「AMY エイミー」 - 2017.11.09 Thu
麻薬や酒から逃れられずに破滅するミュージシャンが現れるのは。
エイミー・ワインハウスという歌手を、私は名前しか知らなかった。
この映画を見るまでは、歌を聞いたことさえなかった。
ジャズといえる歌だと思った。うまい。私の好みとすれば、好きなほうだと感じた。

幼いころに両親が別れたことで、彼女には影響が現れたらしい。
「抗うつ剤」という言葉も出た。
ただ歌えれば幸せ、音楽ができれば幸せ。
しかし、ヒットを飛ばし、受賞し、有名になってくると、好きなようにはできなくなる。業界内でのプレッシャーもあったのか。
アルコール依存、摂食障害に加えて、彼氏がせっせと麻薬にいそしむ人間で、彼女も一緒に耽溺する。
「ドラッグなしじゃ退屈なだけよ」のセリフに溜息が出てしまう。それじゃダメだよ、と。
マスコミが群がる。フラッシュの嵐は、興味本位の、悪意ある、まるで、突き刺さる「いじめ」の攻撃のようだ。
こうした特別な才能を持ったがために、尋常ではない人生を送ることになると、それに耐えきれなくなる人がいる、ということか。
麻薬などのさまざまな「依存」から離れていると不安や恐怖に包まれる。逃れるために「依存」に頼り、離れれば再び不安や恐怖。繰り返し。そういうことになるのだろう。
最後のほうは、見ていて、かわいそうになってしまうが、エイミー・ワインハウスというミュージシャンのことは、私の中に刻み込まれた。
映画の力は、そうした面にもある。
憧れだったトニー・ベネットと一緒にレコーディングできたり、幸せな時も少なからずあったと思えるのが、せめてもの慰めになる。
(11月8日)

AMY
2015年 イギリス作品
監督 アシフ・カパディア
出演 エイミー・ワインハウス、ローレン・ギルバート、ジュリエット・アシュビー、ニック・シマンスキー、トニー・ベネット
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) A24 Films
● COMMENT ●
ブレイク
>まっつぁんこさん
麻薬は怖いというのも改めて思いました。
>pu-koさん
クスリやアルコール、中毒は最初を気をつけないといけないですね。
私はアルバム1枚を聞いていて、ヒット曲が普通に好きだったんで、死んだ時は衝撃でした…確かクスリはやめた、という話もあった頃で。
そのヒット曲に苦しめられていたという所も悲しかったです。
>まおさん
おなじみの人だと、なにかあるとショックですよね…。
音楽のエンタメ界では、悲劇的なことが、けっこう目立つ気がします。
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とりまきが悪かった。