということになるわけだ。

危険なドライブがあったり、飛行機に追われたり、大統領の顔を彫った岩山で追いかけっこがあったりと、見せ場は満載。
エレベーターやオーディション会場などからの脱出のアイデアも見事。繰り返して言うが、スリルだけでなくてユーモアもあるから素晴らしい


飛行機に
だだっ広い土地で飛行機に追われる名シーン。

ラストシーン。あっ!と思った。「あっけにとられる」とは、このようなことだろう。
以前に見たはずなのに、そのとき以上の驚き。ワクワクと楽しんで観てきたから、また素直に、うわっ!と思ったのだろう。
この鮮やかな「まとめ方」には、鳥肌が立つ。
もう、うーーん、すごい。と、うなるしかない。シャッポをぬぐとか、シャッポがなかったら拍手するとかしてもいい。
これでもか、と散々おもしろく、たたみかけて見せてきたうえに、この終わり方ときたら!

映画の技術は進歩しただろうが、これほど面白い話は、めったに作れるものではない。脚本、監督、俳優、音楽、撮影、美術、編集…すべてがそろわなければならない。
また観に行きたいなあ。


人面岩に
ラシュモア山でのスリル。ここを逃げるなんて!

(10月24日 MOVIXさいたま)

NORTH BY NORTHWEST
1959年 アメリカ作品
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ケーリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイソン、マーティン・ランドー、ジェシー・ロイス・ランディス

関連記事:「北北西に進路を取れ」(4回目)

参考:北北西に進路を取れ@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆☆☆(5点。満点は5点)


All Pictures (c) 1959 Metro-Goldwyn-Mayer all rights reserved.

● COMMENT ●

弊記事までTB&コメント有難うございました。

大枠とある特定の場面以外は記憶は残らないという不思議な名作ですね。^^
これには理由があって、ヒッチコックは「あるシチュエーションで人間はどういう行動を取るか」ということのみに関心があり、背景は極力描かないから。
世間の価値基準とは逆で、ヒッチ大先生にとってサスペンスでは背景はどうでも良いんですね(背景に価値を見出すな、ということ)。世間の人も大先生に関してはそれを認めているのに、ヒッチコック以外では認めない(修行が足りんわけです^^)。
この映画を観てその辺りを理解する人が増えると良いと思います。^^

>飛行機に追われたり
追われる前の「嵐が来る前の静けさ」描写は、ヒッチ映画の中でも特にお気に入りです(観れば観るほど痺れてしまう)。
「007/ロシアより愛をこめて」にこの襲撃のパロディーのようなシーンがありましたね。

おおお、ソール・バス!
超有名作なのに、そういえば観た事ないんです…ボーさんのこのレヴューを読んですごく観たくなっちゃいました。
さすがにこの作品はレンタルにあったので、早速予約にいれました、ありがとうございますv

>オカピーさん

説明しなくてもいいことは省いて、ほかの大事なことに観客の意識をもっていかせる。
オカピーさんの記事にもありますが、ヒッチコックがよく言っていた「マクガフィン」つまり、単なる「容れ物」ですね。形さえあれば中身は何でもいい。
敵が何を盗んだのか、どんな犯罪組織なのかとか、主人公の会社は何をしているのか、などは何でもいいし、説明しなくてもいい、ということですよね。

飛行機のシーン。遠くを飛んで農薬をまいている。関係ないと思わせておき、怪しそうな人物が出てきて…という巧みさですね。
007にもありました。ロシア~かどうか忘れてしまいましたが。

>まおさん

ふっふふ。
わなにかかりましたね。
これで超つまらなかったら、どうします?
…なんてことはないと思いますが。
見たら感想おしえてくださいねえ~。

ラシュモア山

やっぱりこれは傑作というか、ヒッチコック映画の「集大成」みたいな作品。
殺人犯に「間違われた男」の追いつ追われつのサスペンス。単純なストーリーなのに絶妙な演出で、手に汗握る面白さ。

ソール・バスのタイトルもおしゃれですが、タイトル自体が「ノースウエスト航空」で北に向かうというシャレなわけで。ラスト・カットの列車がトンネルに入っていくシーンはエッチの隠喩という説もあり。
私が好きな場面は、オークション会場から脱出するために、通常とは逆にどんどん「せり下げる」シーン。ここ笑えます。エバ・マリーはちょっと色気が不足してるけどね。ヒッチ先生って「金髪フェチ」なんですよね。
因みに私のPCの壁紙は「ラシュモア山の彫刻」です。

>又左衛門さん

おお、ラシュモア山はお馴染みなわけですね。
あそこで追っかけをやろう、というアイデアもいいです。大統領の顔という視覚効果も出て。
オークション会場、思い切りバカをやらないといけない状況。おもしろいです。
今回は、別荘?に舞台を移してからの進展も、えらく楽しめました。一般人なのに、スパイ顔負けの行動!?
ヒロインをマリリンに置き換えて想像もしてみました。…どうなんでしょうねぇ。

名作です。

ヒッチコックはもう大好きで大好きで!。サイレントも含めてほとんど観てるかな。これを「北北西~」を劇場で観るなんて、幸せだよねぇ。変な映画を数観るよりも、こういうよいものをじっくり観るべきです。はい。

「北北西~」は様々な映画でオマージュが捧げられていますね。前述の「ロシアより~」もそうですけど、最近では「Xファイル」劇場版で、モルダーとスカリーが畑を逃げる場面もそう。脇役でマーティン・ランドーも出てますもんね。

ヒッチ先生が後に語ったことによると、「北北西~」のラストシーン(列車がトンネルに入っていく)は、主人公二人が結ばれたことを暗示しているんだってさ。もうヒッチ先生ったらぁ!

>takさん

ありがとうございます。
ヒッチコックは面白いですよねえ! 映画の面白さを見せてくれる監督の筆頭のひとりに、間違いなく挙げていいです。私も、まだ見ていない作品を見たい!

映画館で観られるのは本当に幸せ。六本木の映画館では、100人くらい入るスクリーンだったので、土・日なんて、すぐ満員になるのですよ。

オマージュを捧げたくもなる名作です。
トンネルのシーンは、たしかに監督自ら話しているようですね。(笑)

星5つ♪♪

「北北西に進路を取れ」「裏窓」「ハリーの災難」「見知らぬ乗客」・・・と、ヒッチコック作品で好きな映画を思い浮かべてみると、みんな50年代に作られたものなんですよね。
それだけ、ヒッチコック監督も油が乗り切っていたんでしょうね♪

>kiyotayokiさん

星5つはマリリン以外では珍しいですよ。
1950年代のヒッチは、いいですねえ。娯楽とサスペンスの映画の神様が宿っていたかのような。
12月にBSで何本か放送がある予定で、必ず録画しておこうと思っています。


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