fc2ブログ
topimage

2023-06

「6才のボクが、大人になるまで。」 - 2014.11.20 Thu

「ボク」より、ラスト近くの母親の言葉に胸を突かれた。

私のように、18歳の少年より、彼の母に年齢が近い者にとっては、彼女のセリフは響いたのではないだろうか。
そして、彼女にこう言ってあげたい。
立派に生きてきたじゃないですか。(子どもも育ったことだし。)
お子さんが言うように、まだこれからです。
…人のことだと、そう言えるんだよね。たぶん、自分のことだと言えない。

読み聞かせ

本作は、同じ人物を12年にもわたって(1年につき数日?)撮りつづけて、1本の映画にまとめたもの。
ドキュメンタリーならあるかと思うが、これは脚本のある映画だ。
映画なら普通は、幼少期、子ども時代、青年時代などと、別々の人物が演じる。それを「ひとり」にして年月をかけた、アイデアと手間暇のかかった作品。

けんか

脚本があって演じているとはいえ、同一人物の成長が自然に画面に出ているから、リアル感は大きい。
取り上げられるシーンは断片的。それが積み重なっていく。
彼らが人生を生きていくのを、私たち観客が見守っていく感覚。
子どもたちの成長には当然、両親が関わってくるから、彼らについての描写も多い。
親の庇護のもとにある幼い頃には、どんな親であるのかが、子どもにとって避けられない重大問題であることも、よくわかる。

恥ずかしいなー

母親(パトリシア・アークエット)の男運の悪さときたら…脚本のせいだけど。
父親(イーサン・ホーク)は離婚して、そうなると子どもと会うにしても、そのときだけの付き合いだから基本的には気楽だ。笑えるシーンは多くが、この父の担当。


きゃのじょー
高校のときのガールフレンド。

2時間を過ぎてからだろうと思うが、さすがに、まだ終わらないのか、長いな~と思えてきた。
上映時間165分? 男の子18歳までで映画は終わるはずだから、もうすぐだろうなどと思いつつ。

終わり方はいいと思う。18歳。これから。
まさか、この後も撮りつづけて、中年、老年…なんてしないよね?

パパと

娘役、苗字がリンクレイターで、監督の実の娘さんらしい。
彼女自身、いい記念(?)になるだろうなあ。監督もそう思っていたに違いない。
リンクレイター監督には「ビフォア」シリーズがあるが、そういえば、あれだって「男女ふたり」の「○年後」の話で、今回は1本の映画にまとまっているものの、同一人物に演じさせるという基本は同じじゃないか!?

(11月16日 TOHOシネマズ シャンテ1)


大人同士?

BOYHOOD
2014年 アメリカ作品
監督 リチャード・リンクレイター
出演 パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、イーサン・ホーク、ゾー・グラハム

参考:6才のボクが、大人になるまで。@ぴあ映画生活

好き度☆☆☆★(3.5点。細かくいえば4点に近いほう。満点は5点)


(c) 2014 boyhood inc./ifc productions I, L.L.c. aLL rights reserved.

ブログパーツ

● COMMENT ●

> 上映時間165分? 男の子18歳までで映画は終わるはずだから、もうすぐだろうなどと思いつつ。

早く、大人になれよ。メルモちゃんのキャンデイーとか舐めさせたろか、われ。みたいに多少なりとも思える映画。

>ふじき78さん

メルモちゃん見たことないもんですから、キャンディの秘密を検索してしまいました!
なんて便利なキャンディなんだ! もしも、それ食べれば、数日でこの撮影も終えることができたんですよねっ?

あれ。すみません2つTBされました?

もうちょっと短くても良かったと思います。
リンクレイター監督作品好きだけど、
いい作品ではあるけど好みではなかったのです〜
いい映画だけど、人生を描いてるだけなので日常的というか
映画としてのみどころ面白みが足りない。かな。

>migさん

ひとつ削除したら2つとも消えるという事態になり、再度のTB、お手数をおかけしました!
2時間45分で、普通の日常だけでは、やっぱり少し、長さを感じてきます。いい作品ですよね。でも時間は気になりました。

私も、リンクレーター作品の「スクール・オブ・ロック」などは、年間1位にした映画です。

男運

ボーさん☆
男運のないママというか、男を見る目がないママと言うべきか。
そんな環境でも子供たちがきちんと育ったのは、ママが一生懸命頑張っている姿を尊敬しているからなのでしょうね。
子供に尊敬される親にならなくっちゃ…

>ノルウェーまだ~むさん

かっこよさとか、頼れそうな雰囲気で選んじゃってる気がします。
それが悪いとは言いません、いい人もいますよね。
どうであっても、自分はがんばるしかない…というのも、つらいですけど、それが人生か。…いや、なるようになりますって!(いきなり変わるな。笑)

こんばんは。
遅れましたが、今年もどうぞ宜しくお願いします。

そうそう、さすがに高校生の辺りから、長さを感じ始めましたわ。
でもあの母親の一言には、グッときてしまいましたねー。
赤ん坊を抱き上げた時から、長い長い子育てが始まりますが、本当にこんなに早いとは思わないんですよね。
子供は親を選べなく、それだけ親としての責任は大きいものですが、離婚しても父親と良い関係を築いてきたのも子供達の財産ですね。

>オリーブリーさん

おはようございます。
今年もよろしくお願いします。

これが長いと感じなければ、それだけ評価も上がるのでしょうけれど。
あの母の言葉はいちばん印象的で、これは彼女の映画でもあるんだなあと認識しました。
子育てって長いようで、終わってみると…というものなのでしょうね。
離婚した父と、子の付き合い…いまどきのアメリカ映画にはよくありますが、本作での関係は良好でしたね。

ボーさん、こんにちは!

男性のボーさんにも母親の言葉が響きましたか!
恋にも仕事にもパワフルに生きてきたあの母親でも
あのように淋しさを吐露するとは、
やっぱりどの母親も同じなんだな~って私の胸にも響きました!

ドキュメンタリーに思えるような作りで、
本当に家族の12年間を見守るような気持ちにさせられましたよね~
引き込まれて観てたんで割と長さは気にならなかったです。

>YANさん

こんばんは!
ありがとうございます。
なんといっても、あの場面のセリフですよ!
主役は彼女だと思っていますし。

評判ほどには、のめりこんで観なかったのですけど、ユニークな映画ではありますよね。

再婚相手と息子との

ファーストコンタクトシーンでもうこの男はダメだ…となりました(子供の話を聞く気がない態度)。お母さん、見る目ないと思います。
でも、終盤のお母さんのセリフは本当にグサッときますよね。きっと誰もがふと人生を振り返って、こんなに早く過ぎるなんて…と後悔する瞬間があるんだろうなぁ。

>宵乃さん

記事を探していただき、ありがとうございます。
見る目がなくて失敗つづきな人って、いるんだろうなと(身近にはいませんが)。
こんなに早く…私も最近少し思ったりしますね、年月がこんなに過ぎたんだ~って。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://bojingles.blog3.fc2.com/tb.php/2794-1be99416
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

6才のボクが、大人になるまで。

6才のボクが、大人になるまで。

映画:6才のボクが、大人になるまで。 あっと驚きの企画が生む、異次元の感動。今年のベスト1級!

昨日に紹介した映画、100歳の華麗なる冒険 とは全く方向性が真逆! 100才が吹く大ボラ、に対し、こちらは 6才(笑) 何と! 12年間、毎年数日ずつ集合して撮影する「人生」の映画。 原題は そのものズバリ、Boyhood。 ドキュメンタリーでなく制作されたこの企...

6才のボクが、大人になるまで。

撮影期間12年 公式サイト http://6sainoboku.jp 製作・監督・脚本: リチャード・リンクレイター テキサスの田舎町に住む6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(

『6才のボクが、大人になるまで。』をトーホーシネマズシャンテ1(4F)で観て、商品としては絶賛ふじき★★★

五つ星評価で【★★★作品としては並】    12年かけて一つの仮想家族を追いドラマ化する。 面白い商品を作ったものだ。 これを商品として提供できる巧みなプロデュース技術と ...

6才のボクが、大人になるまで。/BOYHOOD

「ビフォア」シリーズや「スクール・オブ・ロック」「テープ」など様々な作品で いつも楽しませてくれる、リチャード・リンクレイター監督の、待望の最新作は オーディションで選ばれた6歳の少年エラー・コルトレーンを主演に、 彼の12年間の成長と家族の変遷の...

「6才のぼくが、大人になるまで」☆人をつくるもの

まるでドキュメンタリーを観ているかのような、自然体な演技。 4人の役者が同じ家族の12年間を演じるだけでも凄いのに、本物の家族のようで微塵も違和感を感じさせないのは、やはり子役の姉弟の魅力あってこそでは?

少年時代~『6才のボクが、大人になるまで。』

 BOYHOOD  テキサスに住むメイソン(エラー・コルトレーン)は、口数が少なく内向的な 少年。姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とは、喧嘩しながらも仲がい い。ミュージシャン志望だった父メイソンSr(イーサン・ホーク)は家族と離れ てアラスカで放浪し、たまにしか会えない。母オリヴィア(パトリシア・アーク エット)はシングルマザーとして自立す...

6才のボクが、大人になるまで。

 『6才のボクが、大人になるまで。』を日比谷のTOHOシネマズシャンテで見ました。 (1)評判につられて映画館に行ってきました。  本作の舞台はテキサス州のある町。  初めの方では、6歳のメイスンは、ベッドで母親のオリヴィアにハリーポッターの本を読んでもらったり...

6才のボクが、大人になるまで。

6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。 キャリアアップを目指した母は、大学への入学を決意し、メイソンとサマンサを連れ、祖母が住むヒューストンへと引っ越しを決める。 離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)との再会、母の再婚、多感な思春期、メイソンは...

6才のボクが、大人になるまで。

6才のボクが、大人になるまで。 '14:米 ◆原題:BOYHOOD ◆監督:リチャード・リンクレイター「恋人までの距離(ディスタンス)」「ビフォア・サンセット」 ◆出演:パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレーター、イーサン・ホーク、イ...

18年の時

20日のことですが、映画「6才のボクが、大人になるまで。」を鑑賞しました。 6歳のメイソンは母オリヴィアと姉サマンサとテキサス州の小さな町で生活していた 大学に入学した母のためヒューストンに転居しその地で多感な思春期を過ごす。父との再会や母の再婚、義父の暴...

6才のボクが、大人になるまで。 【劇場で鑑賞】

賞レースで話題になった12年をかけて製作された 映画『6才のボクが、大人になるまで。』が 公開、都心からしばらく経って埼玉のシネコンで 上映されましたので観に行くことに、見逃して いたので助かりました。 6才のボクが、大人になるまで。 原題:BOYHOOD 製作:201…

6才のボクが、大人になるまで。

■「6才のボクが、大人になるまで。/Boyhood」(2014年・アメリカ) ●2014年アカデミー賞 助演女優賞 ●2014年ベルリン映画祭 銀熊賞(監督賞) ●2014年ゴールデングローブ賞 作品賞・助演女優賞・監督賞 監督=リチャード・リンクレイター 主演=...

6才のボクが、大人になるまで。

↓このポスター写真のボクが無邪気で可愛い~ この映画も好きだなあ♪ BOYHOOD 監督:リチャード・リンクレイター 製作:2014年 アメリカ 上映時間:165分 出演:*エラー・コルトレーン *パトリシア・アークエット *イーサン・ホーク *ローレライ・リンクレイター すべての瞬間に、「大切」が宿っている。 6才の少年の成長とその家族の変遷を、 実際...

映画評「6才のボクが、大人になるまで。」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2014年アメリカ映画 監督リチャード・リンクレイター ネタバレあり

6才のボクが、大人になるまで。

【BOYHOOD】 制作国: アメリカ  制作年:2014年 メイソンは、テキサス州に住む6歳の少年。 キャリアアップのために大学で学ぶと決めた母オリヴィアに従って、 姉サマンサと共にヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春 期を過ごす。アラスカから戻って来た父メイソンSrとの再会、母の再 婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時 には柔軟に対応しな...

「マルチーズ犬マフとその友人マリリン・モンローの生活と意見」 アンドリュー・オヘイガン  «  | BLOG TOP |  » 「ニンフォマニアック Vol.2」

おなじみの映画ブロガーさんの多いgooブログもTBを廃止。多くのブログがTB廃止の事態になってきた。こうなると、TBから記事をたどることができないブログが多くなる。ブログのURLをお気に入りなどに登録して、何を書いているのかなと、いつも見回りに行くしかない。

マリリン応援+映画雑文などのブログ。
下のほうにアクセスランキング、ツイッターがあります。



このブログのトラックバック・ポリシー (2009年1月10日、修正)

過去の記事の一部には「ブログランキング参加中~」という文面がありますが、現在はブログランキングから離脱しています。該当するすべての文章を削除することは大変なので、そのままにしてあります。

映画感想の「好き度」について。
☆☆☆☆☆(5)…GREAT!文句なし!
☆☆☆☆(4)…FINE!かなり、いいぞ!
☆☆☆(3)…GOOD.観て損はないかな。
☆☆(2)…NOT SO GOOD.ちょっとなあ…。
☆(1)…BAD!いいかげんにせい!
という感じ。★を0.5点とします。星5つは、ほとんどつけませんから、4.5点なら最高と言えます。 自分にとって面白いかどうかが重要で、世間の評判や、意義がある映画である等々は重要視しません。
好きだなあと思ったら3.5点に星が到達。


クリックで救える命がある。

小鳥頭
忘れっぽい人の同盟。
クリックしたら説明があるかもしれない
(忘れた)。


プロフィール

ボー・BJ・ジングルズ

  • Author:ボー・BJ・ジングルズ
  • HP「シネマ停留所」の管理人でもある。♂。単純に映画が好き。綺麗な女優が好き。マリリン・モンローさんは、わが永遠のミューズ。

ブログ内検索

最近の記事

最近のコメント

最新トラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング(30日分累計)

Twitter

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード