「雪之丞変化」 - 2015.06.19 Fri
「ゆきのじょうへんか」と読んじゃダメですよ。「へんげ」です。
長谷川一夫の三百本記念映画? 女形の役? おっさんじゃないかよ…。
と見ていたら、観客の若尾文子さん、おっさんに惚れちまった。
映画は、この女形の仇討の話で、観客の中に初めて親のかたきの姿を見るわけです。その目的のために、若尾さんの恋心を利用しようということに。

ついさっき(映画を見てから5日後)まで、悪党の闇太郎が長谷川一夫の二役だとは知らなかった。
勝新太郎が出ていたというから、闇太郎は勝だったのかなー、なんて考えていたのだが。(苦笑)
市川雷蔵の名前もあって、昼太郎という役らしいので、これは、闇太郎をライバル視していた、あの人か、とわかった。(映画を見た後でね。)
顔を知らないと、こういうことになる。
山本富士子さんが江戸っ子の姉御肌の盗っ人で面白かった。かっこいい。
ちょっと卑屈な剣客が船越英二なのか~! これも見ているうちは(当然)気づかなかったけども。
中村鴈治郎は味がある。
BGMがジャズっぽく、影をうまく使う映像の工夫も。
語りが徳川夢声だったり。
なにしろ、やっぱり、若尾文子さんが好きです!
(6月14日)
1963年作品
監督 市川崑
出演 長谷川一夫、山本富士子、若尾文子、船越英二、中村鴈治郎
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
● COMMENT ●
>宵乃さん
山本富士子さんの映画は、ほぼ、見たことはないはずで、名前がいかにも日本的でもあるので、おしとやかなイメージがあったのですが、いい意味で裏切られました。
長谷川一夫といったら、美男の代名詞だったのでしょうから、若い頃は…みたいな? 当時を知りませんからね~、私も。
6月末から映画館で若尾さんの特集があるようなので、ちょっとチェックしたいなと思っています。土日のみ…。
市川崑
若尾さんの美しさに、子供ながら圧倒されました。「世の中には、こんなに綺麗な人がいるんだ...」ってね。長谷川一夫の色気も凄いよね。
序盤で「首つり」の場面が子供には怖かった。ドベサンサイという名前を刷り込まれました。ミカミオトキチとかいう人の原作だと思いますが、日本人てホント復讐譚が好きだよね。
>又左衛門さん
ありました、首つり。なにか、まっすぐ体が垂れていなかったのが不思議に思えましたが。
長谷川一夫自身、若いころに、この原作の映画に出ているようですし、ほかの俳優でも映画化されているみたいですね。
翻案もの
「他人の褌で相撲を取る」ってこういうことなんじゃないの....?
>又左衛門さん
ああ、翻案ものって、よくあったみたいですね。
「巌窟王」なども。
映画でいうなら、「原案:マッカレー」「脚本:オトキチ」みたいなものですねえ。
若い長谷川一夫(当時は林長二郎でしたが)を見るチャンスはなかなかないと思うので、消される前にご覧になってはいかがでしょうか。伏見直江さん演じる拳銃使いの悪女がすてき! 惚れますな。
戦前のモノクロ映画はハマるとハマりますよ。なにしろ制作会社はおろか監督にすら、「保存しよう」という発想がまったくなかったので、断片含めて当時の作品量の15%くらいしか残ってないという。いやほんと(T_T)
>ポール・ブリッツさん
保存の発想がなかったなんて、いまでは考えられないようなことです。
昔のものも見たい気もするのですが、まず外国映画寄りでして、日本のを見る余裕がないという、ていたらくなのですよ。
気が向いたら(変わったら)どんどん見たりする…のかもしれません!?
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女盗賊が可愛かったですよね~。ずいぶん前に一度観たきりだけど、「あんな男女に惚れるもんか!」と床で悶えてるシーンははっきり思い出せます(笑)
あと、どうみてもおっさんな雪之丞も…なんであんなにモテるんだろう?
若尾文子さんも可愛かったですよね♪