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2017-08

「かぐや姫の物語」 - 2013.12.15 Sun

月から来た娘は、自分らしく生きることを許されなかった。

人間らしい生き方って、なんだろう。
他者との関係、社会との関わりのなかで、人は思うがままに生きられるのか。

生まれ、

桜の花を目の前にした喜びから、あることによって気分が一転、落ち込んでしまうシーンに代表される、かぐやの表情の豊かさ。喜び、悲しみ、あきらめ。
こんなにも、その感情の動きを生き生きと、私の脳裏に刻みつけていった、かぐや。

物語にぴったり合った、絵のタッチが生きている。
絵の表現力、想像力のすごさは、とくに「夢」のような、ふたつのシーンで印象づけられる。

かぐやは野山を駆け巡り自然と親しみ、近所の年上の男の子をほのかに想う、活発な女の子になった。
しかし父は、彼女を京の都で貴族の娘のように育てようとする。それは娘のための豪華な衣装や大金を、天から授かったためでもある。
天の意思が「姫にお金をかけて立派に育てよ」ということだと受け取っても、おかしくはない。

だが、かぐやは都での高貴な暮らしは好きではない。
求婚に来た5人の男にも無理難題を押しつけて追い払ってしまう。
…自分が願ったようには生きられない。

育ち、

さて、ここで考える。
平安の昔とは限らず、自分が願ったように生きられた娘は、どれほどいたのだろうかと。
どういう身分の家に生まれるかは選べない。生まれたからには、その家の制約に縛られる。
政略結婚の道具になる、一生農民で終わる、などなど。
不自由だっただろうな。かぐやのように反発した娘もいたに違いない。

月からの迎えの一行を見ると、典雅な音楽をかきならし、いかにも穏やかで、なんだか仏教の神様っぽい…。
月の人たちは、かぐやが地上に生きるなら、やはり、優美な暮らしをさせることを望んだだろうなあ、と思えるのだ。本人の希望とは関係なく。

ここに残りたいと強く思っても、地球での記憶を消されてしまう、かぐや。まるでマインドコントロール。
でも、かぐやのことは地上の人々は忘れない。
せいいっぱい、この地で生きた、あなたのことを、私たちは忘れないよ。

(12月7日 イオンシネマ 大井)

そして、

2013年作品
監督 高畑勲
声の出演 朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子

参考:かぐや姫の物語@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)


(c) 2013 畑事務所・GNDHDDTK

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● COMMENT ●

こんばんは

ボーさんもこの作品を気に入られたと聞いて、なんだか嬉しいです。

そろそろ、今年のベストを選出する時節になりましたよね。
アニメ作品ばかりをベストに入れてしまうのは本来、あまり好きではないんですけれど…
今年は、ベストに入ってしまいそうなアニメ作品が多々あり、嬉しいような困ったような気持ちです…。

>とらねこさん

こんにちは!
はい、「風立ちぬ」もそうでしたが、予告編、何分もあって、音楽だけ流して。よかったんです。
「あまちゃん」の宮本信子さんが声の出演なのにも引かれました。

私はアニメ映画はそれほど観ていないので…これはマイベスト10に入るか、どうでしょうか、お楽しみ!?

ハイリスクな女 かぐや姫

かぐや姫・・・見てませんでしたが、中学のころ「蓬莱の珠の枝」という、かぐや姫の一節部分が国語の時間であったのを覚えてます。

しかも古文の読み仮名になってましたので 勉強がダメな自分にはまったく読みこなせませんでした・・・

ただ かぐや姫を嫁にするには 「ハイリスク・ハイリターン」の試練がつきものだってことはわかります。

まさにオーシャンズ・シリーズ (11、12、13)みたいに でかい報酬にはでかい危険を乗り越えないといけない・・・そんな解釈ですが 間違った解釈でしょうか・・・ちなみに ボーさんは 学生のころ 国語、古文は得意でしたでしょうか?

最後に かぐや姫の育ての親であり翁役の声の地井武男さん 亡くなったのは残念です。 生きてる間に映画公開されてたら 感無量だったでしょうにね。 ご冥福をお祈りします。

>zebraさん

蓬莱の~といえば、そういう宝物を持ってくれば結婚しちゃる、という無理難題を吹っかけた、かぐや姫。
結婚回避の方法なのかなとも思えますね。
いい女を得るには大変な試練が要る、というのもありでしょう。
古文はよく分からなかったです。漢文も同じく。

声の録音を先に済ませてからアニメを描いたらしいので、地井さんが録音したのは、わりと以前のことなのかもしれません。
この翁のせいで、かぐやは、なりたくもない「貴族」にさせられた、というのはありますけどねえ…。

私はこの作品ダメでした…。童話のかぐや姫が思いの他好きだったみたいで、なんか生臭くて受け付けなかったんです。
原作の「竹取物語」では、自分が月に帰る身だとわかっていたので、無責任に結婚なんてできないと無理難題を言って断ろうとしてました。お爺さんも映画ほど姫の気持ちに鈍感じゃなくて、すごく嫌がってるのは理解してるけど理由を教えてくれないから、じゃあもっといい相手をと頑張ってる感じで。
映画のお爺さんを見ていたら、大っ嫌いな”(ロミオと)ジュリエットの父親”を思い出してしまいました…。

>宵乃さん

先にあるイメージと違ったりすると、だめだったりしますよね。

こちらの翁は、娘の気持ちを考えていないです。自分が、いい身分をゲットして喜んで(人からどう見られているかは置いといて)、娘だって上流の暮らしをしたいだろうと思いこんでいる。そういう人、いるのかなあ、いるんだなあと考えちゃいますね。

ボーさん、こんにちは!

これは1年半も前の作品だったんですね(^^;
ボーさんの評価は良さそうですね。

かぐや姫は自分が願ったようには生きられなかったけど、
最後に「喜びも悲しみも彩に満ちていた」と言ってましたよ。
ボーさんが書いている、生き生きとした感情の動きこそが
生きる事の醍醐味だと言いたいのかなと思いました。
かぐや姫もずっと地球での記憶を持ち続けているかも・・・

>YANさん

こんにちは!
ありがとうございます。
公開から1年半も経ちましたか…。
これは年間マイベスト6位でした。
生き生きと生きる、いいですよねえ。そうありたいのですけど。
絵も素晴らしかったし、また、いつか見てみたいなと思います。


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  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
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