「死刑執行人もまた死す」 - 2014.10.03 Fri
しかも監督は、ドイツから亡命したフリッツ・ラング。思いの込め方が違うに決まっている。

(余談ではあるが、この著名な監督さんは、マリリン・モンローさんのファンである私にとっては「熱い夜の疼き」を手がけたことによって、いっそう親しみというか、敬意というか、を感じる人なのである。)

アンナ・リーさんとブライアン・ドンレヴィ
舞台はチェコスロバキアのプラハ。ドイツ軍占領下にある。
ひとりのドイツ軍高官が狙撃される。
罪のない多数の市民が選ばれて拘束され、実行犯が捕まらない限り、かわりに一人ずつ処刑が行なわれることになる。なんと残酷で卑劣なやり方!
実行犯をかくまった一家の父親をウォルター・ブレナンが演じているのだが、メガネのせいもあるのかイメージが違って、こんなインテリっぽい役もやっていたのか、と少し驚いた。
一家の娘役のアンナ・リーさんは、のちに「サウンド・オブ・ミュージック」ではシスター・マルガレッタ、「何がジェーンに起ったか?」では隣家のベイツ夫人などを演じている。

ウォルター・ブレナン
映画は、実行犯を含むレジスタンス側、ドイツ軍側、実行犯をかくまった一家の娘と父親、ドイツに協力するプラハ市民のスパイ、それぞれを描く。
完全版とのことで、やはり134分は、ちょっと長い気がする。(短くしたものは120分らしい。)
エンディングはナチスの非情さを見せられて、やりきれない。
そしてエンドマークでは、まず、NOTと出て、THE ENDと続く。
戦争は、まだまだ終わっていなかったのだ。
(9月27日)

アンナ・リーさん
HANGMEN ALSO DIE !
1943年 アメリカ作品
監督 フリッツ・ラング
出演 アンナ・リー、ブライアン・ドンレヴィ、ウォルター・ブレナン、デニス・オキーフ、ジーン・ロックハート
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) 1943 UNITED ARTISTS. All rights reserved.
● COMMENT ●
120分版
>オカピーさん
本作は、とくに、戦時中に反戦をうたう映画なので、気持ちが入ってしまって、当時はカットしたくないところばかりだったのかもしれません。
いまの時代になってから、戦争中にこんな映画があったことを知っておくのも、知識のひとつになっていいと思います。
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その時は興奮するほど面白く感じたものですが、今春WOWOWで観たのは136分もあり、少しもたつきと説教臭さを感じました。
16分若しくは14分の差がこれほど違う結果をもたらすかと編集の大事さに思いが至りましたよ。