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2020-02

「姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)」 - 2005.07.16 Sat

京極堂〔中禅寺秋彦〕(堤真一)と関口巽(永瀬正敏)

(c) 2005 「姑獲鳥の夏」製作委員会

京極堂シリーズの原作を読んでいる身としては、映画のキャストが発表されたときには、そりゃ違うでしょー、堤真一が京極堂? 永瀬正敏が関口? 阿部寛が榎木津? 宮迫博之が木場? まるっきりイメージと違って、目の前が、くらくらと、それこそ眩暈坂を歩いてでもいるように、卒倒寸前なのだった。

20ヵ月もの間、子どもを身ごもる女の謎。産院から赤ん坊が次々に消える謎。密室から行方不明になった男の謎。元看護婦の死の謎。憑物筋の家系の謎。こういった謎に、祓い屋でもある古書店主、作家、刑事、探偵などが立ち向かっていく。もっとも、古書店主と作家は、いつも「巻き込まれ型」であるが。

まあ、しかし、原作が強力で人気があればあるほど、それだけ多くの人々のイメージと合わないキャストになってしまうのは仕方がないだろう。
それで、こわごわ観てみたら、思ったほど違和感は、なかった
いちばん合ってないと思った宮迫くんも、いかつい感じで演じていて無難だった。もうちょっとガタイが、でかければいいんだけどなー。

堤さんは冒頭で、京極堂お得意の長ゼリフを披露。脳に関する「うんちく」です。京極堂が、こういう奴だ、というのが予備知識のない観客にも多少分かって、いい展開じゃないでしょうか。個人的には、堤・京極堂には、もうちょっと鋭さが欲しいけれど、いい線いってるかも。

脚本的には、あの長い話を、うまくまとめていると思う。どうしても原作を割愛して、謎解きの論理的な説明に多くの時間を割かざるをえないのは、2時間の映画では、避けられないこと。
途中で分かりづらいところもあったが、これでも、できるだけ分かるように作っているんだろうなあ、と感じられた。

この話は、関口の恋心が切ないんですよ。関口自身が、夢かうつつか、というような、ぼうっとした世界の住人だから、この淡い恋も夢うつつの中に包まれているのだ。そのあたり、永瀬くんの頼りなさげな演技は、うまくいっていた感がある。

すごかったのは、いしだあゆみ。予告編でも披露していた、猫ふんじゃったような叫び。あれは、憑物系ゆえのヒステリックさを含んでいたのか。
ある場面で彼女が話しはじめたとき、えっ、これ、声が違うよ、と驚いた。…やはり憑物系ゆえの演技なのか?
だいたい、お顔自体が、メイクなのだろうけど、やつれていて怖いくらいなのだ。出番は少ないが、インパクト賞受賞の怪演!ですね。

紙芝居屋の三谷昇。彼が言うセリフは重要です。聞き逃さないように!

それから! 猫のザクロ。黒白の猫で可愛いぞ。京極堂の家だけじゃなくて、眩暈坂にも登場してくる、出たがり猫です。

原作者の京極氏も映画に、ちゃっかり登場。エンドクレジットでは、たしか「傷痍軍人(水木しげる)」という役になっていた。紙芝居で「墓場の鬼太郎」がちらっと出てくるのは、お遊びでした。でも、もうちょっと痩せたほうがいいです、京極さん。

京極堂の家や、久遠寺医院などがリアルなビジュアルで目の前にあるのは、映画ならではの感慨。

エンドクレジットが終わったあとに、堤・京極堂の決めゼリフあり。たいしたことないけど、観たいなら、最後まで座っていましょう。
(7月16日)

2005年作品
監督 実相寺昭雄
出演 堤真一、永瀬正敏、原田知世、阿部寛、宮迫博之、田中麗奈、いしだ あゆみ、すま けい、松尾スズキ、恵俊彰、三谷昇、寺島進、篠原涼子、清水美砂、京極夏彦


久遠寺涼子(原田知世)と京極堂

(c) 2005 「姑獲鳥の夏」製作委員会

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評価☆☆☆(3点。満点は5点)

● COMMENT ●

この原作・・・

夢中で読んだのに、結構内容忘れてしまってるんです。映画でちょっと確認したい気もします。ところで京極堂って紫の着物着てるんですか?!イメージが・・・。
そして!いしだあゆみの猫ふんじゃった、やはり憑き物系だったんですかー。ああ恐い恐い。ぶるぶる。
続編は作られるのでしょうかね。「魍魎の・・・」は映像化したら絶対夜眠れないっす!!

TB感謝~♪

私は結局二度読んだんですよ、「姑獲鳥の夏」。
それでも、いしだあゆみの役どころは謎なんですけど。えっと・・・誰?(汗)
京極堂は「漆黒の着流し」でしたよね。「鴉のような~」って比喩もあった気がする。
紫は、やっぱり映像的に映えるためってことなのかしら?漆黒の方が素敵なのに・・・。
本家本元の京極氏は確かに最近おデブさん(^^;
以前はビジュアル的にもファンだったのですけど、これ以上太ったら百年の恋も冷めそうです。

>紅玉さん、小夏さん

お二人ご一緒にレスしますよ。

私も文庫版になってから2度目を読んで、多少記憶が鮮明な状態でした。
映画で初めて観た観客には、分かりにくいところもあるのではないか、と思われます。それでも榎木津の能力など、各キャラの説明は、すぐ把握できるように考えられていると感じました。

紫の着物…ああ、ほんとだ! 自分でアップした写真を見て気づきました。(>_<) お祓いのときは「黒」のはずですよね! あれ?
いしださんは、久遠寺医院の母の役です。原田知世の母です。いしださんの出演はヒット!ですよ。ある意味、尊敬しそうです。(・・;)

新宿の映画館では舞台挨拶があったのですが、根性なくて行けませんでした。少し残念。

京極氏自身、映画のサイトで「第1弾」と言っていますから、続編は視野に入れているはずです。

姑獲鳥の夏。

はじめまして。TBありがとうございました。

関口の恋心、いいですよね。
私は物語最後の関口が京極堂に涼子のことを語る場面がすごく好きです。

>春日さん

いらっしゃいませ。
友人の意見を交えての感想が面白かったのでTBさせていただきました。

永瀬くんの関口は、ぼんやりした加減が、なかなかよかったと思います。

私は京極さんには、最後の紙芝居を見ている場面で気づきました。その時に、ああ、その前に、京極堂を訪問していたのもそうか、と分かりました。思ったより太っていたせいで?(笑)、それまで気づかなかったのです。
ただ、最初に坂で、すれ違ったのもそうだとは、他の方の記事ではじめて気づいた次第です…。

TBありがとうございます

第2弾は、どの作品なんでしょう?
あの壮大な京極ワールドが映画でどう表現されるのか・・・。
今回は、ちょっと肩透かしを食らいましたが。
次回作が、優れたものになることを期待したいものです。

>カオリンさん

いらっしゃいませ。
順番で行けば、第2弾は「魍魎の匣」なのでしょうね。「姑獲鳥の夏」より長くて複雑なのに、どうするのでしょう。
映画を2部作にしたり…しませんかねえ。期待半分で待ちたいと思います。


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