「キック・アス」 - 2010.12.22 Wed
11歳の女の子が、マスクをかぶって悪人どもを次々にブチ殺していく痛快さ。
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こんな、ちっちゃな女の子だと、普通は無力だったり、被害者の側にまわることが多いはず。
そこを反対にしているのが、スカッとする。
キック・アスというのは、セイシュン真っ盛りの、ある男子がマスクマンになったときの名前。
文字どおりの「ケツ蹴り」じゃなくて、「格好いい、クールな」って感じのスラングであるらしい。
彼は何の特殊な力もないけれど、正義のヒーローになったる!とガンバるのだ。その心意気や、よし! しかし…
誰も助けてくれないのに、ひとりで戦う。
みんなが助けてくれれば楽なのに、世の中は良くなるのかもしれないけど。
現実は甘くない。正義のスーパーヒーローは、いない。

理想はあるのに力がない。だったら、理想はどうでも、力はある者とタッグを組めばいいじゃん!?
キック・アスがそう思ったわけではないけれど、ビッグ・ダディとヒット・ガールが彼に接触してきたことから始まって、映画は、最終的にはそんな感じに近くなる。
そう、ビッグ・ダディは復讐に燃えるヤツ、ヒット・ガールはその父に殺戮英才教育を受けた少女、なんてことで、道徳的には、ほめられたものじゃないのだが、そんなことは脇に置いとく。
ふたりの行動は報復であり、それはまた報復を呼ぶ可能性があるもので、決してヒーローの行いではない。
笑える場面が多いのがいいけど、逆に、ちょっと嫌なのが残酷な場面が平気で存在しているところ。「刺されて」「クルマにはねられて」とか、リンチもどきのシーンとか。
たとえ映画であっても、私は楽しくない。
物語上、避けられないのであっても、もう少し直接的な表現はしないですむのではないだろうか。
それが今の時代のリアルといってしまえば、それまでのことなのだが。

また、身近なインターネットがストーリーのうえで多用されているのは特徴的なこと。
私たちの生活とは、もはや切っても切り離せないものなんだなあと改めて思わされる。
ヒーローが自分でサイトを持つし。(笑)
キック・アスが「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」でジョン・レノンを演じた人だとは、見終わってからも全然気づかなかった。まるで、そう見えない!
本作の彼は、後輩ヒーローのクルマに乗せてもらって、助手席にちょこんと座っているときの表情なんて、とぼけたふうで笑えてしまうほど。
君が先輩なんでしょ? 威厳みたいなの、まるでナシ!(笑)
あのマスクでの表情ゆえに、なおさら笑えるのかも。
そんな彼氏のドジっぷり。そして、はじめっからの、なんやかんやの試練を乗り越えて、あのラストへ飛翔!

こう、ほら、がんばってみたらさ、彼女だってできるかもしれないし。
いい方向に向かうことだってあるかもしれない。
いっしょけんめい、やったら。
自分にできる範囲のことを、がんばって、やってみたら?
観る前に、監督がマシュー・ヴォーンと聞いて、どうかなと思ったのだ、じつは。
「スターダスト」という、私にとっては、無性に肌に合わない映画を作っていたからだ。
まあ、過去にそれ1本しか彼の映画は見ていなかったわけで、それが偶然合わなかっただけかもしれない。
で、今回は、面白かったから。

それにしても!
話は戻るが、やっぱり、なんたって、11歳の女の子がバッタバッタと悪人退治をするという衝撃と爽快感とが、映画の中の、ほかの全てに、まさるのではないかと。
彼女は汚い言葉も口にするが、びっくりすることはない。フツーの女の子だって、たとえ、そう思ってても、言わないだけじゃん?
少女がそんなこと言っちゃうほうがクールだったりして。

ヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツが、「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッド・リメイクでヴァンパイア役をやっている、というので、リメイク版も、がぜん興味がわいてきた。
公開初日、立ち見も出るほどに、なんだか、すごい込みようの映画館。公開館が少ないのもあるだろうけど、どんな、そそる宣伝してたの? ツイッターとかの口コミなのかな?
(12月18日 シネセゾン渋谷)
KICK-ASS
2010年 イギリス・アメリカ作品
監督 マシュー・ヴォーン
出演 アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、リンジー・フォンセカ、クリストファー・ミンツ=プラッセ、ニコラス・ケイジ
参考:キック・アス@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆☆(4点。少なくとも1点はヒット・ガールの稼いだ点数。満点は5点)
● COMMENT ●
ヒットガールがクールでキュート
>ノルウェーまだ~むさん
ガールからヒットされたような心地でした。(?)
R指定でしたか。でしょうねえ。暴力的描写に、汚い言葉も。
そうそう、彼のほうは途中でガールフレンドもできたし、ヒーローをやめる気になってたりして。ホントに普通っぽい、のほほんとした感じの青年で、そこがまたいいんですよね。
おお♪
9月頃やってた下町コメディ映画祭のラインナップにこれが入っていて、
観たいなぁと思っていた作品でした。
混んでるってことは、水曜日のサービスデーやファーストデー
だと立ち見になっちゃうかもしれませんね(^^ゞ。
>kiyotayokiさん
コメディといってもいいほど、笑えるところはありますね。
評判が立って、有楽町、池袋など上映館が増えつつあるそうです。そうすると観るのに楽ですよねえ。
観て損はしないと思いますよ。
No title
男性陣はもうこの子にノックアウトでしょうね☆
B級なのにこんなに当たってるのはもちろん
面白いんだけど、口こみでの話題性と、配給さんの頑張りも反映されてますね、
ツイッターで夜中もつぶやいてましたもんね~。
今年のベストに入れる人も多そうだなー、
ボーさんのも楽しみですよ☆そろそろかな?
>migさん
中高生なら、まだしも、日本なら小学生の年齢ですし。それが大の男(女もいましたが)を次々に血祭りに! ワオ!
口コミ、ツイッターですか。ツイッターは私はフォローしてないですから、あまり目にしてない…。
ベストには入るかなあ、たぶん。
今年のマイベスト発表は、今年中にやろうかと、がんばってますよ!
たいして面白くないと思いますけど。。。観てないのも多いですしね~。
こんにちは♪
私はシネコンが好きなので(シネセゾン混みそうですし(^^ゞ)
川崎まで出かけました(笑)
そして、出かけたかいがありました!期待を裏切られることなく
期待通り?以上?に面白かったです!
ボーさんが書いてますように、イキナリ刺されたり、車に追突されたりと
言うシーンは観ていて気持ちが良くないですが(それと人間違いで殺された
キックアスコスプレの人も)、クロエちゃんがバンバン、どんどん人を
殺して行くところも含めて、ここまで付き抜けると、かえって現実味がないから、
まあいいかっ!って自分を納得?させました(苦笑)
アーロン君わかりませんでしたか!私は彼が出ているから、ジョンレノンの時と
どう違うかと興味もあって観たのですが、上手くダサクしてましたよね~
ボーさんが彼だって気がつかなかったってことは、彼の役作りは成功だって
ことですね(^_-)-☆
>ひろちゃんさん
シネセゾン渋谷って、はじめて行ったんですよ。西武のほうにあるのかと思ったら、違いました。
やっぱり、気持ちよくはないでしょう、ああいう残酷シーンは。
じゃあ、悪人が殺されるのはどうだといえば、いいんです、悪人だし。(笑)
豪快に爽快にやっつけるのもいいんですよね、悪人だし。
誰が出ているかなんて、あまり調べていない場合が多いです。
好きな女優さんについては情報がけっこう頭に入りますけど。
アーロンくんは、ジョン・レノンを演じたとは思えないダサめな少年になっていましたね。
No title
「虐殺、大好きです」。いいんだよ、映画なんだから。
>ふじき78さん
悪い奴がぶっ殺されるのは楽しいですよね。
ヒットガール
キャラとして 良すぎますね
ストーリーも意外にしっかりしていて
楽しめました
>リバーさん
続編を作って、また活躍してほしいですね。
楽しめる映画がいちばんです。
ヒットガール、これに尽きますね。
ご無沙汰しております(笑)
「キック・アス」当初あまり期待していなかったのですが、観てびっくり。
今年もいろいろ劇場鑑賞していますが、今のところNo.1ですね。
クロエちゃんのヒットガール、これに尽きますね。将来性、抜群!
「ぼくのエリ」オリジナルを観ていないので、今度、観ようとと思います。
>チェズさん
評判を聞いて、観に行きましたが、やはりヒットガールのインパクトは大きいですね。
「ぼくエリ」ハリウッド版で、どんな姿を見せてくれるのか。
私も昨年度のベストで上位に入れました。
ボーさん、こんにちは!
今でも映画館で立ち見なんてあるんですか?
座席指定が当たり前だと思ってた。(昔はあったけどね。)
やっぱりクロエちゃんの魅力で牽引している作品でした。
少女なのによくあそこまで凄いアクションをやったもんですね~
試練を乗り越えて成長するデイヴが主人公だけど、
視線はヒット・ガールに持って行かれましたね。
>YANさん
ええ、座席指定ですが、あまりに客が押し寄せたので、立ち見でいいなら観てください、ということだったのではないかと思われます…。
クロエちゃん、ここからブレイク! でしたっけ。
思い返すと、彼女しか頭に浮かんでこなかったりして。。。(それも良し)
おもしろかったです♪
>さえさん
だから、立ち見なんかが。。。
続編、ありますか!? クロエちゃんが出るなら、数年後の話になりますね。
いい脚本を作ってほしいです。
またおじゃまします。
>nasunomisoitame
また、なにか足跡のこしていってくださいね~。
こんばんは!
この監督、もしかしたら案外のびたクン的な少年がお好きなの?って思いました(笑)
続編の方のクロエちゃん、かなりおっきくなっているようでしたが
童顔(当たり前、笑)は変わらないようでしたよ~

素直に笑えたのが多かった分、スターダストが好きかな(^_-)☆
>kiraさん
「スターダスト」はねえ…ブログ記事もありますけど、私はダメです。
キョンキョンの「The Stardust Memory」は最高なんですけど。(関係ないって!)
クロエちゃん続編は、もしかしたら土曜あたりに観るかも?
こちらにも
ありましたが、確かに残酷。音楽で誤魔化された感じデス。
ヒットガールがいなければ、この作品ここまで売れてないでしょうね!
>mia☆miaさん
リアルな残酷さみたいな感触には、ちょっと引っかかりを覚えてました。
ヒットガールのキャラクターはサイコーでしたねえ。
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11歳の女の子の大活躍、爽快でしたね!!
酷いシーンは、なるほどR指定だな~と思いましたね。
オタクの彼が頑張る話は、残忍なシーンもあるのにどこかおとぼけで楽しい、娯楽映画の王様ってかんじでした。