「わたしを離さないで」 - 2011.05.14 Sat
人間の命の尊さを静かに訴える。
原作者がカズオ・イシグロという、日本人としては耳になじむ名前であることもあり、また、この原作本のことも噂で聞いていて、ずいぶん前から頭のなかにはあった。
機会があれば読もうかとも思いながら、そのまま今まで来て、映画が先になったわけだ。

文学、というイメージがあったので、現状とは違う設定をもってきているのが予想外だった。
しかし、その設定があればこその話で、「もしも、こんな社会だったら?」「もしも、こうした人たちがいたら、彼らの心の中は?」ということから、私たちの感情に鋭く切り込んでくる。
こんな仕組みは、もしかしたら可能になるのかもしれず、それだけに恐ろしい。

キャリー・マリガンの幼い頃を演じたイゾベル・ミークル=スモールという少女が、すごく、かわいい!
しかも、けっこうキャリーと似ているので、違和感もなし。こんな似た感じの子を、うまく探したものだ。
ベッドに座り、男の子にもらったカセットテープの曲(この曲の歌詞が映画のタイトルだ)を聴く場面は、記憶に残る。
主演トリオの幼い頃の話が最初の数十分で終わるのが、ちょっと、もったいなかった。女優さんが、かわいいだけに!

成長してからを演じるキャリー・マリガンも素晴らしい。
俳優は、演技上で何かしてやろうとか、大層なことを考えないほうが、いい印象になることは多いと思う。
といってもキャリーが何も考えていないということではない。その作品に合った、やり方をしているのが、いいのだ。

「サイダーハウス・ルール」が印象にある、私の好きな作曲家レイチェル・ポートマンの音楽も、あいかわらず素敵だ。
映画紹介や、ほかのブログなどでは、舞台設定のことは書いてあるかもしれないが、私は映画のインパクトを大事にしたいので、そこはネタばれしない。
となると、もう書くべきことはないかもしれない。
この先、映画を見ようと思っている方で、あまり内容を知りたくない方は、トラックバックも、たどらないほうがよいです。(といいながら、TB飛ばしてますけど。)
まっさらな気持ちで見て、感じたほうがいい。

人間の命について考えさせられる、切ない秀作。
All pictures (c) 2010 Twentieth Century Fox
(4月23日 TOHOシネマズ シャンテ)

NEVER LET ME GO
2010年 アメリカ・イギリス作品
監督 マーク・ロマネク
出演 キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ、イゾベル・ミークル=スモール、シャーロット・ランプリング
参考:わたしを離さないで@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
● COMMENT ●
こんな時間にお邪魔します^^
>kiraさん
「サイダーハウス・ルール」、フィギュアで使っていましたか! そりゃ使いたくなるメロディですよね!
あとで読んだ記事によると、幼い頃の3人、大人役と似た子を選んだみたいですね。しかも、大人役と子役が一緒に過ごしたり、子役の目の前で子役の演技の部分を大人役が演じてみたりしたとか。
ラブストーリーとしても上質なものでした。
うんうん。
子役に違和感がなかったトコが一番ですねっ!!
誰が誰か一目瞭然でした(笑)
映画が作りものであっても、それを感じさせないって、基本大切ですよね(*^-゚)vィェィ♪
>オリーブリーさん
同じ人物を演じるのが違った感じの人間では、映画とはいえ、なんとなく変ですもんね。
私はキャリー・マリガンさんと子役コンビしか注目してなかった(笑)けど、ほかのコンビも似ていた…んですよね?(おいおい)
切ない作品でした
このキャリー・マリガンのなんとも言い難い表情が良かったですね~☆
ただ黙って前を見つめるだけなのに、
哀しみや強さなどを含んだ複雑な心境が伝わってきました。
大げさではなく自然な演技なのに、深みがありましたね。
子役たちもピッタリだったし、
映画全体の雰囲気がとても好きでした!
>YANさん
そうそう、キャリーちゃん、素晴らしかったです。うまいんだな~。
可憐な切なさ系が似合ってる!?
雰囲気のある映画、そうそう! いちいち、いいとこ突いてきますね! 記憶もよみがえってきますよ。(少し…。)
こんにちは
キャリー・マリガンの演技がとても良かったですね。
こういうことはいつかありそうで怖いです...
>yukarinさん
こういう内容だとは夢にも思わず観た…と思います。
映画はカセットテープだったんですね。ドラマは、さすがにCDになっていました。
命や生きがいを考えさせるストーリーです。
子役可愛かったですよね
>ベッドに座り、男の子にもらったカセットテープの曲(この曲の歌詞が映画のタイトルだ)を聴く場面は、記憶に残る。
記事の最後の画像のシーンですね!
私も印象に残ってます。青春ロマンスものとしても秀逸なワンシーンでした。
>宵乃さん
映画は、上質なドラマですけど、かわいそうで再見できないかも。
見てみたいけど見たくないような複雑なところです。
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今年のフィギュア、世界選手権で誰だったか、確か使用してましたね「サイダーハウス・ルール」
大好きです~。
>主演トリオの幼い頃の話が最初の数十分で終わるのが、ちょっと、もったいなかった
そうですよね?!
もっともっと観ていたい3人でした。
そして、
ベッドでオトナのキャリーに変わっていくところもなんか好きでした~