「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」 - 2012.02.29 Wed
泣けるから、いい映画だとは言わない。
泣けるよ~=素晴らしいよ~、と言いたいわけでもない。
実際、泣かせにくるんじゃないかなという映画が好みというわけでもない。はじめから泣こうと思っているわけでもない。それでも泣けてしまったから正直に書いているだけなのだ。
しかし、なんの感情ももたらさない映画よりは、泣ける映画のほうがよほど素敵なことには違いないのではないか。

アメリカが受けた9.11。
ひとつの大事件のあとには、たくさんの傷が残される。
映画は9.11で父親を亡くした少年が主役。
彼は父が残した、ひとつの鍵の正体を突き止めようとすることで、父とのつながりをたぐりつづけ、喪失感を埋めようとする。

この少年を演じるトーマス・ホーンが、すごくいい。
2010年からテレビには出たことがあるらしいが、映画は初出演。どうして、こんなに自然で上手なの!?
あとに残された妻サンドラ・ブロックも、お隣の言葉を発せられないおじいちゃんマックス・フォン・シドーも、お父さんのトム・ハンクスも…みんなみんな、いい。
まったく文句なしです。

少年は、ある手がかりによって、大勢の人たちを訪問する計画を立てる。
この鍵に合う鍵穴は見つかるのか?
本作の監督スティーヴン・ダルドリーの「めぐりあう時間たち」は、とても感銘した作品で、今度もまた、それに匹敵するような、いい映画を見せてもらいました。
ありがとう!

(2月25日 ワーナー・マイカル・シネマズ 大井)
EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE
2011年 アメリカ作品
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 トーマス・ホーン、サンドラ・ブロック、マックス・フォン・シドー、トム・ハンクス、ヴァイオラ・デイビス

参考:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆☆★(4.5点。満点は5点)
All pictures (c) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
● COMMENT ●
同じ気持ち
「泣く」という言葉
私は映画の中で、子供が「エーン」と言うと一緒にすぐに泣いてしまう程度の人なので涙は評価には全く関係ないのですが、でもその涙に意味のある時は、感想などでも敢えて「泣いた」と書くときがあります。
嬉しい、感動した、悲しい、切ないと同意語でまた微妙に幅のある言葉として。
>半分以上は泣きながら観ていた
で、半分以上どんな映画なのかも分かったような気もしますよ(笑)
それに映画は、ドラマもだけど「泣かせてやれ」ぐらいの気構えで作って欲しいと思います。それがわざとらしく感じる時は、失敗だったのだと思います。
この映画はじわじわと波のように押し寄せてきました。
本当に、俳優さんたちがみんなみんな素晴らしかったですね。
>ノルウェーまだ~むさん
泣いた泣いたと自分はよく書くので、なんだかそれを自慢しているように思えるかもしれないなあと、ふと考えまして、エクスキューズのように書き綴ってみました。
自分がいいと思うものは、どんな内容であったって、いい! のですよね。
>kiriyさん
ほんと、涙腺が弱くて。子どものころ、父親が朝ドラを見て泣いているのを目撃してましたが、血統は脈々と受け継がれているようです。(笑)
そう、泣くといっても、そのなかには色んな感情が理由にありますよね。
それに、そういう感情は豊かでありたいです。
わざとらしく感じたり、どこかで醒めてしまったり、ということには個人差もあるのでしょうが、本作には素直に浸かることができました。
どうでしょう、登場人物、全ての感情に共感しませんでしたかぁ~?
>オリーブリーさん
会ってくれない人にしても、そんな人は普通にいるわけですし…。でも、会ってくれた率が高い理由がありましたよね。
こんにちは♪
いや~私もボーさんに負けないくらい(笑)泣きました。
ボーさんの言葉(いい映画論・笑)に大きくうなづく私です^^
私もまったく文句なしでした(^^)
ボーさんが、最後に、ありがとうって書くってことは
それだけ素晴らしかった作品なんですね^^
(初めて見たような気がします)
もちろん、私も好きな作品でした♪
>ひろちゃんさん
ええ、最後に「ありがとう!」と書いたのは初めてだと思います。
(なーんて言っといて、前のことを忘れてたりして?)
(でも、似たような言葉を書くとしても、それにふさわしい映画は、めったにないと思われ…)
涙腺の弱さと女優さん好きには定評のある私ですが。(おいおい)
こういう感情を抱いた映画は、再度見るのが怖いと言いますか、感動度が下がるのが怖いのですよね…見たいけど。
ものすごく的違いでありえないコメント
>ふじき78さん
こんばんは♪
でも素敵な作品でしたね。あの日からだいぶたって、ようやく人も街も再生しだしたのかなと感じました
ただ、オスカーが嫌いな物が全部9.11繋がりだというのは切なくなりましたね、人々の心に与えた衝撃は大人も子供も変わらないんだって。
>makiさん
おお! なるほど。受け取り方は人それぞれなので、しょうがないですよね。
私はテレビで見ていましたが、遠い日本でさえ、衝撃はすごかったですから、ましてや近所の人々は…。
心に響く映画でした。
ボーさん、こんにちは!
もっと素直に言えばいいのに~(^▽^;)
ほんとにひねk・・・いやいや・・・(^^;
あのー、出てくる人が皆温かくて、
悲しみが少しずつでも癒えていくであろうと思えましたね。
父と息子の物語に、母のたくましさも描かれていて、
そこがすごく良かったです★
>YANさん
ひねこ…ひねか…ひねき…ひねけ?
このお母さん、すごいですよね! 子どもを無理やり止めたり意見をしても逆効果と分かっているにしても、すごい。
見習います。…って、お母さんじゃないやい!(笑)
自然と泣かされますよね~
少年や他の方の演技も素晴らしかったです。
おじいちゃんと歩いている後姿の画像がいいですね!
>宵乃さん
書き留めておくと、多少は当時の思いがわかるものですね。
逆に、映画というものが、時がたっても新たに思いを伝えられるものだと、わかります。
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コメントありがとうございます。
まさに冒頭におっしゃっていること、そのまま私も同じ気持ちです。
泣かせにきているあざとい映画は決していい映画ではないし、やっぱり思わず泣いてしまったというところに映画の醍醐味がありますよね。
どれだけ心に残ったか?っていうのも大きいと思います。