「ルルドの泉で」 - 2013.04.24 Wed
ルルドの巡礼のことは知っていたから、映画で実際の風景が見られると期待。
少女がマリア様の姿を見て(ほかの人間にはマリア様は見えなかった)、その地に泉がわき、その水で病が治った者が現れたことが発端。
やがて教会が聖地に認定して、巡礼者が大挙してやってくるようになったんだったかな…。

奇跡を信じたいのか、気休めなのか、観光目的なのか…。
奇跡を信じたいのか、権威を示したいのか、商売なのか…。
いろんな思いが渦巻いているんだろうなあ。
以後ネタばれあり、注意!
車椅子の女性クリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)に付き添い、お手伝いをするマリア(レア・セドゥ)。
マリアは、あんまり真面目じゃなくて、クリスティーヌをほっといて男としゃべってたりするけど、実際そんなこともあろうかと、リアルといえばリアル。
若々しく、娘たることを好きなように満喫するマリアを横目にしながら、クリスティーヌの気持ちはどんなだったろう。表には出さないが。
私も歩けさえしたら…?

ルルドに来た一行のリーダー的存在のセシル(エリナ・レーヴェンソン)は、途中で倒れてしまう。
よき事をやってきているのに倒れるとは…ここは聖地なのに? 彼女は殉教したなら喜ぶ人なのか、そうではないのか…。
彼女の代わりに、誰かに奇跡が起きるのか。
セシルは、音楽家と盲人の守護聖人セシリアから来ている名前。
…ネーミングのことをついでにいえば、クリスティーヌは、もろにキリスト教徒を意味するふうだし、マリアなんて、そのまんまだし。
で、クリスティーヌが立てちゃうんですねえ。
そうすると、周囲の目は、うらやんだり、ねたんだりするほうが多いような…。
一時的に立てることもある病気なので、奇跡かどうか、医師にも見せに行ったりする。

けっきょく…最後のクリスティーヌのシーンは、すごい。そこで終わるのも余韻が残って素晴らしいと思う。
(4月14日)
LOURDES
2009年 オーストリア・フランス・ドイツ作品
監督 ジェシカ・ハウスナー
出演 シルヴィー・テステュー、レア・セドゥ、エリナ・レーヴェンソン
参考:ルルドの泉で@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
2009 (c) coop99 filmproduktion, Essential Filmproduktion, Parisienne de Production, Thermidor
● COMMENT ●
2012年鑑賞作ベストテン入り。
>rose_chocolatさん
あの場で、ああいうことになるとは、かわいそうです!
…てか、彼女も、はしゃぎすぎ? 登山まで、してたしねえ~。
レアさんも、こんな不実な(?)役をしっかりやってましたね。
こんにちは
みているこちらもひやっとした作品でした
戻ってしまえ、なのか、やっぱり奇跡ではなかった、なのか。
ハネケのお弟子さんの作品という事ですが、
なるほど納得のいく作風でしたね
>makiさん
ハネケの弟子ですか。知りませんでしたー。
なるほど。
人間の意地悪な気持ちを突いてきましたよね。
そういう人たちと、優しい気持ちでいる人たちの違いって、どこで、どう分かれていくのだろう、なんてことも思いました。
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これは最後の余韻がとんでもなく残酷で、いかにもフランス映画なところが大好きです。
レア・セドゥも好きだしね。