「イノセント・ガーデン」 - 2013.06.15 Sat

男(叔父)の首筋に注目!

庭で対称的なポーズを。
オープニングクレジットの文字の出し方から早くも視覚的な工夫が見られて、目を引きつけられた。
一緒にハンティングに出かけるほど仲がよかった父親を交通事故で亡くしたインディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)の態度のせいもあるだろうか、はじめっから、なにか秘めたるもの、妖しいもの、不穏なものの雰囲気がしている。

母の顔の陰から、そっと窺い見る。
ゆでたまごをゴリゴリとテーブルの上で割りつぶす、その音。
男子生徒たちに、はやされ、迫られたときの強烈な反撃。

三角関係? 映像も綺麗。このハンモック(?)おもしろい。
叔父に抱かれるようにしてピアノの連弾をするときの恍惚。
ほかにも、さまざま、これは!というシーンがある。

同じ靴がサイズ違いで。だんだん大きくなるサイズを見せる映像もユニーク。
ミア・ワシコウスカさんを直近で見たのは「永遠の僕たち」だが、本作では、ぜんぜん印象が違って、びっくり。ウィッグとコンタクトレンズで、髪と目の色を変えたのも大きいだろうけれど。
彼女の、ほかの作品もチェックしたくなった。

ニコールにも文句なし!
とつぜん現れて滞在をつづける叔父チャールズ(マシュー・グード)の存在が、インディアと、いまや未亡人となった母イヴリン(ニコール・キッドマン)に及ぼす影響…。
母娘の緊張した関係にも、どきどきする。なにしろ、私が大好きなニコール(大好きな女優が何人いるんだ?という質問については、過去の記事を全部読んでください、とお答えしておきます)、大好きなニコールが美しいばかりか、演技もうまいものだから、危険な三角関係が見ている側にもバシバシ響いてくる。

髪を梳く。この髪のアップが葦原(?)に変わっていくのも抜群のアイデア。

こっちにも鏡が。魅せてくれるねえ。
オープニングとエンディングの関連の見事さにも、うなった。(花の色に注目!)

蜘蛛が脚をのぼっていって内股のほうに…。すごいイメージ!
韓国の映画監督パク・チャヌクがハリウッドでつくった映画。
彼の作品では「オールド・ボーイ」は見ているが、それほど好きじゃなかった。
でも、本作のような素晴らしい映像表現が、もしもあるのなら、韓国映画ももっとチェックするべきなのかもしれない。

冷ややかに見つめる娘と話す母イヴリン(ニコール)。
驚いたことに、「プリズン・ブレイク」などに出演した俳優のウェントワース・ミラーがオリジナル脚本を手がけている。
原題は「STOKER(ストーカー)」で、この映画で描かれる一家の苗字だが、映画には、つきまとうほうの意味の「STALKER」の要素が多分にあって、ダブルミーニング的な示唆を含んでいるようにも思える。

このショット、印象的。
(6月9日 ユナイテッド・シネマ としまえん)
STOKER
2013年 アメリカ作品
監督 パク・チャヌク
出演 ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、マシュー・グード、ジャッキー・ウィーヴァー、ダーモット・マローニー

このショット、狩りの獲物は…?
参考:イノセント・ガーデン@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX. All rights reserved.
● COMMENT ●
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>とらねこさん
はい、ニコールの作品は、ほぼ観ます!
映像で魅せてくれて、いろんなところで、感嘆しながら楽しみました。
そうですね、これが父と息子の三角関係だったら…う、想像するのはやめましょう…。
新しい靴のシーンは、以前の靴(私)は卒業、これからは…という象徴でもありましたね。
ボーさん、こんにちは!
夫が亡くなっても悲しむ様子がないし、
娘に対する態度も冷淡だし、
どういう怪しい人物かと思ったら、
もっと危ない人物をミア・ワシコウスカと
マシュー・グードが見事に演じてましたね~
映像が本当にステキでした☆
>YANさん
観ますとも!
ニコール目当てでしたが、映画自体も好きですねえ~。
今年のマイベスト10入りは確実。
STOKERは「ドラキュラ」の作者名でもあって、意味深です。
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母が娘の髪を梳くシーンて、良くある光景なんですけど、ゾッとするような緊張感を持たせていて、面白いシーンでしたね。
そうそう、母と娘の三角関係って、なんだか異常でア・ブ・ナ・イ。
白雪姫のモチーフが効いてましたね。