「レイルウェイ 運命の旅路」 - 2014.05.15 Thu
当たり前のことだが、「映画」においても、そうした作品を作りつづけることが大切。

クワイ河という名前を聞いたとき、「戦場にかける橋」(1957年)を思い出した。
そうか、あれと同じ。日本軍がイギリス兵捕虜を鉄道建設に従事させたのだった。
戦争において、どちらがどれほど、ひどいことをしたのかということは、当事者の主観も入れば、情報操作(?)もあるかもしれず、私はどんな話でも、鵜呑みにはしない。自分で見たわけでもないし。
以下、ネタばれ。
実話であるけれども、ひとつ、引っかかるのは、拷問を受けた者が、敵の通訳を恨むのはどうなのか。
当人の立場になれば、そんな綺麗事は言っていられるか、ということかもしれないし、その場にいた者は同罪と、すべてを恨むくらいの、ひどい経験であるかもしれない。
だけど、本当なら、恨むべきは、通訳ではなく、命令を下した上官ではないか。通訳が、英兵が不利になるウソっぱちの言葉を訳したわけでもあるまいに。
後日、偶然に消息を知った相手が通訳であって、とにかく、その場の一番身近にいた敵だから、恨みをもって会ってみた。ということかも?
もしも、会ったのが、命令を下していた上官だったら、のちに、友人になれただろうか、許せたか、どうだろうか?
ついでに言えば、彼の戦友が死ぬ必要があったのか。友人が復讐するのを後押ししようということだが、多少、唐突に思えた。余命が少なくて…というなら分からないでもないが。友人に託すのではなく、自分で実行してもいいんじゃないか?

ニコール・キッドマンさんは、夫を想い、心配する妻を演じて、もう、安定した上手さ。
素晴らしいです。
コリン・ファースとステラン・スカルスガルドが共演しているのを見て、「マンマ・ミーア!」を思い起こした。
ここにピアース・ブロスナンがいれば、「ソフィの父親候補3人組」!
ニコールも「ムーラン・ルージュ」で歌えることを証明済だから、いっそミュージカルにしたらどうかな、と一瞬考えたよ。
でも映画のテーマがミュージカルに合わない…。苦笑

ふたりで歌って…ませんね…。
それから、何かといえば、日本人役に渡辺謙か真田広之をキャスティングする欧米映画には食傷気味。ほかにいないのか。それとも、まずはビッグネームが欲しいのか。…日本人でない俳優を使うよりは、いいけどね。
(5月11日 角川シネマ有楽町)
THE RAILWAY MAN
2013年 オーストラリア・イギリス作品
監督 ジョナサン・テプリツキー
出演 コリン・ファース、ニコール・キッドマン、ジェレミー・アーヴァイン、石田淡朗、真田広之
参考:レイルウェイ 運命の旅路@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆(3点。満点は5点)
(c) 2013 Railway Man Pty Ltd, Railway Man Limited, Screen Queensland Pty Limited, Screen NSW and Screen Australia
● COMMENT ●
ハリウッドでは、、、
>kiraさん
英語圏以外の外国俳優は、英語ができる人がたくさんいるように思いますけど、日本の俳優は…?
若い頃を演じた、石田淡朗という人は、まるで知りませんでした。
実在の人物で、原作もあるらしいですが、どのくらい脚色されたのか。
どうも、原作では、あんなふうに憎んでいたわけではないような…?
私の場合は、ニコール中心の興味なので、まあいいですけど。
日本人俳優で、
渡辺謙か真田広之か・・・あとは世界のサカモト?(あれは俳優じゃない。笑)
『レイルウェイ~』は福島でも上映するみたいですが、7月末なんですよ。
その前に原作でも・・・と思ったけど、ノンフィクション苦手。
>小夏さん
ボーを使いなさい、下手だから。それじゃ、だめじゃん。
なんか、原作だと、そんなに恨み恨まれ、じゃないんじゃないかという疑惑も?
7月ですか…レイルウェイでフィルムを運ぶんでしょうか。(それにしたって遅いか)
やはり脚色が…
ご本人たちは映画化を知って喜んでいたけど、完成する前に亡くなったと聞きました。観ずに済んだのは幸いかも…と思ってしまったのは内緒です。
>宵乃さん
まあ、でも、こんなことがあったのを知ることができたのは、映画のいいところですね。
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英会話力で既に絞られ、演技力となってくるから限定されるのでしょうね・・
過去には吉田栄作とか松田聖子なども挑戦してましたが、「言葉の壁」で
オーディションを突破できなかったのでしょうね。
なのでこの役、やっぱり日本人俳優として演じることに意義持って演じて下さった2人にありがとうです。
「軍人」なのだから、「戦争」なのだから、、
個人の恨みを50年もたって個人で晴らしに行くという創作部分がダメでした(-_-;