「マリリン 7日間の恋」(Vol.1) - 2012.03.26 Mon
期待以上に、うまくスクリーンに「マリリン・モンロー」と「ノーマ・ジーン・ベイカー(マリリンの本名)」を刻みつけてくれました。
横顔などの、ふとしたときにマリリンに似ているなあと感じることもあり、しかし何よりも、マリリンの繊細な内面を、物真似ではなく、ミシェル自身の解釈と演技で見せてくれていたことが、マリリン・ファンとしては、とてもありがたく思います。

ミシェル・ウィリアムズさんのマリリン・モンロー。
マリリン・モンローさんという大きな存在を映画に描くには、表面的な見かけや仕草や喋り方を似せようとはしても、彼女の感情の複雑で微妙なあたりをしっかり描くのは難しいことでしょう。
この映画は、その点でも、かなりいいところをつかんでいたと感じます。
ミシェルはメイクをしてみれば、マリリンに全く遠い外見というわけではないのも幸いでした。そのうえでマリリンを研究していけば、もっと似てくる。
彼女はマリリンの映画を見たり、声をiPodで聞いたり、振付師について動きを訓練したりもしたようです。

エディ・レッドメイン演じるコリン・クラーク。「王子と踊子」の第3助監督。
いっしょけんめいにマリリンを研究して理解して演じようとすれば、見ている観客もミシェルのなかにマリリンを見るように感じてくるのです。
ただ、ミシェルは喋り方、声のトーンは変えていないのではないかなと思います。そこまでは真似しなかった。どこまでやるか、の見極めは成功しているのではないでしょうか。
パンフレットには、こう書かれています。
「(略)不安は無視することにして、私らしいマリリンの姿を演じようと思ったの。(略)ひとりの友人のような感覚でアプローチしたの」

マリリンを演じるということが、女優にとって、どれほどの重圧なのか。ミシェルの挑戦意欲には素直に敬意を払います。
どうもありがとう!
Thank you very much, Michelle !

撮影のためにロンドンに到着したマリリン。
映画が始まると、ピアノの美しい旋律が流れてきます。アレクサンドル・デスプラ作曲の「マリリンのテーマ」を弾くのは、ラン・ラン(郎朗)!
そして、マリリンがスクリーンのなかで歌っているシーンへ。
ここでは、“When Love Goes Wrong”と“Heat Wave”がミシェルによって歌われていますが、前者は「紳士は金髪がお好き」、後者は「ショウほど素敵な商売はない」からの曲であり、マリリン自身はこのように歌ったわけではありません。この映画の創作です。

記者会見のマリリンと、ローレンス・オリビエ(ケネス・ブラナー)。
まず導入部として、マリリンの魅力のひとつであるミュージカルシーンを、ガツンと持ってきて、それを観て楽しんでいる人々、これからマリリンにリアルに恋をすることになるコリン・クラークという青年を含む観客との関係を端的に見せた、上手なやり方だと思います。
(「Vol.2」へ続く。リンクは下記。)
(3月24日 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)

マリリンと、アーサー・ミラー(ダグレイ・スコット)。
MY WEEK WITH MARILYN
2011年 イギリス・アメリカ作品
監督 サイモン・カーティス
出演 ミシェル・ウィリアムズ、エディ・レッドメイン、ケネス・ブラナー、ジュリア・オーモンド、エマ・ワトソン
参考:マリリン 7日間の恋@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆☆☆(5点。5点はマリリン映画以外は、ほぼありえないのですが、ミシェルに、おまけします。満点は5点)
〔続きは「マリリン 7日間の恋」(Vol.2)へ。〕
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ミシェル・ウィリアムズさん「マリリン 7日間の恋」ジャパンプレミア
「マリリン 7日間の恋」(Vol.2)
「マリリン 7日間の恋」(Vol.3)
「マリリン 7日間の恋」(Vol.4)
「マリリン 7日間の恋」(Vol.5)
「マリリン 7日間の恋」(Vol.6 オリビエ自伝より)
「マリリン 7日間の恋」(2回目)
「マリリン 7日間の恋」(3回目)
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● COMMENT ●
こんばんは!
>やんちゃりかさん
ありがとうございます。
ミシェルさん、しっかり歌っていましたよね。
原作は読んでいませんが、ちょっと読みたくなりました。
そして、異例ともいえる「映画感想の続き物」!私もここでついついいろいろと書いちゃいそうになりますが、今回はあえて控え目に。
でも!観て良かった~!また映画館で観たいです。次は違う映画館にしてみようかな。
よかったですねー。。。ずっと余韻にひたりながらエンドロールを最後まで眺めていました。
ミッシェルさん演じるマリリン。欲をいうなら、もう少しコケティッシュさが欲しかったかなとは思いました。
でも良かったあ!
>たけしさん
書いていて夜中になったし、画像が多いとケータイで表示しきれなくなるし、で途中で切りました。ほんと、初めてのことです。
次を書いたら、またコメ入れてくださいね~。
私は日曜も観てきましたよ。
>officeroader さん
1000円、いいですねー。私も日曜は1000円の映画館で、2回目を観てきましたよ。
もうちょっと観客が入ってほしいなと思いますが…。
ミシェルのマリリンは、色っぽいというよりは、かわいかったですね。この映画のときのマリリンは、こんなふうに、めっちゃ可愛いかったんだなーと思うことにしました。(笑)
4点台にはしたい!
とにかくミシェルが上手かったね。 彼女も頭のいい女優さんなのでしょう。
ミシェルとマリリンは顔をじっくりと見比べちゃうと違うよなあって思っちゃってたんだけど、途中からそんなことどっちでもよくなっちゃうくらい、2人が一体化してました。 ミシェルがちゃんとマリリンの孤独を受け止めていたことが、この映画に深みを与えていましたね。 個人的には主演女優オスカーはミシェルだよね?と言いたいです!
書いたらまた来るね~
お墨付き?
マリリン大ファンのボーさんのお墨付きなら、大成功なのですね。
ミシェルも本当にやりすぎずいいカンジにマリリンになりきっていて、しかも繊細な部分も上手く演じていて好感持てますよね。
よかった~♪
予告編や宣伝からだと、大女優のスキャンダルをあつかった物語を想像してしまいますけど、そうではなかったですね!心の温かさで包み込まれるような映画でした。
ミシェルは、マリリンを外見だけでなく、内面からもしっかりとマリリンを演じてくれたので、
ほんとうのマリリンの優しさにふれたような感じがしました。コリンのマリリンに対する暖かい愛情も、観ていて心地よかったです。あと、ミシェルは、マリリンの話し方、歩き方とか、よーく研究もされていましたよね♪
音楽もこの映画がもつ雰囲気を上手に引き出していたなぁ、と思いました。エンドロールの音楽は、映画の余韻にしたるのにいい感じでした♪ということで、2回観てきました(笑)。
なんだか、上映時間が40分くらいにしか感じず、あっというまに終わっちゃいましたよ(笑)
なので、たぶんまた観に行きます(笑)
そうそう、
あと、ローレンス・オリビエが「王子と踊り子」を制作したことを自分自身に対してどう評価したのか、知りたくて自伝を買ってしまいましたよ(正確には注文中)(笑)。
>rose_chocolat さん
ミシェルには感心します。こないだ見た「ブルーバレンタイン」もやれば、マリリンもできる。
この映画を観てみれば、オスカーはミシェルにとってほしかったと思いますね。メリルは、もう、あのくらい上手くて当然、というふうに見るべきで、ミシェルにあげて、もっと讃えてあげたかった!
顔もね、あのくらい雰囲気で似てたら問題ないです。
>ノルウェーまだ~むさん
マリリンを、よく研究したうえで、どこまで、どのようにやるかを考えて、大切に演じたのだと思います。
ほんとに、ありがたいことです!
>さえさん
そうなんです、マリリンの悲しさや複雑な面もありましたが、その上から、あったかさが、ふんわりと覆って、後味がいい映画になっていました。
コリン役の青年も素朴そうでいい感じでしたね!
私も、すでに2回。
100分の映画なので、もともと長くはないですが、短く感じるのは、それだけ、楽しめる良い映画ということですね。
私も、また観たいです。109は行ったことないかも。
オリビエは、この映画の中では、自分に対しては、いいところなし、みたいに言っていました。実際はどうだったのか知りたいですよね。
こんばんは。
映画は私も星5つです!
ミシェルさんとてもよかったです。繊細な表情でアピールしすぎないけどリアル。だけどちゃんと伝えてくる演技でした。ローレンスオリビエもよかった~。そして背景、はじまりの切なげなピアノ。泳いだ後、家に帰るときに見せる(魔法の時間が終わってしまったかのような)表情のきりかえとてもよかったです。映画の舞台裏もわくわくしました。まだまだよかったとこありますがきりがないのでやめときます。
新潮文庫の原作を読んだ私ですが、映画と本は違うものだと理解してるのですが、
原作を読んでいるときに、ここのマリリンの言葉深いな~このマリリンの行動かわいいな~(本当に実話かは本人にしかわからないが)映画で再現されるだろうなと頭の中でどんどん妄想試写会してしまい、映画では、そのシーンが違う形で表現していたり、なかったりと、原作を先に読んでしまってからこその余計な期待のせいで、「あのシーンのマリリンみんなに観てほしかったな~」と思ったりしました。
たびたびすみません…
来日のミシェルさんも上の写真だけでも、本当に素敵!
感想の続編もお待ちしてます♪
(私はちと初日に違う方を優先してしまったら、映画館に観に行けるかあやしくなってきた…(汗))
>やんちゃりかさん
いま発売中の文庫本とは別に、「王子と踊り子と私」というのがあると聞きましたが、それのこと?
たいてい、本は映画よりも詳しい内容になっているのが普通ですね。映画は時間が限られていますし。
文庫は安いので、買ってみたい気持ちになってきましたよ!
>まおさん
アクションものではないですけど、大きな画面と、いい音響のほうが絶対に、いい印象と体験になります。とくにファンならば。天と地の違いですよ。
続きは別記事を立てることになりそうな…少々お待ちを。
こういう場になると、きっと、好評価でない方は、コメント書きにくいこともあるのかも?
こんにちは♪
なんとなく似てたし。
マリリン大ファンのボーさんの感想が気になってましたが良い評価のようで...
この作品を機にたくさんの方にマリリン出演作を観てほしいですね。
私も観なきゃー。
ボーさんもミシェル好きだったんですね~。
男性で好きな人多くてびっくりです(笑)
私はあまり好きじゃなかったんだけどこれは可愛いなって思いました。
でもやっぱりマリリンと比べちゃうと、、、、
ってこれは仕方ないですよね。
そっかそういうアプローチで演じたんですね、
これをキッカケに、マリリンの可愛さをわかって、興味持ってくれる人も増えてるみたいでファンとしては嬉しい事ですよね。
もっとマリリン没50年で劇場で上映すればいいのにね。
マリリンの映画を。
>yukarinさん
なんとなく似てるでしょ!
そして、心を込めて演じれば、もっと似て見えてくるものです。
yukarinさんも、マリリン映画をいっぱい見てくださいね~!
>migさん
ミシェルはねえ~…かわいいですもん。とくに本作なんて。
演技も上手ですし。
髪が短いときは、ちょっとな、とも思いますけど。
マリリンの映画や人生に興味をもってくれる人が増えたらいいですよね。
それに! イベントが少なすぎます。映画祭とか、写真展でもいいから、なんでやらないのかな~。50年の節目なのにねえ!
ありがとうございます。
「マリリン7日間の恋」映画また観に行こうと思います。
>やんちゃりかさん
情報によりますと、日本語版は、なさそうですよ。残念です!
詳しくわかったら記事にするかもです。
こんばんは~☆
ちょっと訳ワカンナイ感想になってるかも~ですが、
追い詰められていくマリリンの孤独を受け止めるコリンがよかった♪
ミッシェルも無理やり完がなくて、特にデート途中の学生にサービスのシーンは
一番にてたかも~。
私はビビアンがアノヒトっていうのが納得できなかったけど~(笑)
>kiraさん
お大事に!
フィギュアは、今回ぜんぜん見ませんでした~。
学生に囲まれる場面、うれしそうな感じが出ていたのもよかったですね。
コリンもよかったです。マリリンがいたら、自然にああなっちゃうと思いますけど…それは私のようなファンだけか…?
ん、ヴィヴィアン・リーの? んー、まあ、いいんじゃ?(適当発言?)
感想文、Vol.5まであるので、ひまなときに読んでくださいね!
娘の卒業や入社準備で忙しく、なかなかお邪魔できないうちに、、、ボーさん、すごい、もう5回も観たのねっ!!(笑)
マリリンファンの方がそれだけ気に入られたって、ミシェルも喜びますよ♪^^
「ブルーバレンタイン」でもやっぱり上手いと思ったけど、またまた演技力を立証しましたよね。
仰るとおり、ものまねそっくりさんにならず、ミシェルなりのマリリン像がとっても繊細でチャーミングでした。
大スターなんだけど、一人の女性として何となく気持ちが分かるの^^
オープニングとラストの映像、本当にスクリーンに愛された女優さんなんだと感じました。
>オリーブリーさん
おお、卒業・入社ですか! おめでとうございます。
んー、これ、5回観たんじゃなくて、5回に分けて書いたんですねー。わかりにくい。
観たのは3回です。
観客の皆さんに、いいなと思ってもらえるふうに演じてくれたミシェルには、感謝感激雨あられです!
こんばんは
TB&コメントありがとうございました。
>どこまでやるか、の見極めは成功している
そう思いますねー。
外見を完コピするというよりは、その内面を見抜いて演じようという気持ちを感じました。
確かに超有名人を演じるというのは、ミシェル・ウィリアムズとしてもそうとうプレッシャーはあったかと思いますが、その加減をうまくとっていましたよね。
アカデミー賞を競うというのもわかる演技でした。
>はらやんさん
はじめにミシェルが演じると聞いた時、顔を見て、さて似てるのかなあと疑問符がつきましたが、いざ観てみると、予想以上に感じをつかんでいるので感心しました。
無理なことはしないで、ていねいに、よく考えてアプローチしていたと思います。
アカデミー賞、メリルが今回いなかったらなあ…惜しいです。
TB、来ていないようですね。再度やってみてください。
観てきましたよ!
ミシェルの映画としては実に素晴らしい。でもマリリン、となると、うしても拭いきれない違和感が。質感が余りにも違うな、と。Yahoo!映画の寸評欄の森山京子さんの感想とほぼ同じかも。 ごめんなさいね・・・
>unikoさん
私はミシェルのマリリンとして、いいと思います。あとは、知らない方のためにマリリン紹介編としても。
森山さんの評、読んできました。たしかに。わからないことはないです。
でもまあ、では、誰がマリリンを演れるかといえば…??? わからないですよね~。
●
感想は人それぞれ、そんな風に思ってくれるんですね。よかった~。ここにおじゃまするのが、ちょっと怖かったんです><。
6月1日にコメントすれば、それに免じて許してもらえるかしら?なんてこともちょっと考えてましたがw。
そう言えば、マリリンは生きていれば86歳か~。本当なら生きていても可笑しくない年齢ですよね。グラディスも長生きで・・
そうそう、ボーさんはジェームズ・ハスピールのマリリンについて書いた本は読んだことありますか?
マリリンの追っかけで、友人になった、という人。特にNY時代よく一緒に居たっていう。
コリン・クラークも、スクリーン上のマリリンに恋して、ファンから映画の世界へ入っていく、あの下りがワクワクしました。
彼がイギリス人だから、余計ロマンチックに感じちゃうのかもしれませんが!^^
私こちらもまだ読んでないんです。面白かったですか?
>とらねこさん
だいじょうぶですよ~。
この映画、それほど気にいっていない方も、けっこう、いらっしゃいますよ。
私自身は、気に入らない映画だと、わりと、そのとおりに書くので(というか、そっけなく文章が終わったりして。笑)、そのときは私のほうも心配…。
グラディス、お母さんですね。娘より長生きしたのでした。。。
あ、ハスピールの本は読んでいないです。何かのフィルムで彼自身を見たことはありますが。
なんだか、うらやましい人ですよね! ファンから友人になるなんて、もう!
コリンの原作本は、ほとんど映画と同じに感じました。だから、感動とかはしないのですが。映画との大きな違いは…エマ・ワトソンの役は、原作では、衣装係と仲がいいらしいじゃないか、みたいに、コリンが誰かに言われるくらいで、実際には登場しませんでしたよ。
後日になってから書いているせいか、考え方がしっかりしているというか、1956年に感じたことだけでなくて、執筆当時の頭の働きも、当然、加わっているんだなと思いました。
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やはり最初のシーンの、知っているミュージカルの2曲がかかるとうれしかったです。
マリリン7日間の恋の、原作本は読まれましたか?