「黄金のアデーレ 名画の帰還」 - 2015.12.09 Wed
語り口のうまさ、丁寧さ、演技、感動、素晴らしい。
…と、ツイートしたね。

最近、大ざっぱな脚本のもの(ツッコミどころが多いもの)を多く見ていたのか、納得のいく言動、物語を描いてくれると、感心してしまうのであった。
「マリリン 7日間の恋」の監督さんは、やはり、しっかりとした映画をつくるんだなあと、確認できた。
マリリン・ファンだから、ひいきをしているわけではない。公正に見ていますよ!
「マリリン 7日間の恋」では、若い男性がマリリンに関わっていった。
本作でも、ひとりの女性が絵を取り戻すための手伝いに関わるのは、同じように、やさしげな若い男であって、偶然だろうけれど、なんだか構造的に似てるじゃない!? と思ったものだ。
故郷の地オーストリアという国家から、絵を取り返そうとしたマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)。彼女はアメリカに暮らす。
ナチス・ドイツの嫌な思い出があるから、絵を取り戻す交渉のためでも、オーストリアには行きたくない。
それでも、逃げずに過去と向き合うことが必要なときもある…。
その勇気。
正しくないことを許したまま、大きな権力に負けたままでいいのか。
若き弁護士と、依頼主のふたりの戦いは続けられた。

偉そうにしているヤツに負けないぞ! っていうのは応援に力が入るよね!
ヘレン・ミレンさんと、ライアン・レイノルズのコンビ、よかったなー。オーストリアで味方になってくれる男、見たことあるなあと思ったら、「ラッシュ/プライドと友情」でのニキ・ラウダ役の方ですね。
マリアの若い頃を演じたタチアナ・マズラニーさんも、とても綺麗な方で、アデーレ役のアンチュ・トラウェさんともども、品と美しさで、映画自体をランクアップしてくれた。家族を演じる俳優たちの顔つきが、わりと似通っているのも、ちゃんとしている。
正直に告白しますと、嗚咽しそうなくらいに感情が乗りました。
以下は、ネタばれになっていきますが…
両親との別れや、最後の家族との再会の夢想なんて、パーフェクトな(感動の、いや、泣かせの)演出。完璧!
オーストリアが絵画保有権闘争に負けたあと、手のひらを返したように、美術館側は「絵をオーストリアに置いてくれんじゃろけんのう?」とマリアに打診するが、争いに何年もかかったあげく、今まで妥協案もあっただろうに聞く耳もたず、今さら、そんなこと言うなんて、いい気なもので、ただ、絵を取られたくないだけのことと思われてもしかたがない。
親身になって他人のことを考えない奴ら、嫌いな奴らに、絵を任せておくことはできないのである。
(12月5日 イオンシネマ 板橋)

WOMAN IN GOLD
2015年 イギリス作品
監督 サイモン・カーティス
出演 ヘレン・ミレン、タチアナ・マズラニー、ライアン・レイノルズ、アンチュ・トラウェ、ケイティ・ホームズ
参考:黄金のアデーレ 名画の帰還@ぴあ映画生活
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) THE WEINSTEIN COMPANY / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ORIGIN PICTURES (WOMAN IN GOLD) LIMITED 2015
● COMMENT ●
原題は
>officeroaderさん
こんばんは
戦争の犠牲は人間だけじゃなくて名画にもいろんなドラマがあるものなんですね。
ヘレン・ミレンの演技は素晴らしかったです。
女性陣はみなさんきれいでしたね。
>yukarinさん
絵も価値があるから略奪されちゃうわけですね。
ヘレンさんは、もう、なにを演じても余裕の貫録です。
若いころのパート担当のタチアナさんもよかったですね~。
>ふじき78さん
と言いながら、コンビニおでんは食べたことがないという私です。
霊となると、新作も来るゴーストバスターズ出動の予感が。
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