読書記録(2018年3月) - 2018.04.05 Thu

「愛娘にさよならを」 秦建日子
刑事 雪平夏見シリーズ。いかにもテレビドラマっぽく映像をイメージできて、するすると読めてしまうのはいいといえばいいし、お手軽すぎるといえばそうかもしれない。(3月2日読了)

「審判」 フランツ・カフカ
突然の逮捕。しかし、収監されるでもなく、へんてこな裁判らしきものを経て、はっきりしたこともわからず気持ちだけが追い込まれていき、無情なラストを迎える。やるせない底知れない不条理な不安は現代にも変わらずに通じて、後世に残る作品となったのも納得できる。(3月16日読了)

「涅槃の雪」 西條奈加
北町奉行所の与力が主人公。水野忠邦の天保の改革の進展に沿って、物語が進んでいくのがアイデアもの。遠山景元(遠山の金さん)や鳥居耀蔵などおなじみの面々も出てくるし、不器用な恋愛模様もあって、おもしろく楽しく読める。(3月30日読了)
● COMMENT ●
涅槃の雪...
>kiraさん
かえって、電子書籍のほうが、明るくできたり、字を大きくできたりで、いいのかも?(私は未経験ですが。)
「涅槃の雪」、時代物ですけど、とても読みやすいですよ。中山義秀文学賞を受賞もしていますね。
朗読と翻案
てっきり、ペンネームだとばかり思ってましたが、本名なんですね。たけひこ。女性と間違いそうな名前ではあります。2003年だかの日テレのサスペンス「共犯者」が秦さんのオリジナル脚本で、毎週ワクワクしながら観た覚えがあります。
>「審判」。講談社の全集(カフカだけの)で中古本で買いましたが、未読です(笑) これか「城」か、アンソニー・パーキンスが出演した映画がありましたよね。余談ですが、「変身」の「ある朝ザムザはベッドの中で.....」とかいう冒頭の部分だけ印象に残っています。
余談もうひとつ。宍戸(ししど)カフカっていうミュージシャンがいて、去年の朝ドラ「ひよっこ」にも出てましたが、カフカのファンなのかな....?
>池内紀(いけうちおさむ)さん。ドイツ文学者で、以前NHKFMの「日曜喫茶室」のご常連でした。はかま満男さんが亡くなったので、この番組は終了しました。
さて「朗読」ですが、私は昔から文学作品の朗読を聴くのが好きで、先月NHKのラジオ第一で乱歩の「パノラマ島奇譚(奇談)」(2週間くらいの連続)を聴いておりました。原作本を見ながら聴くと、若干省略しているのが分かります。でも俳優さんが読むので臨場感はありました。
「翻案」は、エラリー・クイーンの「Yの悲劇」を日本を舞台に置き換えて作られたドラマ(連続6回)を観ました。随分昔の作品で、内容も知っているので、驚きはありません。ドルリー・レーン役は石坂浩二。故夏目雅子も出てます。若いころの八千草薫さんがおきれいです。
例の久世さんの「1934年冬 乱歩」をのんびりと読んでますが、「Yの悲劇」はバーナビー・ロス名義で発表されましたが、どこかクイーンの作風に似ていると感じた知人のご婦人の指摘が面白い。
訂正
カフカの意味は、チェコ語で「コクマルガラス」の意味だそうで、カフカとは関係ないそうです。国籍・日本人。
>又左衛門さん
「審判」の、いきなり逮捕は、現実にあったら怖い、恐怖政治ですね。
シシド・カフカさんは、そういえば「リメンバー・ミー」の日本語バージョンを歌っているような?
過負荷
一時停止しましたが、驚異の8連勝!! 今年は凄いですねぇ。牧田も野上もいないというのに、打線爆発で首位独走。森が捕手定着したのが原因か?
先日の対ホークス戦(本拠地)の始球式で、東尾と田淵が「工藤倒すぞ!」と宣言したのが現実になりました。去年も強かったけど、今年はもっと手ごわい。
さて、
>講談社の全集(カフカだけの)で中古本で買いましたが、未読です。
勘違いでした(笑) 買ったのは別の本でした。それで図書館から借りました。新潮社版と河出書房版の2冊。「審判」は新潮社版にしか収められていません。
ここで出てくるKとは、Kafka自身なのでしょうか? 「城」にもKは出てきます。
>又左衛門さん
Kはカフカでしょうねえ。近藤とか桂とかではないと思います。
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本当に根気が無くなってしまったけど、
この3冊の中では「涅槃の雪」に惹かれます。
読んでみたい☆