「海の牙」 - 2012.03.17 Sat
終戦後まもなくの1946年、フランスの製作で、ドイツUボートの物語を語ったもの。
原題の意味は「呪われた人々」。
下のポスターは、いまいち、よく意味がわからないけど。

ブラジルに向けて航海中のUボートのなかで、けが人が出る。医者が必要になって、フランス人医師が拉致同様に船に連れてこられる。
その医師はドイツ語もわかるのだが、いろいろと知ったら困ったことになるかもしれないと、言葉がわからないふりを。
船には、ほかにもフランス人や、女性まで乗っている。
医師は脱出の方法を探る。
そんななか、ベルリン陥落、ヒトラーが死去したという報がもたらされ、艦内に動揺が走るが…。

大戦終盤だから、ドイツ軍の先行きは暗いものだったろう。このUボートも数人の人物をブラジルに「逃がしに」向かっているのだ。
また、さまざまな立場の人間が乗っているから、不安感に加えて、それぞれの思惑も違う。
狂信的なゲシュタポ、その強圧感にマインドコントロールのように従ってしまう兵隊。そのあたりは特に恐ろしい場面だ。
潜水艦は、格好の密室ドラマの舞台になる。
(3月10日)

LES MAUDITS
1946年 フランス作品
監督 ルネ・クレマン
出演 アンリ・ヴィダル、ヨー・デスト、ミシェル・オークレール、フロレンス・マルリー、アンヌ・カンピオン
参考:海の牙@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆(3点。満点は5点)
● COMMENT ●
先日の「タモリ倶楽部」で...
>又左衛門さん
「レッドオクトーバー~」は面白かったという記憶があります。細かく覚えていませんが。
「Uボート」は、ドイツ製作の緊迫感ある映画(だったような…笑)。
海軍カレーなんていいますから、伝統あるメニューですね。
この映画、録画したものですから、去年でしたか、放送されていました。
こんにちは。
「禁じられた遊び」や「鉄路の斗い」「パリは燃えているか」などの反戦映画が得意な監督と思います。
この映画は、反戦系というより、視点を変えてサスペンス系の映画として見ましたので、かなり持ち堪えしました。
でもサスペンス系は「太陽がいっぱい」は別にして、「雨の訪問者」「パリは霧にぬれて」「狼は天使の匂い」等の後期作品は、「居酒屋」や「しのび逢い」等の文芸系に比べると、あまり得意ではないような気もしますが…?。
>ascapapaさん
時期を考えると、戦争批判もあるかなと思いますが、やはり私もサスペンスを重視した作りのように感じます。
たぶん、ドキュメント風なのは上手いのだと思います。それがサスペンスを醸し出す話ならば、結果OK、ということではないでしょうか。
海の牙、というタイトルも、想像たくましく、よく考えましたよね。
この映画、戦争サスペンスとしてわたしは面白く見たのですが、
和訳タイトルのせいで結末が意味不明になっているのがちと。
「それで、題名は?」
「『呪われた人々』」
だとビシッと決まるのに、と歯がゆい思いをしたであります。
>ポール・ブリッツさん
ドイツの将校のようなお名前ですね…?
「無防備都市」にコメいただくのかと思ったら、変化球で、ありがとうございます。
なんだかよくわからないながらも、んん、ルネ・クレマンっぽいなと、なんとなく思いました。これも1946年という製作年が、雰囲気の一端をつくっているんでしょうねえ。
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なにしろ艦内は「マル秘」の部分が多くて、画面に黒いカバーのような覆いがかかります。
タモさんは、制服に身を包み上機嫌。番組の中で、隊員が好きな「潜水艦の映画ベスト3」が発表されました。それによると、第3位は、邦画の最近の「真夏のオリオン?」(未見)だっけ。第2位が「レッドオクトーバーを追え!」。これタモさんもあまり覚えてないとか。そして1位は「Uボート」でした。艦内の好きな食事ベスト3は、3位がとんかつ、2位がステーキ、1位がカレーだとか。皆さんカレー食べてました。
話がそれましたが、「海の牙」はなかなか観る機会がないです。