「太陽はひとりぼっち」 - 2019.01.28 Mon
その謳(うた)い文句は、はじめから脳裏に刻まれていた。
中学生の時に、ヨーロッパ映画音楽を集めたレコードを誕生日に買ってもらった。
そのなかに「太陽はひとりぼっち」の曲もあって、映画の紹介文に、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作風が「愛の不毛」とあったのだ。
曲は、かっこよくて、聞いたら二度と忘れないほどのもの。
持っていたレコードは演奏のみだったが、映画のオープニングでは、ミーナが歌うバージョンが流れる。
でも、映画では、途中で違うインストルメンタルに変わってしまうのは残念。
理由もわからずに満たされない風情を表現したモニカ・ヴィッティさんが素晴らしい。こんな様子を、アンニュイというのか。
(かと思えば、自己流アフリカン・ダンスを踊る、変なシーンもある。)
アラン・ドロンは証券取引所で働いていて、映画は騒々しい株取引を、面白くもなく長々と映し出したりする。
監督のテーマからしてみると、こうした人間の行為も虚しいものだと言いたいのだろうか?
原題は「日蝕」。人の心にも陽は射さない、みたいな意味があるのだろうか?
「太陽がいっぱい」がヒットしたせいで、こちらも「太陽~」のタイトルがつけられてしまったのだろうが、日蝕とは太陽がらみで多少は関係はあるし、「ひとりぼっち」も、なんとなくわからなくもない。
(1月26日)

L' ECLISSE
1962年 イタリア・フランス作品
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
出演 モニカ・ヴィッティ、アラン・ドロン、フランシスコ・ラバル、ロッサナ・ローリ、ミレッラ・リチャルディ
好き度☆☆☆★(3.5点。満点は5点)
(c) 1962 STUDIOCANAL. Tous droits reserves.
● COMMENT ●
太陽族
山本リンダ
弊記事へTBとコメント有難うございました。
>持っていたレコードは演奏のみ
日本で大ヒットした、アルト・サックスとギターが格好良いあのバージョンでしょうか? あれには痺れた人が多いようですねえ。
昨年僕が知っている古い歌謡曲を集めていた時に山本リンダの「こまっちゃうナ」を久しぶりに聴き、“あれ「太陽はひとりぼっち」にどこか似ているぞ”と思いました。作曲とアレンジを担当した遠藤実が意識していたのは、アルト・サックスとギターの使い方から言って間違いなく、Aメロの前のリフレインもほぼ同じ。全体のメロディーは余り似ていません。
お暇とご興味がありましたら、YouTubeで聴けますので、どうぞ(笑)
>又左衛門さん
見たら退屈に思う方もいると思いますよ~。
私は大丈夫でしたが。
ガラス越し、ありますねえ。そんなところはスタイリッシュ(?)かもしれませんねー。
>オカピーさん
サックスの演奏ですね。ギターはありましたっけ、よくわかりません。
LPのジャケット写真がアラン・ドロンだったような覚えがあります。
「こまっちゃうナ」、聞いてみました。似ていると思うところ、ありました。
よく気づきますね!
1966年とありますから、年代的にもOKですね。
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日本でも某石原慎太郎原作の「太陽の季節」というのがありました。男性の逸物で障子を破るとか、妙な(笑)シーンが話題となりました。実際にまねした人いるのかな?(笑)
この作品、随分前に録画したんですが、未だに観てません。冒頭のチェッカーズのような主題歌を聞いて満足のパターン。
BJさんがアップしてくれた動画を観ると、「ガラス越しのキス」シーンがありますね。邦画にも似た場面の、たしか久我美子の「また逢う日まで」にあるそうです(検索結果)