「マレフィセント」 - 2014.07.13 Sun
マレフィセントと言われても「眠れる森の美女」の話は詳しく知らなくて、お姫様に呪いをかける「悪い魔女」なんだなとしか認識していません。
それが、この映画では、立派な翼をもった「良い」妖精ということで、おお~!と、ちょっと感動しつつ観ることになりました。
空を飛んだりするビジュアルも、現在の映像技術で、かっこよく。
以下、ネタばれ。

「観ていない子は、この先を読んじゃダメよ」
マレフィセントが人間の男の子と仲良くなって、しかし彼は、彼女の翼を切り取り、それを手土産にして王位を得ます。
傷み、悲しみ、怒ったマレフィセントは、彼の娘に呪いをかけるのです。彼女は16歳の誕生日に永遠の眠りにつくであろう、その呪いを解くのは、真実の愛のキスだけである、と。
呪いをかけられた姫、オーロラは3人の妖精に育てられることになります。
16歳までは無事なんだろうから、それまで両親のもとで暮らしてもいいのではないかとも思いますが…。
マレフィセントがその前にも何か手を出してくるかもしれないから、どこか遠くの、マレフィセントに知られない場所で娘を育てようとしたのでしょうか。その割には、あっさりと知られていましたが(苦笑)。
それとも、呪いをかけられた娘に対して、王様は、もはや育児放棄(ネグレクト)的な気持ちだったとも考えられます。

しかし、3人の妖精は子育てが下手。マレフィセントのほうが心配して、陰ながらオーロラ姫の成長を見守る「母親」のようになっていきます。
オトコ憎さのあまり、彼の目の前で、娘に呪いをかけちゃったけど、娘自身には何の恨みもなく、ただ、「かわいい子ども」なんですね。
見かけは冷たく突っぱねながら、じつは優しく見守るという、ツンデレ状態。これが、またアンジー(アンジェリーナ)にハマるんですよねえ!
大いなる母性の映画です。
カラスの手下も、いい存在です。
ご主人さまの好き勝手に、人間や野犬や竜に変身させられても、たまに文句を言いつつも忠誠を誓っています。ツンデレなご主人さまのことも、よく分かっておりますね。
オーロラ姫役のエル・ファニングさんも、独特の可愛らしさで、以前の出演作「Virginia/ヴァージニア」でもそうでしたが、「物語の中の娘」的な登場人物が合います。

本作と同じディズニー映画の大ヒット作「アナと雪の女王」では、単純に「王子様のキス」が「真実の愛」の正解ではなくなっていました。
さて、今度はどうなのだろう。…と観ていたら、なんと同じようなことに!
王子のキスでは目覚めず、マレフィセントが額へキスしたことでオーロラは目を覚まします。
「愛」は相手が誰であっても関係なく、その大きさ、深さ、心からの気持ちが大切なのだということでしょう。

吹替版で観たのですが、最後に声優さんの名前が出ます。
オーロラ姫が上戸彩さんと知って、びっくり。福田彩乃さんが3人の妖精の声を演じ分けていたことも、すごい。
最後の歌は、大竹しのぶさん。
マレフィセントは、アンジーの声の吹替をこれまでも担当している深見梨加さんで、すばらしいです。
ちなみに深見さんの旦那さんは、「アナと雪の女王」でハンス王子の役を吹き替えた津田英佑さんなんですね!
(7月6日 ユナイテッド・シネマ としまえん)
関連記事:「マレフィセント2」
MALEFICENT
2014年 アメリカ作品
監督 ロバート・ストロンバーグ
出演 アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、イメルダ・スタウントン、ジュノー・テンプル、レスリー・マンヴィル
参考:マレフィセント@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)

(c) 2014 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
● COMMENT ●
6回はアナ雪でしたね
>ノルウェーまだ~むさん
私自身、ディズニー? お姫様ストーリーだろ、ケッ! というイメージもあったので、こういうのは歓迎しま~す。はい。オトコなんて、ほぼ、ろくなもんじゃないです。
こんばんは
何か母性のイメージとかどこかで読みましたけど、へー?って感じです(苦笑)
字幕ではご覧になりました?
英語版、ハスキーでしっとりけだるい感じで良かったです。
ま、男女間のラブって、問題山積ですが(爆)
母性愛に裏切りはないと思いたいです。
>オリーブリーさん
エンディングの歌、不思議な感じもしたような…けだるいといえば、そういうふうにしていたのかも?
誰が歌ってるんだろう? って聴いていても分からなかったですけども。
字幕では観ていません。観てもいいな、とは思いますねえ。
母性愛にも問題のある例が…ないといいですよね。
こんにちは
「いつか夢で」は「眠りの森の美女」ではくどいくらいに劇中歌として頭からはなれない曲ですが、これが気だるさがあってどこか恐ろしさもあって…なんかぐっときちゃいました(あ、字幕でみました)
アンジー自信が語っていたように、翼をもぎとられのシーンがレイプ被害をあらわしているというのにはびっくりです
>makiさん
アンジーあってこその作品ですね。
今回は、ラストの歌ですよね、大竹さんのも、かなり、ムードは出していました。誰が歌っているのか、まるで分からなかったですよ。
あの場面はレイプを考えて演じたというのは、あとから知って、なるほどと思いました。
それもこれもあって、オトコは、けっこう、片隅に追いやられてますね。(笑)
大竹しのふの歌は予告に流れるバージョンがあったので、聞いた事があるんですが、やはり演技が巧みな人が歌うと「仕掛けてきやがるな」という感じで、あれはあれで面白かったです。映画のラストあの濁った感じなの?って気もしますけど。
>ふじき78さん
あの歌は不思議な感触でしたねえ。私は知らなかったので、なに、これ?みたいな。
後日談なんて作るといいんじゃないかなと思います。
ボーさん、こんにちは!
どこがモチーフとして使われていたのか分からないままの鑑賞でした。
3人の妖精が姫を育てる・・・ってのは、元々の設定かもしれませんね。
私もこの部分はなんで?って疑問に思ったもの。
「ツンデレ」・・・なるほど! そうそうこれが良かったですね~☆
そう言えば、カラスの手下の存在も良いと思いました。
「真実の愛」はアナ雪とこれと同パターンが続いたので
しばらくはこういう形は無いでしょうね~
>YANさん
3人の妖精、笑わせキャラのようになっていましたが、オリジナルはどうだったんでしょうねえ。
アンジーには似合った役柄でした。
子どもと一緒に出られたし、いい記念になったんじゃないかな~と。
「アナ雪」と本作、どんな話になるかは、同じディズニーですから、お互いに知っていたのではないかと思いますが、愛の解釈のしかたに時代を思いますよね。
大竹しのぶ歌唱!や深見さんと津田さんが夫婦!とか知りませんでした、へーへーへー!
続編決定したらしいですが、どんなのが来るのか全く予想がつきません。
アンジェリーナがまた来るとよいですね。
>まおさん
深見・津田ペアのことは、私も映画のデータを調べていて知りました。
続編!? アンジーとエルのコンビじゃないと、がっかりしそうですが、どういうのになっても観そうです。
こんばんわ
カラスが人間に変身するシーンは見事で、そこだけ何回も繰り返し見ちゃいました!!
映像がとても綺麗で、夢の世界に浸れる作品でした^^
>mia☆miaさん
ありがとうございます。
なぜ、すぐに手放したのかは謎ですよね。
おー、ディスクだと、繰り返しやスローができるからいいですね。
逆に、作る方は、しっかり作らないと、あらさがしができてしまう…
夢の世界、ディズニーらしい作品だったということですね!
グリム童話では
可哀想に思った善い魔女?は、王女が目覚めるまで眠り続ける魔法を国中の者にかけて、100年後くらいに通りがかった王子がキスして呪いを解いて結婚エンドです。(別作者バージョンではキスじゃなくてレイプしちゃうんですけど…しかも既婚者。汗)
三人の妖精に預けるのはディズニーアニメ映画のオリジナルで、私的にそのアレンジが好きになれなかったのもあって、「マレフィセント」もいまいち入り込めなかったです。女尊男卑の傾向があるのもちょっと…。
>宵乃さん
糸車がなければいいんだから、なくしちゃえ、の考えもありますね。
妖精たちはディズニーオリジナルですか。ディズニーらしいともいえますが。
男尊女卑が根強いから、その反動は常に出てくるのでしょうね。
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ディズニーの新境地が開けたのがよくわかります。
今の世の中、男の愛なんて真実ではない!という風潮なのかも。