「メアリーの総て」 - 2018.12.30 Sun
「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」を書いたメアリー・シェリーの半生記。
ただし、ほとんどのシーンは夫となる詩人のパーシー・シェリーと知り合い、「フランケンシュタイン〜」出版までの10代後半から20歳までを描いている。

パーシーとの仲を父に反対されて、義妹とともに家を出るメアリー。
三角関係にならないかと、観客はみんな心配(したと思う)。
自由恋愛主義のパーシー・シェリーとの生活はやがて困窮していく。
詩人バイロンと関係をもった義妹に誘われて、メアリーとパーシーはスイスにあるバイロンの別荘へ。
バイロンの提案で、各自が怪談を書こうということになるが…。
生まれて、すぐに母親を亡くし、自分の子も早くに亡くしたメアリーゆえに、孤独や悲しみを知り、自分を生み出した者の愛を得られない怪物のストーリーを生んだのだろう。
バイロンの別荘では、医師も滞在していて、のちに彼は吸血鬼の話を書いたという。
え、ブラム・ストーカー? と思ったけど、名前も違うし、ストーカーの著作より80年近く早い。
エル・ファニングさん、18か19歳のときだから、映画でのメアリーとほぼ同じ年代。堂々たる主演女優の風格がさらに板についてきた。
義妹を演じたベル・パウリーさんも好演。

(12月29日 シネスイッチ銀座)
MARY SHELLEY
2017年 イギリス・ルクセンブルク・アメリカ作品
監督 ハイファ・アル=マンスール
出演 エル・ファニング、ベル・パウリー、ダグラス・ブース、トム・スターリッジ、ベン・ハーディ
参考:メアリーの総て|映画情報のぴあ映画生活
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) Parallel Films(Storm)Limited / Juliette Films SA / Parallel(Storm)Limited / The British Film Institute 2017
● COMMENT ●
あけましておめでとうございます
昨年はグダグダのまま年始突入してて、全く年末年始感がない~!
こんな私ですが
本年もよろしくお願い致します★
>makiさん
映画の会とは、また、どのような? 楽しくできるといいですね。
今年もよろしくお願いいたします!
当地でやっと上映
こないのかとがっくりしてたら、頑張ってくれてる映画館がやっぱり呼んでくれました!
>しずくさん
お客が入ってくれるといいですが。
やっと観ることができました。感想を書きましたのでTBさせて戴きました。
〉三角関係にならないかと、観客はみんな心配(したと思う)。
ここ微妙でした・・・。一時的にはなった時もあったように受け取れました。
しかし、メアリーが大人的な(?)態度で乗り切ったように私的には思えます。
>しずくさん
いっしょについてくるとは、びっくりでしたね。よほど新しい境遇で生きたかったのだなと思いました。それくらい、女性には閉鎖的な社会でもあったのかなとも。
弊記事までコメント有難うございました。
スイスの館での創案は有名な話ですが、その着想源としてこの二つは明らかにありましたね。それに加えて、奮闘する女性という男性社会における孤独がありました。
だから、僕は、彼女はフランケンシュタイン博士であると同時に、その生み出した怪物でもあると思うわけです。
監督がサウジアラビアの初めての女性監督(そもそもサウジに映画館はなかった)故に、男性社会でひそかに闘うメアリーに強い共感を覚え、作ったのでしょう。
ところで、【一年遅れのベスト10】を発表しました。良ければ遊びに来てください。
>オカピーさん
バイロンなんかも関係するのも知らず、そうした驚きは映画観賞時に加わりました。
当時の社会での女性の奮闘も、心を打ちますよね。女性監督なのもテーマ的にプラス要素です。
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