「ポセイドン・アドベンチャー」 - 2016.09.05 Mon
なにしろ、映画の最初に「ハリウッド・クラシックス」と字幕が。名作、古典なんですね、すでに。

記念写真的な? 後ろは映画撮影でも使われたクイーン・メリー号のようです。
敬称略で前列左から、ステラ・スティーヴンス、パメラ・スー・マーティン、中列左から、アーサー・オコンネル、シェリー・ウィンタース、ジーン・ハックマン、後列左から、ジャック・アルバートソン、アーネスト・ボーグナイン、ロディ・マクドウォール、レッド・バトンズ、キャロル・リンレー。
脱出行に加わった10人としては、男の子のエリック・シーアがいませんね。反対に、アーサー・オコンネルは10人のなかには入っていないけど写真撮影に参加しています。
「午前十時の映画祭」にて観賞。
「ポセイドン」の記事でも書いたが、私が映画を見始めた頃に、映画館で観たおもしろい大作映画として記憶に残る、「自分の映画史の中で記憶されるべき映画」なのである。でも、見るのは今度で3回目。

主題歌の「モーニング・アフター」は、当時、よく耳にした。ラジオの映画音楽番組だったか。
歌手役はキャロル・リンレーさんだけど、モーリン・マクガヴァンさんが映画でも吹き替え(のはず)。
船が転覆して、すべてが逆さまになったところを、救助を待つために、下から上へ向かう。いちばん上にある、スクリュー近くの、鉄板が薄い「船底」へ向かうわけだ。
牧師を中心にして動き出した一行は10人。
この牧師、自分の力で何かを切り開こうという意思の力が強くて、リーダーにふさわしいのだけど、ワンマン気味に引っ張る人間に対しては、反発する人も出てきがちなんですよねえ。
対立する者もいれば、仲介する者もいたり。人間模様がおもしろい。人物をしっかり描写するのが、いいドラマ。

記録のために、10人を書いておくと、フランク・スコット牧師(ジーン・ハックマン)、マイク・ロゴ刑事(アーネスト・ボーグナイン)、妻のリンダ・ロゴ(ステラ・スティーヴンス)、独身の雑貨商ジェームズ・マーティン(レッド・バトンズ)、歌手のノニー・ペリー(キャロル・リンレー)、孫に会うために旅行中の夫婦のマニー・ローゼン(ジャック・アルバートソン) 、ベル・ローゼン(シェリー・ウィンタース)、10代の姉弟のスーザン・シェルビー(パメラ・スー・マーティン)、ロビン・シェルビー(エリック・シーア)、船のボーイのエイカーズ(ロディ・マクドウォール)。
もう、最初に転覆して、みんなが下へ落ちていくところから、悪夢のようで、かわいそうで、泣けてきた。
ちょうど新年があけて、全員でお祝いをしていたところなので、急転直下のインパクトが強い。なんという運命なのか。
映画は、牧師が率いる10人の行動を追っていく。水が迫ってくるなかを、困難な道のりを、なんとかルートを探して進む。
がんばって、みんな助かって! と応援しながら、ハラハラしながら見守るのだが…。
生き残った乗客たちに向かって、牧師は上に移動することを勧め、船のパーサーはその場にとどまることを主張する。
どちらが正しいのか、どちらに付いていくのかは、個人個人が判断するしかない。これは難しい。自分だったら…?
正しい道を進んでも、ちょっとした不運で命を落とすかもしれない…。牧師でなくとも「神よ!?」と言いたくなりますよ。

船長役のレスリー・ニールセンと、ステラ・スティーヴンスさん。
船長さんをレスリー・ニールセンが演じていて、のちに、おとぼけお笑い映画の主役をやるとは思えないくらい、凛々(りり)しくて、かっこいい。(笑)
マリリン・モンローさんのファンとしては、牧師のジョンとして、アーサー・オコンネルが出演しているのに喜ぶ。なにしろ 「バス停留所」のボーの師匠ともいえるバージですから!(わからない方は映画「バス停留所」を見てくださいね。)
でも、ジョン牧師、10人の一行に加わらなかったんだ…。
シェリー・ウィンタースさんも、マリリンと知り合い。
ステラ・スティーヴンスさんは「プレイボーイ誌」のグラビアに出たという、マリリンとの共通点あり。
娯楽アドベンチャーでありながら、人間関係のドラマも見応えがあって、すばらしい。
(9月3日 TOHOシネマズ 日本橋)

この場面で不在なのは、牧師のジーン・ハックマンと、ボーイのロディ・マクドウォールですが…無事なのでしょうか!?
THE POSEIDON ADVENTURE
1972年 アメリカ作品
監督 ロナルド・ニーム
出演 ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、シェリー・ウィンタース、ステラ・スティーヴンス
好き度☆☆☆☆(4点。満点は5点)
(c) Twentieth Century Fox Film Corporation
● COMMENT ●
こんにちは
>makiさん
転覆前に、それぞれの人物描写をちゃんとやっているから(しかもテンポよく)、あとがドラマティックになっていきますね。
牧師さんは、婦人の死には自分の責任も大きく感じたでしょうし、そういうのは最後まで引きずるでしょうし。いろんな面で、しっかりしたドラマだなあと思いますね。
自分だったら
何が正しいかなんて本当にわかりませんよね。彼らが生き残ったのだって、ただ運が良かっただけかもしれないし。
それでも、彼らが諦めずに抗ったおかげで運命に打ち勝ったと思える展開でしたね。
古い作品が苦手な人にも観てほしい作品です!
>宵乃さん
最善を尽くすといっても、何が最善なのかが、そもそもの問題になりますね。
昔の映画で、すばらしいものは、たくさんあるので、多くの方に見てほしいものです。
大きなスクリーンで観ることができてよかったです♪
ですので午前十時の映画祭で観たときは、もう作品の素晴らしさに
感激してしまいました。派手なアクションや爆破シーンを売りにした
パニック映画ではなく、様々な人間ドラマが交差していくことで
緊張感やスリル生み出される面白さに、私はどっぷりとこの映画の中
へ引きずり込まれてしまい、結局3回観てしまいました(笑)
終盤は、涙、涙の連続。でも救出された時のジョン・ウィリアムスの
重厚な音楽は、観ている私たちに尊い命の犠牲があったことを決して
忘れさせる事なく、映画を観終わったあとは助かった6人への歓び
よりも犠牲者への哀悼の気持ちが余韻として強く残りました。
あと、最後の最後でスコット牧師のあのシーンには思わず絶句して
声を出してしまいました(笑)
よい映画に出会えてよかったです☆彡
俳優陣の中ではステラ・スティーヴンスさんがよかったです。
彼女について調べてみたら、マリリンと同様に若い頃、とても
たくさん苦労をされていました。だからこそ、この映画で
体あたりの演技ができたのだろうと思います(彼女だけが、
シャツとパンツだけの服装でがんばっていて、体調管理も含め、
撮影時はとても大変だったと思います・・)
http://bit.ly/2cpx6oD
↑ 40周年(2012/12/29)
http://smu.gs/2cDCmcu
↑(2011/03/20、アーネスト・ボーグナインさんは
2012/07/08にご逝去されました(涙))
>ふじき78さん
>さえさん
それだけ好きになるのは素晴らしいです。私も気に入ると何回も観るので、気持ちは分かります!
牧師のシーン、もうほとんど出口に近いところですよね。それを考えたら、彼女だって、そうだったんです…。
あの役を、神と関わる牧師に設定したのはインパクトがありました。でも、もし神父だとしたら、映画ではあっても、神に対する疑いを持たせるのは難しかったのだろうと思います。
ステラさんはパンツにシャツで頑張りましたね! パメラさんがパンツじゃないのが、おかしいといえばおかしいのですが、まあ、しょうがない(笑)。
40周年のイベントなどがあったんですね! さすが名作。
10代の姉弟役は、まだ50代だから、お元気。ステラさんもパメラさんもいますねえ。
ボーグナインは、あの風貌だけど(だからこそ?)、活躍しました。「ワイルドバンチ」などを思い出します。
こんばんは。
今でも再観してしまう作品で、同じパニック映画の「タワーリング・インフェルノ」に並びますね。
当時のパニック作品は、豪華有名人が出ているのも嬉しかったですね。
やっぱりラストでの水泳女性の死は泣いてしまいます。
ちょっと神父様があまりにも強引なところもありますけど、ロゴとの対比がよかっです。
2作目であんなにこけるとは思いませんでしたけど。(^^;
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせて頂きます。
>白くじらさん
「タワーリング~」は「ポセイドン~」に続いて来たパニック大作で、水の次は火事かー、と思いました。マックイーンとかですね。
潜水をやりとげてから亡くなるので、見たときは、えっ?と思ったのですが、ハートアタックって、しばらくしてから来ることもあるのかと…。
ほんとに、しっかりできた作品です。アイデアと脚本ですね、まずは。
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ジーン・ハックマンは言わずもがな、
10人の登場人物それぞれの背景のきちんと描かれてるから、
臨場感とともに感情移入も半端なし!
老婦人の水中水泳後の死とか、やっぱり泣けますし…。
リメイク版もそれなりに面白かったけど、やっぱりこちらには勝てませんよね~