アルバム「Breezing」 キョン2ディスコグラフィ(9) - 2012.10.13 Sat
その前に…
1983年、オンエアの月日は覚えていないけれど、2本のCMが記憶に残る。
まず、学生援護会「日刊アルバイトニュース」。


「人間だったらよかったんだけどねぇ」というセリフが受けた。糸井重里の作らしい。「ほぼ日刊イトイ新聞」の「キョンキョンと原宿を歩く。」のなかに小泉さんと糸井重里との会話があり、彼女が髪を切ったあとの最初の仕事とされている。

それから、ライオン「エメロン エチケットシャンプー&リンス」。

♪フケもおさえてウキウキフワフワ~ においもおさえてフワフワウキウキ~ 恋のお世話もいたします~ フレッシュフレッシュエチケット… という、かわいい歌にのせて、キョンキョンがシャンプーしている。
また、7月2日には出演映画十階のモスキートが公開された。
7月5日、3枚目のアルバム「Breezing」(ブリージィング)発売。
breezeは、そよ風などの意味だが、breezingを辞書で見ると、馬を制御しないで自然に走行させること、みたいなことになっている。
…アルバム名は、たぶん、そよ風が吹いている的な意味じゃないかと思うが(帯に「キョンキョンの前では、そよ風も踊りだす!!」とあるから)、キョンキョンが縮こまらずに伸び伸び自然に歌った、ということにしてもいいかな?
復刻プラスアルファ・アルバム「Breezing+2」に載った解説文によれば、3枚目から声の調子が変わってきますね、自分を出し始めた頃?と聞かれて小泉さんは「そろそろ本領を発揮し始めてた」と答えている。
「女の子っぽいGirl Sideと大人っぽいLady Sideに分かれてたから、ああ、アルバムはこうやって作るんだ、とも思いました。子供だったから大人な歌を歌えるのがうれしくて」。当時のレコード盤は、表と裏があったから、このアルバムでは、片面(1曲目から5曲目)をポップで弾けるように明るい曲、片面(6曲目から10曲目)を少し大人びた曲で統一した。いわゆるコンセプトアルバムだ。

プロデューサーの田村充義さんは、小泉さんに、誰に曲を書いてほしいかを聞いた。彼女は「あっ、そういうこと、ありなんだ」と印象に残ったという。
シャネルズと横浜銀蝿が好きと答えたそうで(…だからヤンキーなどと言われるんじゃないか?キョンちゃん)、3、4曲目には作詞作曲に田代、鈴木のシャネルズコンビが参加している。
ほかにも、南こうせつ、タケカワユキヒデ、原由子などの名前が見えて、これもプロデューサーが代わったことによる変化かもしれない。
(無理やりな)例として挙げれば、ビートルズがアルバムの1、2作目は、とにかくいろんな歌を詰め込んできて、3作目の「ア・ハード・デイズ・ナイト」で、はじめてコンセプトアルバムをつくった(A面は映画のサントラ、B面はその他)のに似ているような気もする。1、2作目で経験を積んで、3枚目でステップアップするのだ!?
とくに5曲目までのGirl Side、元気で明るいポップな曲の連続は、明らかに2枚目までのアルバムから、一段上のステージに上がったと感じる。
作曲陣が新しいのも大きな理由だし、音はパキパキはっきりして、リズムがよくて、聴いているとウキウキとしてくるのだ。
1.まっ赤な女の子
作詞:康 珍化、作曲:筒美 京平、編曲:佐久間 正英
曲が始まる前に、breezing(ブリージング)…from Kyoko to you…と声が聞こえて、小泉さんが「From Kyoko to you(今日子から、あなたへ)」と言う。
この歌の前奏が始まるだけで、もうノリノリで楽しくなってくる。
この曲については、シングル「まっ赤な女の子」 キョン2ディスコグラフィ(8)を参照。
♪ぬれたTシャツ ドッキリ 脱げばキラリ 赤いビキニ Yeh! Yeh!
2. Candy Kiss
作詞:湯川 れい子、作曲:南 こうせつ、編曲:大村 雅朗
このアルバムの、はじめの5曲はGirl Sideのコンセプト。曲と曲の間も、なにかでつなげている。1曲目と2曲目の間は、ドラムスの短いフレーズ。
手拍子が効果的。明るくて、リズムがよくて、はっきりしている歌。お、これは過去2作のアルバムとは違うぞ、と感じはじめる。
編曲の大村さんは、松田聖子さんなどの曲でも活躍していて、ジャパニーズ・ポップスの大物だと思う。
♪あの人は もう誰かのモノですか 夢でわたしを抱いて ずるいキャンディーキッス
3. だから抱きしめて
作詞:田代 マサシ、作曲:鈴木 雅之、編曲:村松 邦男
ウーシュビドゥビ シュビドゥワッパッパ…というコーラスが楽しい。
「ダーリン」の歌詞で、ダーと音程が上がったところで声を裏返すのが色っぽい。以前からそうだったが、ときどき、このワザをやってくれる。
♪あなたと歩く ムーンライトビーチ 二人で探した サクラ貝
4. Happy Birthday
作詞:田代 マサシ、作曲:鈴木 雅之、編曲:村松 邦男
曲間は氷の入ったグラスの音が。男性が「渋谷まで」という声が、はっきり聞こえる。(笑)
ポップな曲が続いて、楽しさも続く。
終盤、自分の声での「ウォウォウォ~」というコーラスがつくが、ちょっと、たどたどしい。そもそも、ウォウォウォーなどと歌わせるのがいけないと思う。
♪いじわる あなたはロンリーボーイ 今夜はあなたに伝えたい オー・マイ・ダーリン
5.ときめきたいの
作詞:三浦 徳子、作曲:タケカワユキヒデ、編曲:甲斐 正人
グラスの音で曲間をつなぎ、キョンキョンの「ワン、トゥー、ワントゥースリー」の合図で男どものキョウコ~という掛け声が。親衛隊まで歌の中に入れちゃった! 本物の親衛隊かどうかは知らないが。(たぶん違う…のかな?)
コンサートでやったら、大盛り上がり間違いなし。
♪ドア叩く人は誰よ ひと晩眠れない でも私 幸福よ 恋することができたの
6.春風の誘惑
作詞:篠原 ひとし、作曲:緑 一二三、編曲:萩田 光雄
ここからは、「大人な」Lady Side。
本アルバム発表の段階で、ひとつ前のシングル曲だったので、もはや懐かしい気分。
この曲については、シングル「春風の誘惑」 キョン2ディスコグラフィ(6)を参照。
♪もうすぐ春です 心がなぜか 急ぎだすわ もうすぐ春です 素敵な恋を綴りましょう
7.愛なき世代
作詞:竜 真知子、作曲:鈴木 キサブロー、編曲:萩田 光雄
前奏からして、大人っぽい。こうした感じの曲は、セカンドアルバムあたりにもあったようにも思うが…。ドラマチックではある。
♪水色の受話器を 握りしめ迷ってる あの人につながる ダイヤルが廻せない
8.夢見る年頃
作詞:青木 茗、作曲:滝沢 洋一、編曲:難波 弘之
曲間は、波の音。あなただけに夢見る年頃…かわいい曲。
♪映画を観たあと 何故か無口なの それは多分 思い過ごし
9.雨の海岸通り
作詞:三浦 徳子、作曲:タケカワユキヒデ、編曲:甲斐 正人
引金、Burn! Burn!(バンバン)…と、物騒な、じつは切ない歌詞を歌い上げる小泉さん。最後は、歌でなくて、語りで終わる。
♪人さし指を背中に向けてるの 向けているの 約束を破った時 この引金ひきましょう
10.Kiss Me Please
作詞:原 由子、作曲・編曲:奥 慶一
夢にまで見たわ、の歌詞で、例の裏返りボイスを披露。
恋に恋していたの、だけど今は違う。…こうして大人になっていくのか…。(笑)
♪ああ 雨が降る ああ 光る海 揺れる私の恋 どうかなりそうなの
参考:ウィキペディア 小泉今日子、小泉今日子 歌の全曲集(第11版)
関連記事:
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アルバム「詩色の季節」 キョン2ディスコグラフィ(5)
シングル「春風の誘惑」 キョン2ディスコグラフィ(6)
ファースト・コンサート 「消しゴムのない手紙」 キョン2ディスコグラフィ(7〔番外編〕)
シングル「まっ赤な女の子」 キョン2ディスコグラフィ(8)
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● COMMENT ●
>モペットちゃんさん
27日のNHKテレビ「SONGS」でしょうかねえ。新アルバムが出るので、少しプロモーションしないと。
いま、CDはネット配信に押されて売れないから、大変なんです。あ、私は予約済みです。(スタッフ代理のボー)
ボーさんへ>
まずは、最初のCMの画像ですが、懐かしいですね。日刊アルバイトニュース!!
小泉さんのなんとも言えない表情が印象的です。
あと、「わたし今日子」。これ就職した年に神田の古本屋さんで見つけて買いました。驚きの金額でしたが、どうしても欲しかったので。。(でも、今はどこにあるか分からない(泣))
本題のアルバムですが、「Breezing」はやはり最初の、「Breezing Breezing Breezing 。。。 Breezing from Kyoko to You」がなんと言っても印象的。
また、レコードのよいところで、「Girl Side」と「Lady Side」に分かれているのも
印象に残っています。私はプレーヤを持っていなかったのでカセットに録音して聴いて
いたのですが、カセットもA面、B面になっていたので、レコードと同様、A面、B面に分けて
聴いていました(カセットなんて何年聴いてないのだろう。。。)
曲は田代、鈴木コンビが登場ですね。私は、小泉さんのお誕生日もお祝いしますが、
自分の誕生日は結構、「Happy Birthday 」を聴いて、ちょっとだけ幸せを感じていました。なので、この曲は結構好きです。あと、「Girl Side」では、最後の「ときめきたいの」も好きですね。こういうコールが入っている曲って、案外好きなんですよ。全盛期のコンサートに行って、この曲やってくれたら、間違いなく叫んでいたでしょう。流石にこの曲は生で聴ける機会はないですかね。。。
「Lady Side」も全体的に好きですが、特に好きなのは「雨の海岸通り」でしょうか。出たしも好きですが、最後のセリフが、切なすぎます。。。
「Breezing」は、もう何年も聴いてないような気がしますが、結構覚えているものですね。当時、どれだけ繰り返して聞いたんだろうという感じです。いやー、懐かしいです。
次のディスコグラフィも楽しみにしています。
>moonstarさん
だんぜん日刊アルバイトニュース! キョンちゃんは、セリフなしで、そこにいるだけでも、彼女の表情のアップで終わるCM。なつかしいですよねー。
エチケットシャンプーも、YouTubeで見て、記憶が一気によみがえりました!
「わたし今日子」は、今もオークションで出てくるようで、欲しい人は入手できるかもしれないですね。
うちにもあると思いますが。わりと大判の本でしたっけ。
A、B面でそれぞれ趣旨を変える、というのは、CDになってから、できなくなりました。
このアルバムでは、やっぱり、明るいGirl Sideが出色だと思います。
1枚目、2枚目のアルバムから聴いてくると、3枚目でグンとポップになっているのが感じられます。
私もウォークマンで聴いた覚えがあるのですが、テープに録音したのか、テープを買ったのか…記憶が…。
誕生日の歌を自分の誕生日に聴く。いいですねえ。
「ときめきたいの」は、エルオーヴイイー、LOVE ユーなどと、英語のつづりで歌うのが印象に残ります。
歌詞の出だしを記事に書いているのは、紹介の意味もありますが、それでメロディを思い出すことがあるからです。…って前に言いましたっけ?
「雨の海岸通り」、切ない恋なのですよね。人差し指を自分に向けるのですから…。
このアルバムは、新生キョンキョンの勢いがあって、いいですよ~。
>ボーさんへ
「Happy Birthday 」は、先日の新宿のイベントでバンドの方が誕生日だったので、流れましたよ。
小泉ファンは、やっぱりこの曲で祝ってもらいたいもの。
>moonstarさん
誕生日の人がいて、いいタイミングでしたね!
タイトルが、ずばりそのものだし、「ハッピーバースデー、ダーリン」なんて言われたら、うれしいですよねー!
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NHK-FMだったと思います。
違っていたら、すみません。
個人的には、民放の特集の方が、ツイッターがたくさん読まれたりして、面白いと思うのですが…。